らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

ヴィオラ Vol.10

2008年10月09日 23時19分08秒 | ヴィオラ
 しばらくヴィオラの事について書いてなかったが、書きたい事は色々有ってまとまらない。

 ヴィオラは大人が演奏するべき楽器である。

 ヴィオラという楽器は、大抵の場合ヴァイオリンからの転向組によって弾かれるので、始めるのが(早い人でも中学生位から)一番多いパターンで大学に入学前後・卒業前後である。それまでヴァイオリンの教育を受けていた人が、ヴィオラという魅力ある楽器に転向して、譜面の読み方から技術的なものまで新しく勉強し直す。

 ここでは、だから大人の弾く楽器と言いたいのではない。

 以前にも書いたがそのボディサイズのせいで、ヴィオラはヴァイオリンやチェロに比べて鼻の詰まったような音がする。ソロ向きの楽器ではなく、アンサンブル等で中音域を担当する楽器なのである。ボディサイズが大きく、弓も重く体に負担をかけながら弾くので、特に背骨や腰などに負担をかけやすい。

 オーケストラなどで弾くときは、その楽器の難しさはヴァイオリンなどの弦楽器と一緒だが(違う難しさと言った方が良いか?)、演奏会や特にレコーディングなどでは、その音は認知されにくくて苦労が報われない事がほとんどである。舞台上に一緒に乗っている他のプレイヤーからも無視される事が多い。本当は重要なリズムを弾いていたり、ハーモニーを奏でている事が多いのにも関わらず。

 しかし、ここでヴィオラを奏でている人は腐ってはいけないのである。

 
 大人の余裕

 を持たなければならない!

 自分が目立たないからといって、無視されているからといって腐ってはいけないのである。


 他のプレイヤーを愛情を持って支えてあげるのが、その役目なのだから・・・・。

 他のプレイヤーが例え音程が不安定になろうと、その柔らかい鼻の詰まったような音色をさらに柔らかくして全体でハモっているようにしてあげるのも仕事の一つ。1stVnが速いパッセージで息が詰まりそうになっていても、伴奏で軽く息を入れてあげるのも仕事。チェロの高い音域で苦しそうに不安定になってしまうのをフォローするのも仕事。重くなりがちなベースを引っ張ってあげるのも仕事。ホルンとユニゾンで、音を柔らかくしてあげるのも仕事。

 あげればきりがない!

 やさしい便利屋さんの仕事がヴィオラのお仕事なのだ。まわりにイライラしていては仕事がなりたたないので、そこはいつも大人になってあげて、懐の深い所を見せてしまいましょ!

 すご~~くたまにメロディがくれば、それはもう今までまわりをフォローしてあげた分、

 たっぷり、朗々と歌い込むのが使命でしょ?

 たまには、いいでしょ?


コメント (8)
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