万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

”チャイナ・バッシング”は始まるのか?

2009年07月16日 16時07分55秒 | 国際経済
米中の貿易不均衡は持続不可能=米商務長官(トムソンロイター) - goo ニュース
 80年代の日本経済は、さながら現代の中国のように、巨額の貿易黒字を積み上げ、輸出で獲得したジャパン・マネーも世界を駆け巡りました。しかしながら、この”一人勝ち状態”は長くは続かず、対日貿易の不均衡が各国で問題化し、激しい”ジャパン・バッシング”を受けることになったのです。

 バブルの発生と今日に残る莫大な財政赤字も、元をただせばプラザ合意に原因があり、輸出依存型から内需型への転換により、貿易の不均衡を正すことを求められたことにありました。この歴史を振り返りますと、中国の”一人勝ち”を許す今日の貿易不均衡もまた、国際社会からは受け入れられないと予測されるのです。経済分野でも、互恵が成立せず、相手国において失業問題などを引き起こしますと、政治問題化する傾向があります。結局、日本国の場合には、BIS規制の導入によってジャパン・マネーの勢いが削がれると共に、財政拡大政策と急激な円高を容認することになったのです。

 内需拡大圧力もさることながら、ここはやはり元凶とも言える中国当局の元の為替操作を是正しないことには、国際経済の均衡は実現しそうにありません。東トルキスタンでのウイグル人弾圧もあり、政経両面において”チャイナ・バッシング”が始まる気配がありつつも、したたかな中国のことですから、より手ごわい相手であることは、覚悟しなければならないと思うのです。

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イスラム教の虎の尾を踏む中国

2009年07月15日 15時38分10秒 | 国際政治
礼拝中に「聖戦」叫ぶ=警察が射殺したウイグル族-中国新疆(時事通信) - goo ニュース
 ”ジハード(聖戦)”という言葉は、イスラム教の名の下で行われる異教徒に対する戦争として理解されがちですが、コーランでは、迫害に対する戦いというニュアンスが強調されています。

 ”迫害がなくなるまで、宗教が神のものになるまで戦え(コーラン:雄牛の章第193節前段)。”

 もし、中国当局が、礼拝を禁じるなどイスラム教徒を迫害し、報道されているように、”聖戦”という言葉を口にしたことを理由にウイグル人の方を射殺したとしますと(ただし、射殺した警察官が何人であったかは不明・・・)、これは、イスラム教徒を敵に回し、自らを聖戦の標的の立場に置くようなものです。中国政府の宗教弾圧政策は、民族紛争にとどまらず、アルカイダが逸早く反応したように、宗教対立へと拡大する可能性さえあるのです。

 先のコーランの一節の続きには、”しかし、彼らがやめたならば、無法者に対しては別として、敵意は無用である”とあります。中国政府の共産主義による”思想教育”は限界にきており、信教や思想の自由を認めませんと、イスラム教徒からの反発を一身に受けることになるのではないでしょうか。

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中国の民主化が民族紛争を解決する

2009年07月14日 15時53分40秒 | 国際政治
ウルムチで立てこもり、警官がウイグル族の2人射殺(朝日新聞) - goo ニュース
 中国が自国の民主化に反対している理由は、共産主義による一党独裁体制を守るためであることは、よく知られています。その一方で、もしかしますと、侵略行為によって併合した領土の住民からの独立要求を暴力で封じ込めることも、中国が、民主化を拒む理由なのではないかと疑うのです。

 中国が民主化されますと、チベットと東トルキスタンといった少数民族は、独立へと至る幾つもの道が開かれることになります。一党独裁から多党制へ移行すれば、まず、中国からの独立を目指す政党を合法的に設立することができるようになります。また、住民投票を実施できれば、民主的な手続きを経て中国からの独立を達成することもできます(ただし、漢人の植民者を除いて・・・)。あるいは、中国との交渉次第では、緩やかな連邦制へと移行する形で、領有権や広範な自治権が認められ、独自の政府、議会、裁判所、治安組織などを設置することができるようになるかもしれません。

 本日もまた、ウイグルの人々が警官によって射殺されたという悲惨なニュースが伝えられていますが、このように考えますと、中国の民主化は、中国の民族紛争、あるいは、”植民地問題”を平和的に解決する有力な手段となるのではないでしょうか。中国は、民主化を頑なに拒否しそうですが、国際社会は、協議に応じるように中国政府に圧力をかける一方で、中国の民主化を後押しすべきと思うのです。

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中国に東トルキスタンの領有権はあるのか?

2009年07月12日 20時09分22秒 | アジア
ウルムチの厳戒続き不安の日々 暴動から1週間(共同通信) - goo ニュース
 東西を結ぶシルクロードが通り、ラクダに荷を積んだ隊商が行き交ったタリム盆地では、数々の遊牧民族の王国が栄えました。このため、この地は多彩な歴史と文化で彩られています。ところで、中国政府には、この西域の地を領有する合法的な権利はあるのでしょうか。

 東トルキスタンが新疆ウイグル自治区として占領された経緯はあまり知られていません。清朝が、ヤクブ・ベグの反乱を契機に新疆省を設置したのは、1884年のことであったと言います。その後、1911年に辛亥革命が起きて清朝が滅亡すると、国民党政府の下で、楊増新、金樹仁と、漢人が続いて省庁の実権を握り、さらに1933年のクーデターで、ソ連と親しい関係にあった盛世才が権力を掌握します。その一方で、タリム盆地の西南部では、イスラム教徒による独立運動が起こり、同年の11月12日に、東トルキスタン・イスラーム共和国の建国が宣言されました。この共和国は、ソ連の介入と中華民国から任命された軍人であった馬仲英の軍によって潰されてしまいます。

 東トルキスタン独立の第二の波は1944年に起こります。ソ連をバックにチュルク系の人々による反乱がグルジャで発生し、11月12日に東トルキスタン共和国の建国が宣言されたのです。この共和国も、新疆省政府とソ連との直接交渉により単独の国家とはならず、1946年に、新疆省政府と東トルキスタン政府との合同による新疆省連合政府が樹立されました。

 さて、ここから中共政府が絡んできます。この連合政府が一年で瓦解した後、東トルキスタンは、イリに退いたため、毛沢東は、1949年にイリ政府に書簡を送り、政府首脳陣を北京に招きます。ところが、その途中に、首脳一行は、ソ連領内で消息を断ってしまうのです。イリ政府が大混乱に陥る中で、イリに残っていた幹部の一人であるセイプディン・エズィズィという人物が北京に赴き、共産党政府への服属を表明してしまいます。こうして、人民解放軍が侵攻し、東トルキスタンは武力で占領されてしまいました。(ウィキペディアを参考に纏めてみました。)

 東トルキスタンの地は、ウイグル人を含めた西域の人々が居住してきた土地ですので、中国の固有の領土ではありません。1884年の清朝への編入もまた、今で言うならば侵略行為でもあり、民族自決の原則が認められるようになった現代では、ウイグルの人々は、独立を主張することができます。また、1949年の中国共産党による東トルキスタンの占領は、国際法に基づくものではありません。

 以上に述べたように、東トルキスタンの人々には国際法上において独立する権利があるにも拘らず、中国政府は、一方的に内政問題であると言い張っています。しかも、国際法で禁じられている民族浄化を行っているのですから、批判されないはずはありません。中国は、東トルキスタンの権利を認め、この問題に正面から向かい合うべきと思うのです。

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中国はウイグル人の被爆者に償いを

2009年07月12日 15時46分05秒 | アジア
新華社「ウイグル死者、漢族7割」 国内配慮、英文のみ(産経新聞) - goo ニュース
 中国の政府当局の発表は、常に政治的な目的によって歪曲されていますので、今回の事件の被害者の7割が漢族という報道は信頼に足りるかどうか怪しいものです。7対3の比率には、漢族が被害者であることを印象付けようとする当局の意図が働いているのかもしれないのです。

 一方、中国政府は、それ以前の段階でウイグル人の人々に加えた加害については無視を決め込んでいるようです。60年代から繰り返された核実験によって、19万人もの人々が被曝で命を失い、129万人の人々が後遺症に苦しんでいると報じられています。それにも拘わらず、中国政府は、何らの救済も行おうとはしません。今回の事件では、中国当局は、被害者に対して相当額の補償金を給付するそうですが、ウイグル人の被爆者にこそ、まずは、被害に見合った手厚い補償金を支払うべきなのではないでしょうか。

 ウイグル人の人々に対する度重なる中国政府の酷い仕打ちは、憲法に民族間の平等を謳いながら、実のところ、ウイグルを植民地にしている証拠でもあるのです。

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国連の欺瞞

2009年07月11日 15時13分27秒 | 国際政治
露「2島交渉」を明言 領土固定化へ圧力(産経新聞) - goo ニュース
 中国によるチベットや東トルキスタンの侵略とロシアによる北方領土の占領には、一つの共通点があります。それは、これらの問題では、国連の常任理事国が当事者であるということです。

 国連の最初の構想は、常任理事国五か国が”世界の警察官”となって、侵略行為を取り締まるというものでした。しかしながら、当時のソ連邦は、ヨーロッパでも既にバルト三国などの侵略と占領に手を染めていましたし、日本国に対しても、北方領土の占領という侵略行為を働いていました。中国もまた、国際社会の混乱に乗じて、目立たぬようにチベットと東トルキスタンを侵略していたのです。侵略行為を行った当事国が、”世界の警察官”となるに相応しいはずもありません。中華人民共和国が国連の加盟国になるのは1971年8月のことですが、現在の中国共産党政権は、侵略行為の当の本人です。ソ連邦崩壊後に成立したロシア共和国もまた、先行国のソ連邦を承継していますので、やはり当事者であると言えます。

 戦後、国連は、西側諸国からの植民地独立には支援の姿勢を示してきましたが、過去の侵略、それも、”東側”の常任理事国による新たな”植民地支配”に対しては関心を払おうとはしませんでした(むしろ、常任理事国の地位にあることが、国際社会がこれらの問題に容易に触れられないようにし、侵略行為に隠れ蓑を与えている・・・)。国連の欺瞞とダブルスタンダードがチベットやウィグルの人々を苦しめているとしますと、それは、国際社会の正義にも、法にも反していると思うのです。

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東トルキスタン独立に向けて準備を

2009年07月10日 11時10分14秒 | 国際政治
ウイグル暴動 欧米反応、チベットと差 イスラム圏、象徴的な指導者不在(産経新聞) - goo ニュース
 中国の侵略行為により国を奪われたことにおいて、チベット人とウィグル人との間に差があろうはずもありません。それなのに、何故にか、国際社会は、ウィグルの人々に対して冷淡であると言うのです。

 その理由としては、(1)チベットのダライ・ラマ14世のようなカリスマ性を持つ象徴的な指導者がいないこと、(2)チベットのような国際的な組織を持つ亡命政府がないこと、(3)中国の要求で「東トルキスタン・イスラム運動」がテロ組織と認定されていること、などが挙げられています。しかしながら、「世界ウィグル会議」のラビア・カーディル議長もおりますし、知名度で国際社会の態度が変わるとなれば、それは、侵略に反対する揺るぎない信念の欠如を意味します。また、ウィグル人にも、アメリカにおいて2004年9月14日に結成された東トルキスタン亡命政府がありますので、独立運動に核がないわけでもありません。

 国家を復興するために、まずは、将来の東トルキスタンの独立に向けて、ウィグル人の方々は、中国との交渉を担う”政府”と”国民”の組織を整える必要があると思うのです。そのためには、「世界ウィグル会議」と東トルキスタン亡命政府との協力関係を築き(両者の関係は分からないのですが・・・)、国際レベルでウィグル人組織を結集すべきなのではないでしょうか。組織が整い、方向性が定まれば、「東トルキスタン・イスラム運動」の問題(武力闘争派?)も議論することができます。

 こうしたウィグル人の活動を支援し、中国政府に交渉のテーブルに着くように説得することが、今後の国際社会の務めともなりましょう。国際社会が、無慈悲に中国政府によって虐殺されたウィグル人の人々を見捨てることがあってはならないと思うのです。

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無償化よりも教育戦略を

2009年07月08日 19時57分41秒 | 日本政治
民主党の衆院選公約最終案、来年度から高校教育無償化(読売新聞) - goo ニュース
 家計が苦しく、経済的な理由から高校進学の夢がかなわない生徒さんに対して、奨学金や無償給付制度で救済をはかるということでしたら、国民の多くも賛成したことでしょう。しかしながら、世帯の所得レベルとは関係なく、公立高校に通う全員の生徒さんの学費を無料化するとなりますと、これは行き過ぎなようにも思うのです。

 今日の公立高校については、学力のレベル低下と教育環境の荒廃が指摘されており、必ずしも充実した学校生活が送れるとは限らないようです。この状態で、無償化を実現したとしても、行き場をなくした若者や、目的意識や学習意欲を持てない生徒さんが時間を潰すだけに登校してくるようになるかもしれません。学習内容の質や学力の向上を伴わなければ、教育への予算配分が無駄になってしまいます。学習意欲を引き出すような、何かひと工夫が欠けているように思われるのです。

 教育予算を効果的に使うには、学習への動機づけや興味を惹きつける方法を考えることこそ大事です。安易な給付政策よりも、政党や政治家は、国民が拍手を送るような教育戦略の立案に力を注ぐべきなのではないでしょうか。

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中国の移民政策は世界をバルカン化する

2009年07月08日 15時34分09秒 | アジア
ウイグル暴動 死者156人、拘束1434人に(産経新聞) - goo ニュース
 東トルキスタンでは、チベットと同様に、中国からの分離・独立を目指すウィグル族の人々の運動が活発に展開されてきました。しかしながら、今回の事件だけは、これまでの対立構図とは大きく違っているようなのです。

 これまでの抗議運動では、ウィグル人の抗議の対象は、あくまでも中国政府であり、独立要求も政府に向けられていました。ところが、現在、ウィグルで起きている事態は、ウィグル族と漢民族との間の相互憎悪に基づく民族対立なのです。このことは、住民同士の暴力の応酬が起きたことを意味しており、旧ユーゴスラヴィアの民族紛争を思い起こさせます。

 民族対立に発展した原因の一つには、中国当局による漢民族の移住促進政策を挙げることができます。もちろん、この移住には、ウィグルに埋蔵している天然資源の略奪を伴うものであり、ウィグルの人々にとりましては、現在の状況は、植民地支配による土地と富の強奪以外のなにものでもないはずです。それにも拘わらず、漢民族は、厚かましくも、ウィグル人の抗議運動を犯罪まがいの”暴動”と見なして報復に出たのですから、ウィグル族の怒りは収まりそうにありません。

 今回の事件によって、中国が進めてきた移住促進政策が、民族感情に火をつけ、激しい対立と闘争をもたらすことが明らかとなりました。チベットや東トルキスタン、あるいは、台湾のみならず、中国の海外移民推進政策は、世界をバルカン化するかもしれないと心配になるのです。
 
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反省なき中国の横暴

2009年07月07日 15時22分01秒 | アジア
ウイグル族暴動140人死亡 先月殺害事件 漢族へ報復か 中国・ウルムチ(産経新聞) - goo ニュース
 中国政府は、先の大戦について日本国を”侵略国家”と断罪し、あらゆる手段を使って反省を求めてきます。しかしながら、中国自身には、反省すべき点はないのでしょうか。

 戦後、チベット侵略に続き、中国政府は、東トルキスタンをも自らの支配下に従属させてきました。しかも、自らの版図に組み込んだ異民族の人々に対する中国政府の冷淡さと残酷さには、際立つものがあります。抵抗運動に対する武力弾圧のみならず、同地では核実験も繰り返され、被曝により多くのウィグル人の命が失われたと言います。この行為は、大量の異民族の住民の命を奪ったのですから、「ジェノサイド」に認定されるべき行為であり、人道上の大罪とも言えましょう。

 他国には反省を求める一方で、自国の残虐行為には全く反省しない中国。中国は、内政干渉として国際社会からの批判をかわそそうとしていますが、これでは、密室でエスカレートした”家庭内暴力”の状態に等しくなります。もし、中国に人の心があれば、自らの行為を反省し、独立の要求に対して善処すべきと思うのです。もしそれができなければ、民族紛争はさらに拡大するのではないでしょうか。

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中国は人民を解放すべき

2009年07月06日 16時59分46秒 | アジア
新疆で暴動、死者多数=ウイグル族と警官衝突か-中国(時事通信) - goo ニュース
 チベットに続いて、新疆ウィグルでも、中国の支配に対する抗議運動が起きているようです。儚くも短命に終わったものの、東トルキスタンを独立させた実績を持つウィグル人もまた、中国からの独立を要求する正当な権利と根拠を有しています。

 民族自決が国際社会の基本的な原則であることを考えますと、いかにも中国の行動パターンは、時代遅れの帝国主義そのものです。民族紛争が発生した場合、現代にあって最も望ましい解決方法は、、両当事者が協議の場を設け、自治権の拡大、連邦制への移行、あるいは、独立の承認などの合意に至ることです。一方的な武力弾圧によって被支配民族の独立要求を封じ込めることは、あまりに粗野で強圧的な手法ですし、平和的な手段による紛争解決を求める国際社会のルールにも反しています。

 中国はかつて、自らを帝国主義者からの解放者と位置づけることで、人民解放軍を周辺諸国に派遣しました。しかしながら当の本人は、その行為が”帝国主義者”と何ら変わりがないことに気付いていないようです。不当に他民族を支配しているのですから、自ら率先して、被支配民族からの”人民解放”の要求に応じるべきと思うのです。

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靖国神社―国民との約束は守るべきでは

2009年07月05日 15時36分36秒 | 日本政治
【コラム】 靖国神社参拝が問題になるのはなぜ?(R25) - goo ニュース
 靖国神社については、政教分離の原則、A級戦犯、首相の参拝、周辺国との外交摩擦など、今日なお、様々な視点から議論が続いています。マスコミなどでは批判的な見解の方が大きく取り上げられているようですが、靖国神社に英霊として祀ることは、日本国政府が、戦地に赴く国民に対して約束したことであることを忘れてはならないと思うのです。

 今日の靖国神社をめぐる議論は、現在に生きる人々の政治的、あるいは、宗教的な思惑に振り回されている観があります。靖国神社に反対する人々は、周辺諸国の顔色を窺うことや、国家と神道との関係を絶つことには熱心ですが、戦地で尊い命を捧げた人々の魂を慰めることには極めて冷淡です。当時の人々は、靖国神社に永遠に祀られることを心の支えとして従軍したかもしれず、それは、苦しい状況の中での唯一の救いであったも知れません。

 ”靖国で会おう”を合言葉とし、死を覚悟して出征していった兵士の方々の心情を慮りますと、日本国政府が靖国神社に御霊を祀り続けることは、義務なのではないかと思うのです。

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カリフォルニアの財政危機―柔軟な財政システムが必要か?

2009年07月04日 14時43分47秒 | 国際政治
米加州知事、財政危機解決は映画のようにいかず(トムソンロイター) - goo ニュース
 金融危機の煽りを受けて、カリフォルニアでは財政危機が発生し、シュワルツネッガー知事は対応に苦心しているようです。それと言うのも、景気後退によって歳入が大幅に不足したためであり、この問題は、カリフォルニアに限ったことではありません。

 日本国政府もまた、過去最大の補正予算を組みつつ、その一方で、法人税の減少による歳入の落ち込みが予測されています。政府は、国債の増発、増税、あるいは、最終手段としての日銀の国債引き受けなど、各種のデフォルトを回避する手段がありますが、それでも歳入不足は財政のバランスを崩し、破綻のリスクを高めることになります。政府が、何時破裂するとも分からない債務を抱え込んでいることは、経済活動の不安定化にもつながります。

 そこで、予算編成のシステムを、歳入の変化に合わせて柔軟に伸縮させるように工夫を凝らしてはどうかと思うのです。例えば、予算の割り当てを、額ではなく歳入に比例するように設定し、歳入が減少すれば自動的に歳出も減るようにするという方法があります。また、政策に優先順位をつけ、優先順位の低い政策は、歳入が確保された時点で実施できるとし、不足する場合に先送りにできれば、危機的な状況は回避できます。

 後戻りのできない硬直的な財政システムは、危機に向かって進むしかありませんので、引き返すことができる柔軟な制度作りが必要と思うのです。

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IMF債の発行はドルを揺るがす?

2009年07月03日 13時15分32秒 | 国際経済
IMF、初の債券発行を正式決定 支援強化資金に、SDR建て(共同通信) - goo ニュース
 最近に至って、IMFは、SDR建ての債権を発行することを決定しました。IMF債の有力な購入予定国は、中国、ロシア、ブラジルといったBRICsのメンバーであり、国際基軸通貨であるドルやユーロに対する対抗意識の現われとする指摘もあります。しかしながら、この制度は、円滑に機能するのでしょうか。

 そもそも、IMF債の発行は、世界最大の外貨準備を有する中国が、ドル不安を回避するための措置として、強く主張してきた経緯があります。中国は、元安政策を維持するためにドル保有を拡大させてきており、今後は、アメリカ国債よりも、より安定したIMF債権の形で保有したいと考えたのでしょう。しかしながら、ここには一つの矛盾点があります。それは、この制度が有効に機能するには、国際収支の悪化に直面し、IMFに救済を求めている国が、決済通貨として、米ドルを必要としていることが前提となることです。米ドルが基軸通貨でなければ、この制度は、有効に機能しないのです。

 このことは、中国の思惑通りに、IMFのSDRが”世界通貨”に発展することが困難であることを示唆しています。むしろ、国際経済におけるフェアで自由な取引の観点から見ますと、不当に元安を誘導してきた中国の為替政策の見直しこそ、先に改めるべきと思うのです。

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ハタミ前大統領の勇気ある発言

2009年07月02日 17時36分10秒 | 中近東
「国民に対するクーデター」イラン前大統領、政府批判(読売新聞) - goo ニュース
 国家が間違った方向に進もうとしているとき、勇気をもってそれを止める人物が存在するか、否かによって、国の運命は大きく違ってきます。イランは、現在、まさに運命の岐路に立たされており、現政権の示す道を突き進めば、国民弾圧を厭わない独裁国家が誕生しそうです。

 最も危険な時期にあって、現政権の弾圧を”国民に対するクーデタ”と言い切ったハタミ前大統領の発言は、政府に不信感と反感を抱く多くの国民の心に訴えかけたことでしょう。現政権の手法を知り尽くしているが故に、ハタミ前大統領は、政府批難を行えば自らの身を危険に晒すことも分かっていたはずです。この危険を覚悟した上で、イラン国民のために敢えて政府批判を行ったハタミ前大統領こそ、国民のために行動した真の勇者なのではないかと思うのです。

 今のところ、政府側の反応については報道がありません。しかしながら、ハタミ師の勇気ある発言が、独裁化への道を進もうとしているイランを引き戻し、やがて正しい道に導くことになるかもしれないのです。この発言が、イランを救った言葉として歴史に記憶されることに期待せざるを得ないのです。

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