ダイヤモンド・プリンセス号から下船した乗客の一人がイスラエルで感染が確認され、同国最初の新型コロナウイルスの感染者となりました。人類はパンデミックの瀬戸際に立たされているようにも思えるのですが、同ウイルスの発生源については未だ特定されていません。このため、人工ウイルス、あるいは、生物兵器説が根強く、真偽は不明ながら、‘中国共産党の公式軍事ポータルサイト「西陸網」が、武漢の肺炎を引き起こす新型コロナウイルスが人工的に合成されたものであることを認めた(匿名の方から本ブログのコメント欄に寄せられた情報)’、あるいは、ロシア政府が同ウイルスを人工ウイルスと認定したとの情報もあります。
発生初期の段階では、一般のメディアも中国政府による武漢への人民解放軍投入も報じていましたので、同説の信憑性は否定はできないのですが、その一方で、科学的な見地から同説を否定する動きも強まっています。報道によりますと、今月20日には世界の27人の科学者たちが共同で同説を陰謀として批判する声明を医学誌『ランセット』の紙面で公表しており、同日、中国外務省の耿爽副報道局長も、科学的根拠がないとして否定しています。しかしながら、こうした否定論も決定的な証拠を示しているわけではなく、政治的なバイアスがかかっている可能性も否めません。科学的な分析等に基づく陰謀証明であるならば、27人の‘世界の科学者’による声明文ではなく、研究論文として掲載されるはずでしょうから。こうしたヒステリックな対応には、新型コロナウイルスに関する言論や学問の自由を封じてしまい、自由な真相の究明や科学的研究の障壁となるリスクがありますので、否定説は、むしろ‘怪しさ’を増幅させているとも言えます(自然発生であるならば、黙っていてもやがて科学的に証明されるので慌てる必要はない…)。
何れにしましても、一連の動きから人工ウイルス説、あるいは、生物兵器説を何としても封じ込めたいとする中国側の意思が読み取れるのですが、この問題、実のところ、新型コロナウイルスの正体の如何に拘わらず、一連の疑惑は、中国の底知れぬ恐ろしさを表面化させたことは否定のしようもないように思えます。世界第二位の経済大国に成長しながら、そのお粗末な衛生管理も問題とされつつも、何よりも、生物兵器を開発していたとする事実が明るみに出たことこそ、中国にとりまして痛手となったはずです。たとえ同ウイルスが自然発生的なものであったとしても、武漢のウイルス研究所において既に遺伝子工学を用いた人工ウイルスが作成されており、それが、有毒性を高める方向での研究であったことが明らかにされてしまったのですから。
中国科学院武漢ウイルス研究所で行われてきた研究とは、遺伝子の改変による機能獲得性に関するものです。機能獲得性研究とは、自然界に存在する生物の遺伝子に他の生物の遺伝子の特定機能を発現し得る配列を切り取って挿入することで、本来、保有していない機能を持たせる研究を意味します。この種の研究は倫理上の問題も指摘されており、政治的議論の的ともなってきました。一方、科学的研究において道徳倫理を考慮しない中国では、同研究が急速な発展を見せており、既にSARSウイルスと中国馬蹄コウモリのウイルス(SHCO14-CoV)との間のキメラ・ウイルスの作成にも成功しています。人工ウイルス説や生物兵器説は、根も葉もない‘デマ’ではなく、遺伝工学における中国の高い技術レベルがその背景となっているのです。この点、HIVに対する耐性を有するように遺伝子が改変された世界初のデザインベビーが、中国の研究者の手によって誕生していることは気にかかるところです。何故ならば、仮に、中国が、HIVの特性を備えた生物兵器を開発し、それを使用したとすれば、人工的に耐性遺伝子を備えている中国人のみが生き残る可能性があるからです。
新型コロナウイルスに対する治療薬として抗HIV薬の有効性が指摘されていますが、真っ先に、抗HIV薬が試されたのは、あるいは、中国が既に同ウイルスの生物兵器への利用を計画しているとする情報が伝わっていたのかもしれません。同ウイルスの正体は未だ不明のままですが、全世界の諸国は、中国の生物兵器開発には警戒すべきと言えましょう。そして、今般の新型コロナウイルスの蔓延を機に、近い将来における中国による生物化学兵器の使用を想定した対策を、予め準備すべきなのではないかと思うのです。