らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

阿刀田 高「迷い道」

2011年04月03日 23時52分14秒 | 読書
 最近、読書カテゴリーの記事を書くことが多くなりました。約1年前に20年以上ぶりに読書習慣が再発した時は、文章の読み方も忘れていて、読むのが随分と遅かったのですが、最近はぽんぽんと文字を読むのになれてきました。

 実際、読んでしまった本は約倍の数くらいあるのですが、毎日のように読書感想文を書くわけにもいかないので、数日おきに書いています。今、演奏会予定ががんがん中止になっていて、オケの仕事も休みなので時間が余っているというのも関係していると思います。時間はあるけど、ブログに書くほどのネタがないということです。汗。

 司馬遼太郎と阿刀田高の作品ばかりを読んでいますが、それは私の嗜好に関係しています。気に入った物の深みにどんどん入っていくという習性が私にはあります。色々な事に興味を持って、色々とチャレンジするというのは若い内は良いのですが、だんだんと一つのことに集中する方が充実感を得られるのに、ある時気づいてしまったのです。

 山形Qで活動するなら、継続的に演奏する作曲家を選ぶという嗜好も私の感性に合っています。結成の時にF.J.ハイドンの弦楽四重奏曲を全曲演奏するといった無謀な計画を考えついたのも、私にとっては当たり前の事なのでした。

 さて、阿刀田高「迷い道」は1985年に講談社で発表されたショート・ショートです。

 短い話を何編も載せている文庫ですが、例えば前回記事にした「猫の事件」などに比べると一つずつの話は頁が多くなっていて、ミステリーの様であり大変読み応えがアップしています。

 各物語の風景描写や人物描写のうまさは抜群で、阿刀田流空気感は健在でございます。

 物語の始まりで、すっと人を引きつけてしまう魅力は、我々がやっている音楽も学ばなければなりません。

 一番難しい事ですがね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする