リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

日本の情景と人の縁

2014年06月29日 | 日々の風の吹くまま
ゆうべは咳止めシロップを飲んで、普通の風邪のような咳が何度か出ただけで何とかまとも
に眠れた。今日は起きて一番に処方された「プロトンポンプインヒビター」というタイプの薬を
ひと粒。昔、20代の頃、風邪で咳がひどかったときに病院でもらった咳止めで1週間、しま
いに胆汁しか出なくなるほど吐き続けたことがあって以来、処方薬には抵抗感があるんだ
けど、調べてみたらこれもけっこう副作用やリスクのある薬らしい。でも、世界中で広く処方
されていると言うし、処方は30日分だから、まっ、いいか。

カレシが風呂に浸かってリラックスしたらと言うので、音楽を聞けたらいいのにと言ったら、
古いディスクマンと小さいスピーカーを探し出して来て、岡林信康のCDをセットしてくれた。
うん、音楽を聴きながら、大きなバスタブで手足を伸ばしてのひとり風呂もいいもんだ。フォ
ークからロック、演歌、ポップス、民謡風の「エンヤトット」と、ジャンルの壁をまるでそんなも
のは存在しないかのように超えて自分のものにしてしまえる人だと思う。しかもどの曲も歌
詞がすなおに心に響いて来る。生まれながらのストーリーテラーなんだろうな。

縁と愛を歌ったエンヤトット調の『風詩』を聞いていると、これこそ「日本の情景」だなあと感
じてしまう。東京にはそんな情感はないし、そもそも東京という巨大都市にそれを求めるの
は無理な話だろうけど、小学校1年から中学1年まで仲良しだったJ子とR子(J子は濃霧を
冒して東京まで飛んで来てくれた)と2年ぶりに再会して語り明かしていて、昭和30年代の
地方都市で結ばれた絆の強さに何か『風詩』の情景に通じる農耕民族特有の(と言えるの
かどうかわからないけど)「ぬくもり」を感じて、これが「人の縁」というものなんだとしみじみ
思った。

J子には「あんたは外国に行って正解。日本にいたら絶対に潰されていたよ」と言われ、たし
かに何度行ってもワタシの中の不協和音を克服できなくて、結局どうしても「帰って来た」と
いう感慨を持てない日本だけど、それぞれにまったく違う人生を歩いた60年を経ても、遊び
疲れて「またあしたね」と別れたのがまるで本当に「きのう」のことだったかのように感じられ
る友だちがいるということは、神さまがワタシに与えてくれた「人の縁」があると言うことで、
その絆がワタシを「日本」に繋ぎとめているんだろうと思う。幸せだなあ・・・。