安倍首相訪問中に…米がイランへの制裁強化
日本国の安倍晋三首相は、日本国の首相としては福田赳夫首相以来41年ぶりにイランを訪問し、12日にはロウハニ大統領との首脳会談に臨みました。アメリカとイランとの間の緊張が高まる中、安倍首相は、イランとの間の仲介役を買って出たとも報じられていますが、イランを軟化させるには至らず、アメリカとイランとの間の‘板挟み’となりそうな様相を呈しているそうです。
緊張緩和の期待を一身に背負った安倍首相のイラン訪問であったわけですが、果たして、出発に先立って勝算はあったのでしょうか。言葉では仲介を請け負うのは簡単です。しかしながら、実際に両国間の緊張を緩和させる、即ち、対立する双方が矛を収めるに至るには、仲介者が両者の要望を聞き取りながら巧みに利害関係を調整し、双方にとって受け入れ可能な案を作成する必要があります。トランプ政権が離脱したイランをめぐる核合意にあっても、合意に至るまでには相当の時間を費やしていますので、仮に、日本国政府が仲介役を務めるとしますと、それ相応の準備期間を設け、‘根回し’とも言えるような両国間を往復しての調整作業を要するはずでした。
トランプ政権のイランに対する要求とは、イラン核合意を破棄したぐらいですから、北朝鮮に対する要求と同レベルと推測されます。つまり、イランに核開発の余地を残すような合意はもっての他であり、基本的にはCVID方式の核放棄を目指しているのでしょう。仮に、安倍首相がトランプ大統領から仲介役を依頼されたとしますと、その内容は、おそらくイランに対してアメリカ案を呑むよう圧力をかけることであったのかもしれません。同国訪問中におけるトランプ政権の対イラン制裁の強化も、イラン側に対する一種の‘援護射撃’である可能性もありましょう。
一方、イラン側をみますと、アメリカの制裁レベルが上がる中で、何としても自国の石油輸出のルートを維持することこそ、同国の安倍首相を自国に迎えるに際しての期待であったはずです。日米関係の親密さを頼りに、アメリカに対して制裁緩和を求めるメッセンジャー役を日本国の首相に期待したのかもしれません。あるいは、日米離反を図り、日本国を自国の味方とするために、一定の権益提供を申し出る、もしくは、アメリカが課している制裁を回避するために、日本国を石油輸出の迂回ルートづくりに利用しようとした可能性もないわけでもないのです。しかしながら、核放棄については上述した核合意を越える譲歩を認めるつもりは毛頭なく、この点は、譲れない一線なのでしょう。
両者の主張を以上のように想定しますと、両国間の間で妥協が成立する可能性は極めて低く、緊張緩和は望み薄です。それでもなおもこの困難な調整役を務めようとするならば、日本国政府は、昼夜を分かたずアメリカ、並びに、イラン双方の政府の間を行き来し、両者の主張に配慮した仲介案を作成しては両国政府に提示し、修正を繰り返しながら合意を模索していたはずなのです。仮に、予備段階で合意の成立に見通しがつかなくなった場合、無理をせずにイラン訪問を見送った方が、日本国政府としては、自らの立場を危うくすることもなかったことでしょう。
ところが、首相のイラン訪問は、国賓としてトランプ大統領が訪日した後に持ち上っていますので、仲介役を果たすに十分な時間が用意されていたとは思えません。準備なくして相手国の首相と会談しても、‘行き当たりばったり’となってしまい、むしろ、両者の間で立ち往生してしまうことにもなりかねないのではないかと思うのです。
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日本国の安倍晋三首相は、日本国の首相としては福田赳夫首相以来41年ぶりにイランを訪問し、12日にはロウハニ大統領との首脳会談に臨みました。アメリカとイランとの間の緊張が高まる中、安倍首相は、イランとの間の仲介役を買って出たとも報じられていますが、イランを軟化させるには至らず、アメリカとイランとの間の‘板挟み’となりそうな様相を呈しているそうです。
緊張緩和の期待を一身に背負った安倍首相のイラン訪問であったわけですが、果たして、出発に先立って勝算はあったのでしょうか。言葉では仲介を請け負うのは簡単です。しかしながら、実際に両国間の緊張を緩和させる、即ち、対立する双方が矛を収めるに至るには、仲介者が両者の要望を聞き取りながら巧みに利害関係を調整し、双方にとって受け入れ可能な案を作成する必要があります。トランプ政権が離脱したイランをめぐる核合意にあっても、合意に至るまでには相当の時間を費やしていますので、仮に、日本国政府が仲介役を務めるとしますと、それ相応の準備期間を設け、‘根回し’とも言えるような両国間を往復しての調整作業を要するはずでした。
トランプ政権のイランに対する要求とは、イラン核合意を破棄したぐらいですから、北朝鮮に対する要求と同レベルと推測されます。つまり、イランに核開発の余地を残すような合意はもっての他であり、基本的にはCVID方式の核放棄を目指しているのでしょう。仮に、安倍首相がトランプ大統領から仲介役を依頼されたとしますと、その内容は、おそらくイランに対してアメリカ案を呑むよう圧力をかけることであったのかもしれません。同国訪問中におけるトランプ政権の対イラン制裁の強化も、イラン側に対する一種の‘援護射撃’である可能性もありましょう。
一方、イラン側をみますと、アメリカの制裁レベルが上がる中で、何としても自国の石油輸出のルートを維持することこそ、同国の安倍首相を自国に迎えるに際しての期待であったはずです。日米関係の親密さを頼りに、アメリカに対して制裁緩和を求めるメッセンジャー役を日本国の首相に期待したのかもしれません。あるいは、日米離反を図り、日本国を自国の味方とするために、一定の権益提供を申し出る、もしくは、アメリカが課している制裁を回避するために、日本国を石油輸出の迂回ルートづくりに利用しようとした可能性もないわけでもないのです。しかしながら、核放棄については上述した核合意を越える譲歩を認めるつもりは毛頭なく、この点は、譲れない一線なのでしょう。
両者の主張を以上のように想定しますと、両国間の間で妥協が成立する可能性は極めて低く、緊張緩和は望み薄です。それでもなおもこの困難な調整役を務めようとするならば、日本国政府は、昼夜を分かたずアメリカ、並びに、イラン双方の政府の間を行き来し、両者の主張に配慮した仲介案を作成しては両国政府に提示し、修正を繰り返しながら合意を模索していたはずなのです。仮に、予備段階で合意の成立に見通しがつかなくなった場合、無理をせずにイラン訪問を見送った方が、日本国政府としては、自らの立場を危うくすることもなかったことでしょう。
ところが、首相のイラン訪問は、国賓としてトランプ大統領が訪日した後に持ち上っていますので、仲介役を果たすに十分な時間が用意されていたとは思えません。準備なくして相手国の首相と会談しても、‘行き当たりばったり’となってしまい、むしろ、両者の間で立ち往生してしまうことにもなりかねないのではないかと思うのです。
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