ピエラヌンツィのCDはすべて買って聴きましたが、結局手元に残したのは4枚だけです。 その中でも1番の傑作だと思うのは、これです。
Plays The Music of Wayne Shorter
1曲目の Wildflower にやられました。 この、ぞっとするような抑制された美。 ベースとのインタープレイの深さ。
エヴァンス派と言われる無数のピアノ作品の中で、唯一、Nardis や Israel を超えることができた作品ではないかと思います。
今のところ私の中では、レコードもCDも生演奏も含めて、これを超えるピアノトリオの作品は他にありません。
演奏自体がピーク期だったこともあるんでしょうが、重要なのはショーターの曲をやっているということなんだと思います。
正直に告白すると、私は長い間、ウェイン・ショーターの音楽の良さがわかりませんでした。 特に若い頃、レコードを買い漁っていた頃は
Night Dreamer や JUJU をオリジナルで持っていて、わかったような顔をして友人と喋っていましたが、実はいいと思ったことは
一度もなかった。 私には、ドルフィーやアイラーやオーネットよりも、ショーターはわかりにくい存在でした。
でも、そう言うとバカにされそうな雰囲気があったし、ショーターがわからないということは結局ジャズがわかってない、というのと
同じことだという認識があったので、例えそう思っていても、口に出すことが許されない感じがありました。
でも、上記のCDを聴いて、目から鱗が落ちました。 要するに、ショーターはMusician's Musicianだったのだと。
つまり、今の私のような日曜リスナーが寛ぎを得るためにレコードを聴く人のための音楽ではなく、創造者のための音楽だったんだなと
いうことがようやくわかった訳です。
ソプラノ・サックスは綺麗な音で吹くのに、テナーはまるで音がつぶれたような、音と音が重なり合ったような、よく聞き取れない音と
フレーズばかりで何を吹いているのかさっぱりわからない、とそればかりの印象で、まともにこの人のテナーが聴けるのは
ウェザー・リポートのほうだけじゃないかと思っていました。 でも、彼は別に楽器を綺麗に吹こうなんて、初めから思ってなかった。
それがわかってからは、もつれた糸がスルスルとほどけるようにショーターの音楽が好きになっていきました。
今はブルーノートのソロ作品もジャズ・メッセンジャーズ時代の作品もマイルス時代の作品もすべてが愛聴盤ですが、ブルーノートでは
やっぱりこれが1番好きです。
Speak No Evil / Wayne Shorter
以前、Someth' Else でも書きましたが、今秋に発売になった75周年記念のSHM-CDはこれまでの音盤の中ではダントツの音の良さです。
サックスの音の艶と輝きがようやく本当の音のように再現されていて素晴らしいのですが、それ以上に、音のない無音の空間の生々しさが
きちんとわかります。 結局のところ、人が音がいいと感じるのはこの部分ですよね。
ここまで音が良ければ、もうオリジナルなんて買う必要もありません。 とにかく、ショーターは全タイトルを出して欲しいなあと思います。
Plays The Music of Wayne Shorter
1曲目の Wildflower にやられました。 この、ぞっとするような抑制された美。 ベースとのインタープレイの深さ。
エヴァンス派と言われる無数のピアノ作品の中で、唯一、Nardis や Israel を超えることができた作品ではないかと思います。
今のところ私の中では、レコードもCDも生演奏も含めて、これを超えるピアノトリオの作品は他にありません。
演奏自体がピーク期だったこともあるんでしょうが、重要なのはショーターの曲をやっているということなんだと思います。
正直に告白すると、私は長い間、ウェイン・ショーターの音楽の良さがわかりませんでした。 特に若い頃、レコードを買い漁っていた頃は
Night Dreamer や JUJU をオリジナルで持っていて、わかったような顔をして友人と喋っていましたが、実はいいと思ったことは
一度もなかった。 私には、ドルフィーやアイラーやオーネットよりも、ショーターはわかりにくい存在でした。
でも、そう言うとバカにされそうな雰囲気があったし、ショーターがわからないということは結局ジャズがわかってない、というのと
同じことだという認識があったので、例えそう思っていても、口に出すことが許されない感じがありました。
でも、上記のCDを聴いて、目から鱗が落ちました。 要するに、ショーターはMusician's Musicianだったのだと。
つまり、今の私のような日曜リスナーが寛ぎを得るためにレコードを聴く人のための音楽ではなく、創造者のための音楽だったんだなと
いうことがようやくわかった訳です。
ソプラノ・サックスは綺麗な音で吹くのに、テナーはまるで音がつぶれたような、音と音が重なり合ったような、よく聞き取れない音と
フレーズばかりで何を吹いているのかさっぱりわからない、とそればかりの印象で、まともにこの人のテナーが聴けるのは
ウェザー・リポートのほうだけじゃないかと思っていました。 でも、彼は別に楽器を綺麗に吹こうなんて、初めから思ってなかった。
それがわかってからは、もつれた糸がスルスルとほどけるようにショーターの音楽が好きになっていきました。
今はブルーノートのソロ作品もジャズ・メッセンジャーズ時代の作品もマイルス時代の作品もすべてが愛聴盤ですが、ブルーノートでは
やっぱりこれが1番好きです。
Speak No Evil / Wayne Shorter
以前、Someth' Else でも書きましたが、今秋に発売になった75周年記念のSHM-CDはこれまでの音盤の中ではダントツの音の良さです。
サックスの音の艶と輝きがようやく本当の音のように再現されていて素晴らしいのですが、それ以上に、音のない無音の空間の生々しさが
きちんとわかります。 結局のところ、人が音がいいと感じるのはこの部分ですよね。
ここまで音が良ければ、もうオリジナルなんて買う必要もありません。 とにかく、ショーターは全タイトルを出して欲しいなあと思います。