廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

ラルフ・タウナーを探して

2015年10月03日 | ECM

Ralph Towner, John Abercrombie / Five Years Later  ( 西独 ECM 1207 )


ECMのレコードが少しづつ増えています。 と言っても何でもかんでも手を出すことはなく、まだ今は自分が知っているアーティストの作品の範囲だけです。
とにかく値段が安いおかげで財布の心配をする必要があまりないし、中古の流通量はCDよりもレコードのほうがなぜか高いような気がします。
これまでほとんど聴いてこなかったことが幸いして音楽に新鮮な気持ちで接することができて、古い名盤の買い直しなんかよりも遥かに快楽度が高い。

もうネットでCDやレコードを買うことは全くなくなって、街の中をよく歩いて探すようになりました。 そのお蔭で体重がかなり落ちて、醜く出ていた腹は
まな板のようになり、「これじゃCDやレコードが増えても怒れない」と相方は溜め息まじりでぼやくようになりました。 しめしめ、です。


そういえばラルフ・タウナーのレコードがうちにはないことにハタと気が付き、探してみるとこれが見つかりました。 アバークロンビーとのデュオ作品で、
このフォーマットでの録音の2回目にあたるものです。 タウナーはアコギ、アバ-クロンビーはエレキで、お互いに対話するように演奏が進みます。

どちらもいわゆるジャズ・ギターにはなっておらず、コンテンポラリーな楽曲を自由に奏でています。 それぞれを単体で見るとなかなかアグレッシヴで
トリッキーに弾いているにも関わらず、出来上がった音楽は空中を浮遊するような、どこまでも透き通ったこの人達らしいものになっているから不思議です。
ともすればお互いに頑張り過ぎてしまって刺々しい音楽になりがちなのに、彼らはそうはならずに遥か遠くのものを見つめるかのように音楽を紡いでいく。
だからこちらも一つ一つの旋律を追いかけるのではなく、全体の雰囲気にただぼんやりと身を任せて漂っていればいいのだと思います。

タウナーのほうはビル・エヴァンスの曲を1曲混ぜたソロ作品が、アバークロンビーはリッチー・バイラークとやった作品がそれぞれまだ未入手で、
それらに出会うのを愉しみにしながらまたしばらく歩いて探す日々が続きそうです。



コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする