プロのオーケストラに奏者として入団(就職)したい場合は、オーディション(入社試験)を受けなければならない。管楽器などのように定員が一応決まっている楽器(パート)は、団員が辞めるとか、増員するなどの状況がないとオーディションは行われない。山形響の場合20年以上募集をしていないパートもある。ベテランの山形響団員さんの話によると昔は、団員募集の告知をしてもなかなか受験してくれる人がいなかったそうである。
オーケストラの業界では音楽大学を卒業した後、現場実地(エキストラ等の仕事)をして経験を積むというフリーの演奏家という立場の若い人達がいる。今社会的問題になっているフリーターやニートとは違い、フリーの演奏家はオーケストラ業界にとって必要不可欠な昔からの職業の一つであるが、世間はその安定しない職業を認めない。私の両親も早く就職しろと会う度に言っていたものだ。自分から自由な活動をしたいということでフリーという立場を選択する人達もいる。バブルの頃ならいざ知らず、崩壊後は演奏家はフリーの仕事が減ってきており、そういった音大卒業生を誰でも彼でもオーケストラ側は使用出来なくなってきている。ちょっとしたコネクションみたいなものが必要になる。師事していた先生の紹介とか、仲良くしていた先輩の紹介とか。新音大卒業生は、少ない仕事先で真面目にやって信用を積み重ねていかないと次の仕事にありつけない。バブルの頃は、例えば豪華結婚式などの祝宴演奏や豪華客船のレストランでの演奏、スタジオ系の録音のお仕事、歌手の全国ツアーなどのどさまわり仕事、オーケストラも大編成の曲をよくプログラミングするなど、オーケストラの団員よりフリーの方が稼ぐ事が出来た時代もあった。しかし今は仕事が無い。
仕事が少なくなればフリーの演奏家たちも安定した職に就こうとするが、オーケストラの団員は辞める人は少ない。オーディションがあれば、毎年必ず生みだされる多くの音楽大学卒業生とフリーの演奏家達で、その限られた席を争う事になる。例えばこの間聞いた話では、都内のオケがオーボエを募集すればたった1つの席に100人以上の人が受験に来るそうである。オーディションによっては合格者がでないときもある。フルート、クラリネットなどの人口が多いパートや一つのオケに1人しか必要ないチューバなどのオーディションには特に人が集まるそうである。
今回のオーディションが駄目だったら、次のオーディションまでにまた新たな卒業生が出てくるのでプロオケに入団したい人は増々増えていくだけである。しかしこの不景気でオーケストラも増員は無いし、新しいオケが出来るという話も聞かない。今のフリーの人は大変なのだろうと思う。ほとんどのオケの受験資格は年齢制限があるので、それに達すると優秀なプレイヤーなのに生活のために廃業する人が出てしまう厳しい世界なのだ。
ただこの状況のおかげ?かここ数年の山形響のオーディションにはたくさんの優秀な方が応募してくださる。地方のオケにとっては悪いばかりではない。
受験者の人生(生活)までかかっているのでいい加減なオーディションは出来ない。団員には投票権が与えられているので、仲間になれる人を真剣に選ぶのだ。ただ自分がオーディション受けた時を思い出すので、会場は今でも嫌なものだ。お客さんの前で演奏するのとプロの団員の前で弾くのは気持ちが全然違う。足は振るえ、冷や汗の連続なのだ。
2度と経験したくないことの1つである。
オーケストラの業界では音楽大学を卒業した後、現場実地(エキストラ等の仕事)をして経験を積むというフリーの演奏家という立場の若い人達がいる。今社会的問題になっているフリーターやニートとは違い、フリーの演奏家はオーケストラ業界にとって必要不可欠な昔からの職業の一つであるが、世間はその安定しない職業を認めない。私の両親も早く就職しろと会う度に言っていたものだ。自分から自由な活動をしたいということでフリーという立場を選択する人達もいる。バブルの頃ならいざ知らず、崩壊後は演奏家はフリーの仕事が減ってきており、そういった音大卒業生を誰でも彼でもオーケストラ側は使用出来なくなってきている。ちょっとしたコネクションみたいなものが必要になる。師事していた先生の紹介とか、仲良くしていた先輩の紹介とか。新音大卒業生は、少ない仕事先で真面目にやって信用を積み重ねていかないと次の仕事にありつけない。バブルの頃は、例えば豪華結婚式などの祝宴演奏や豪華客船のレストランでの演奏、スタジオ系の録音のお仕事、歌手の全国ツアーなどのどさまわり仕事、オーケストラも大編成の曲をよくプログラミングするなど、オーケストラの団員よりフリーの方が稼ぐ事が出来た時代もあった。しかし今は仕事が無い。
仕事が少なくなればフリーの演奏家たちも安定した職に就こうとするが、オーケストラの団員は辞める人は少ない。オーディションがあれば、毎年必ず生みだされる多くの音楽大学卒業生とフリーの演奏家達で、その限られた席を争う事になる。例えばこの間聞いた話では、都内のオケがオーボエを募集すればたった1つの席に100人以上の人が受験に来るそうである。オーディションによっては合格者がでないときもある。フルート、クラリネットなどの人口が多いパートや一つのオケに1人しか必要ないチューバなどのオーディションには特に人が集まるそうである。
今回のオーディションが駄目だったら、次のオーディションまでにまた新たな卒業生が出てくるのでプロオケに入団したい人は増々増えていくだけである。しかしこの不景気でオーケストラも増員は無いし、新しいオケが出来るという話も聞かない。今のフリーの人は大変なのだろうと思う。ほとんどのオケの受験資格は年齢制限があるので、それに達すると優秀なプレイヤーなのに生活のために廃業する人が出てしまう厳しい世界なのだ。
ただこの状況のおかげ?かここ数年の山形響のオーディションにはたくさんの優秀な方が応募してくださる。地方のオケにとっては悪いばかりではない。
受験者の人生(生活)までかかっているのでいい加減なオーディションは出来ない。団員には投票権が与えられているので、仲間になれる人を真剣に選ぶのだ。ただ自分がオーディション受けた時を思い出すので、会場は今でも嫌なものだ。お客さんの前で演奏するのとプロの団員の前で弾くのは気持ちが全然違う。足は振るえ、冷や汗の連続なのだ。
2度と経験したくないことの1つである。