らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

A.ブルックナー交響曲第6番録音中。

2011年04月25日 23時59分23秒 | 山形交響楽団
 今日から2日間かけて、山形テルサにて山形交響楽団は、先日の定期演奏会で取り上げましたA.ブルックナー交響曲第6番の録音作業に入りました。

 録音作業は、テレビドラマの撮影に出演している俳優さん達の仕事に似ていると思います。

 お客様の入っていないホールで、脚本通りに物語が進むのではなくて、色々な場所を飛び飛びで録音してゆきます。

 演奏会本番だと、例えば第2楽章の冒頭から演奏するから中間部への気持ちが段々高ぶり、自分の実力以上の音が出せたりするのですが、中間部の縦の線がずれたから(音程やタイミング色々な要因があります。)、そこだけ録音し直し・・・。なんて事はしょっちゅうあるわけで、最初から演奏してきているわけではないので、いきなり自分のテンションを瞬時に上げなくてはならないわけです。しかし、空席の会場で、演奏会以上の演奏が出来る訳がございません。

 その無理矢理のテンションあげは、どこか取って付けたような演奏になると思うからです。

 「はい!ここからここまで演奏して!」「はい!ここがずれたから録りなおし!」「いやいやこうした方が、じゃ~もう一回録り直し!」「なんか雑音が入ったから録り直し!」などなど。

 この大曲の様々なキャラクタ~を瞬時にコロコロ気分を変えて、集中力を持って演奏しなくてはいけないのですから、これほどしんどい仕事はございません。

 俳優さんは撮影の順番で、失恋場面から撮影して、その後に二人の出会いを撮影してもプロだからうまく編集されて、さも自然に二人の出会いから別れまでを演じることが出来ますよね。

 音楽って、私が言うのもなんですが、第1楽章の頭から演奏して第4楽章の最後までで完結するものだと思うので、なかなか録音作業は、何回しても慣れませんし、好きになれません。

 ただ失敗しても、やり直しが出来るという「瞬間芸術」らしからぬ特権が与えられていますので、少しだけ楽かも・・・。充実はしないのだけれど。

 今日の記事はセクション録音を否定しているのでは無いのであしからず。演奏会に付随して録音作業していたら、何倍も疲労するのだから、演奏会本番中が一番疲れている事態が起きかねませんしね。

 明日で、録音作業は終わりなので、風邪に負けないで、頑張ってきます!!良いCDが出来ますよ~に!
コメント (2)
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