一昔前の“グローバル化”のイメージとは、全世界が一つの市場に統合され、“無国籍化”した巨大グローバル企業群が自由自在にビジネスを展開する開かれた市場、というものでした。この状態も果たして“理想”と言えるかどうかは疑問なところですが、現実は、このイメージとは違った問題を突き付けております。
昨今の報道によりますと、最近、中国系企業の日本進出が目立ってきており、8月21日付の日経新聞には、“「紅い経済圏」日本へ”と題して中国企業が続々と日本市場でビジネスを開始する様を伝え、“上陸ラッシュ”と表現しています。スマホ決済の「アリババ集団」、民泊サイトの「途家」、自動車シェアの「摩拜単車」、旅行サイトの「携程旅行網」、通信機器の「華為技術」など、特にアメリカ発のプラットフォーム型の新ビジネスの分野を中心に日本市場への進出が相次いでいるのです。プラットフォーム型の新ビジネスは、“早い者勝ち”の面もあり(最初にネットワークを構築した企業が有利となる…)、商機を掴む中国企業の素早さには驚かされますが、日本国における“グローバル化”の行く末は、日本経済圏に中華経済圏がかぶさってくる二重構造化であるかもしれず、このリスクは、在日中国人や中国人観光客の増加を考慮しますと、上記の“グローバル化”よりも特定の外国による自国の経済支配という面において深刻です。
グローバル市場の理想像では、特定の国が同市場において支配的な地位を占める状態を想定していません。企業は“無国籍化”されており、国境措置や規制も完全に撤廃されているため、政府の姿も殆ど見えません。ところが、今日、グローバル化の旗手を自認する中国は、この理想とは全く反対に、企業を政府のコントロールの下に置き(定款の変更による企業内共産党組織の設置…)、国境の壁や規制を高めています。グローバリズムを利用して他国の市場は開放させて、自国の企業を海外に進出させる一方で、自国市場については閉鎖性を高めるという手法は、まさに善性悪用戦略の経済版とも言えます(行き過ぎたグローバリズムは善性とは言えないまでも…)。
このまま、中国企業による日本進出の増加が続けば、今や在日外国人数において最大となった在日中国人、訪日中国人観光客、並びに、帰化した中国系日本人は、中国企業の固定的な顧客となりましょう。日本国内にありながら、中国系の人々は、いわば中国経済圏の中で生きることになるのです。ここに、日本経済と中国経済との二重構造が出現するのですが、さらにその先には、日本経済が中国経済に飲み込まれる可能性も否定はできません。中国系の人々は縁故、即ち、ネポティズムが強いことでも知られていますが、日本企業に就職したこれらの人々は、中国系企業との取引を社内にあって後押しすると共に、華人ネットワークを駆使して中国経済圏の拡大に努めることでしょう。特に、人事権を握られますと、一般の日本人が排斥され、日本国籍の企業とはいえ、社風や経営方針が中国式に一変するかもしれません。東南アジア諸国でも、華人による経済の支配という同様の問題に苦しんでいることに示されますように、共産主義国家のイメージとは違い、本来、中国の人々は商才に長けております。拝金主義的な精神文化はお札を燃やす道教の葬礼の慣習にも見られる通りであり、日本国もまた、中華経済圏に飲み込まれる可能性があると言えるでしょう。
今日、日本国は、グローバリズムの理想と現実の乖離に直面しております。日本経済が中華経済圏に飲み込まれる未来を、日本国民が望んでいるとは思えないのです。
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グローバル市場の理想像では、特定の国が同市場において支配的な地位を占める状態を想定していません。企業は“無国籍化”されており、国境措置や規制も完全に撤廃されているため、政府の姿も殆ど見えません。ところが、今日、グローバル化の旗手を自認する中国は、この理想とは全く反対に、企業を政府のコントロールの下に置き(定款の変更による企業内共産党組織の設置…)、国境の壁や規制を高めています。グローバリズムを利用して他国の市場は開放させて、自国の企業を海外に進出させる一方で、自国市場については閉鎖性を高めるという手法は、まさに善性悪用戦略の経済版とも言えます(行き過ぎたグローバリズムは善性とは言えないまでも…)。
このまま、中国企業による日本進出の増加が続けば、今や在日外国人数において最大となった在日中国人、訪日中国人観光客、並びに、帰化した中国系日本人は、中国企業の固定的な顧客となりましょう。日本国内にありながら、中国系の人々は、いわば中国経済圏の中で生きることになるのです。ここに、日本経済と中国経済との二重構造が出現するのですが、さらにその先には、日本経済が中国経済に飲み込まれる可能性も否定はできません。中国系の人々は縁故、即ち、ネポティズムが強いことでも知られていますが、日本企業に就職したこれらの人々は、中国系企業との取引を社内にあって後押しすると共に、華人ネットワークを駆使して中国経済圏の拡大に努めることでしょう。特に、人事権を握られますと、一般の日本人が排斥され、日本国籍の企業とはいえ、社風や経営方針が中国式に一変するかもしれません。東南アジア諸国でも、華人による経済の支配という同様の問題に苦しんでいることに示されますように、共産主義国家のイメージとは違い、本来、中国の人々は商才に長けております。拝金主義的な精神文化はお札を燃やす道教の葬礼の慣習にも見られる通りであり、日本国もまた、中華経済圏に飲み込まれる可能性があると言えるでしょう。
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