Duke Ellington And His Orchestra / The Indispensable Of Duke Ellington ( 米 RCA Victor LPM 6009 )
新型コロナ対策で4月1日から10日まで取り敢えず在宅勤務となっている。東京のピークはまだまだ先だろうし、来週以降どうなるのかわからない。
ただ、家にいる時は何となくブログを触るのが生活習慣になっているし、音楽でも聴かなきゃやってられない気分だから、週末だけのアップでは
手が回らないものをいい機会だから少し取り込んでおこうと思う。
エリントン楽団の1940~46年のRCA吹き込みをLPとして切り直した2枚組で、ブラントン、ベン・ウェブスター、アル・ビブラーらがいた黄金期の
演奏が聴ける決定盤の1つだが、先日のエリントン大量放出時に500円で転がっていた。まあ、人気が無い。
大好きな "Morninng Glory" から始まる個人的に嬉しいプログラム内容で、音質も良好だ。こういう時にメジャー・レーベルというのは心強い。
当然ながらどの曲も3分間の芸術(複数枚を繋げた大作も収録されてはいる)で、アドリブはそこそこ、楽団のアンサンブルを愉しむ内容だ。
時代の雰囲気が漂う、セピア色の風景が眼前に拡がる。
エリントンのこの時代の演奏を聴いていると、コッポラの "ゴッドファーザー Part.Ⅱ" を思い出す。デ・ニーロが若き日のヴィト・コルレオーネを
演じた、あの画面の色調とシークエンスだ。他のビッグ・バンドでは思い出すことはなく、エリントンの音楽の場合だけ、あの映像が浮かんでくる。
不思議だ。
80年近く前に演奏された音楽なのに、それらが人の心に及ぼす影響がこんなにも明瞭なことが不思議でならない。そして、それはどこからどう
聴いても、エリントン楽団の演奏だと判る。私には、ウディー・ハーマン楽団の演奏とチャーリー・バーネット楽団の演奏の違いを聴き分けることが
できるかどうかについて自信がまったくないけれど、エリントン楽団の演奏であれば簡単に聴き分けることができると思う。それはエリントン楽団
にしか出せない音であり、ハーモニーであり、ムードであるからだ。私がブラインドで聴き分けることができる古いビッグ・バンドは3つしかない。
エリントン、ベイシー、クロード・ソーンヒルの3楽団だけ。後は、きっとわからないと思う。
50年代のコロンビア録音と同じ聴き方や楽しみ方はできないけれど、RCA時代にしか味わえないものが間違いなくある。
それをじっくりと堪能するには、このセットはうってつけだと思う。
多くのレコードに管理番号が書かれたシールが貼られていましたね。
それなのにどれも安レコで、なんだか気の毒でした。
日々気分が落ち込んでいく中での連日の更新、とてもうれしいです。
エリントン一連の大放出は、数週間前左上のシールでよく覚えております。
所有されていたコレクター、大事にされていたんだろうなと思いながらパタパタしていました。
(記事内容と無関係ですみません)