万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

新型コロナウイルスの‘正体’によって対策は変わる

2020年02月20日 13時26分58秒 | 日本政治

 止まらぬ新型コロナウイルスの感染拡大を前にして、日本国では政府も既存マスメディアもパニックや混乱の発生を避けるべく国民に冷静な対応を求めています。しかしながら、その一方で、同ウイルスは科学と政治の両面から謎があり、この謎が解明されない限り、国民の不安を払拭することは殆ど不可能です。そして、同ウイルスには、以下のような複数の説が主張されており、どの説が正しいかによって、対策も著しく違ってくるのです。

 第一の説は、中国政府による公式見解です。同説に従えば、新型コロナウイルスは、武漢市の華南海鮮卸売市場で取引されていた野生動物から人へと感染したものであり、自然界の生息してきたウイルスの一種となります。SARSよりも感染率は高いものの致死率は低く、死亡者も高齢、かつ、持病を有する人に集中する傾向があるとされます。日本国政府もメディア、そして、WHOも同説を前提としており、国民に呼びかけている感染予防の対策は、通常のインフルエンザ、あるいは、新型インフルエンザの対策と大差はありません。もっとも、表向きには国民の側の‘騒ぎ過ぎ’を戒めつつも、大勢の人々が一か所に集まるイベントなどの中止が相次いでいますので、政府は、あるいは、同ウイルスに関する国民には公表していない情報を既に入手しているのかもしれません。

 第二の説は、新型コロナウイルスは人工ウイルスであるとする説です。既存の生物に対して遺伝子操作が施された場合、エンドヌクレアーゼという人工酵素が痕跡として残るとされ、その有無の確認が注目されるところなのですが(同ウイルスの遺伝子情報はすべて公開されている…)、その他の根拠としては、エボラ出血熱を研究してきた生物遺伝学者であるジェームス・ウェイラー博士による人工的な遺伝子配列を有するpShuttle-SNの発見も報告されています。また、現在においては公表を控えているそうですが、インドの科学者も、HIVとのキメラによる免疫細胞CD4陽性T細胞への感染の可能性を示唆していました。

なお、新型コロナウイルスは、SARSコロナウイルスと同様に、血圧を上昇させる作用を有する生理活性物質であるACE2(アンジオテンシン変換酵素2)の受容体細胞に取りつくそうです(結果として心肺腎等の不全を引き起こすらしい…)。これが事実であれば、SARSコロナウイルスとのキメラ説やSARSウイルス自身の人工ウイルス説も浮上してくることとなりましょう。何れにせよ、仮に新型コロナウイルスが人工ウイルスであれば、同ウイルスは自然界の法則に従いませんので、より有毒なウイルスの可能性が高く、第一の説による対応では不十分となります。

人工ウイルス説が事実であれば、同ウイルスが何らかの経路で研究機関から流出したとしか考えられず、同ウイルスの有毒性に関する詳細な情報は、このウイルスの生みの親である研究機関が保有しているはずです。最も可能性が高いのは、武漢の研究所なのですが、近年、中国がアメリカやカナダ等から積極的にウイルスの盗取を試みていることから、これらの諸国にも何らかの情報があるかもしれません。日本国政府は、関連する諸国の政府や研究機関に対して詳細な情報の提供を求めるべきと言えましょう。

そして、第三の説が、新型コロナウイルスは生物兵器であるというものです。第二の説では、純粋な科学的な探求の結果としてフランケンシュタインの如くに凶暴なウイルスが生み出されたわけですが、生物兵器説では、兵器としての意図的な使用を目的としていますので、予測される有毒性は上記二つの説とは比ではありません。生物兵器説でも、自然界のウイルスをそのまま利用するタイプであれば、同定されたウイルスに応じた対応を以って終息させることができますが、後者の場合には、日本国政府も、相当の覚悟を以って対応せざるを得なくなります(エアロゾル感染、体内の抗体消滅、突然死、サイトカインストームの発生、無宿主状態でのウイルスの驚異的な生存期間…など、自然の摂理を越えた有毒性…)。生物兵器として開発されたのであれば、敵国の国民の生命や身体機能のみならず、標的とする国の経済や社会全体に対して破壊的な作用を及ぼすと考えられるからです。

強硬な封鎖措置やWHOが派遣した調査団をも武漢に寄せ付けない中国政府の態度からしますと、第三の説の可能性は否定できません。この場合、日本国政府は、中国政府に対して情報の提供を求めても無駄となりましょう。中国側としては、第一の説で押し通そうとするでしょうし、生物兵器の可能性を言い出しようものならば、逆切れされるか、口を噤めと恫喝されるもしれません。最悪の場合には偽情報を掴まされかねず(もっとも、第三の説が事実であれば、第一の説は偽情報となるのですが…)、むしろ、日本国の危険性が増すこととなります。

以上に、新型コロナウイルスの起源に関する主要な説を3つに整理してみましたが、状況証拠や中国を含む各国の動きからしますと、第三の説、しかも人工ウイルス兼生物兵器の可能性が捨てきれないのが同ウイルスの恐ろしいところです。生物兵器用人工ウイルスであれば、対策は最も困難であり、他国に情報提供を求めても、生物兵器の開発・保有が国際法で禁じられた行為であり、かつ、トップレベルの軍事機密である以上、どの国も口を閉ざすことでしょう。となりますと、日本国政府は、国内の研究機関における独自の新型コロナウイルスの遺伝子情報の解析や分析を急ぐとともに、国内で発生した感染者のデータからその正体を解明していく他ありません(遺伝子が改変されているのであれば、その改変から製作者の目的な意図が読み取れる…)。中国や同国から提供されたデータに基づくWHOからの情報を妄信することなく、日本国政府は、独立的な立場から新型コロナウイルスの正体を突き止め、その特質に対応する最も有効な対策方法を早急に立案すべきではないかと思うのです。人類の歴史においては、‘信じる者が救われない’場合もあるのですから。

 

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