The Singers Unlimited / Christmas ( 独 MPS 20 20904-0 )
クリスマス・ソングは、やはり何と言ってもコーラスが似合う。コーラス・グループの多くがクリスマス・アルバムを残しているけれど、その草分けが
シンガーズ・アンリミテッドのこのアルバムかもしれない。
ハイ・ローズ解散後にジーン・ピュアリングが作ったグループがこのシンガーズ・アンリミテッドだけど、レコーディングは1人が複数パートを歌い、
全体で4声以上の分厚いコーラスの層を作り、エコーをたっぷりと効かせた壮大な音響で録音した。おそらく教会の聖歌隊をイメージしたのだと思う。
ドイツのMPSレーベルと契約したおかげで、このレーベルの高度な録音技術がそれを可能にした。
このグループはジャズ・コーラスの技術的限界の枠を大きく拡げて、この路線は現代のザ・リアル・グループに引き継がれている。このアルバムも完全
アカペラで、人の声だけで巨大な音楽を作り上げている。取り上げられている楽曲はポピュラー系のものは避けてトラディショナルなものがメインに
なっており、それがアルバム全体の格調を高い印象へと押し上げている。そういう意味では極めて正統派の内容だ。
これをかければ、家の中は見事なまでにクリスマス一色となる。クリスマスツリーもクリスマスケーキも欠かせないけれど、やっぱり何はなくとも
音楽、である。お気に入りのクリスマスアルバムがあるのとないのでは人生の楽しさはずいぶんと違ってくるのではないか、という気がする。
駅前のブックオフで、このCD買いました。Jazzはほとんど置いていない店で、
DawnやMode、Jubilee、Savoy、Fresh Soundの再発など、渋いのを11枚購入。
おそらく、同じ人が手放したんでしょうね。コレクターが亡くなったのかなあ。
アーメン。
以前、アメリカン・ロックのLittle Featを海賊盤から関連盤まで網羅的にもれなく一括して中古屋で見つけて、何これ?ってお店の人に聞いたら、離婚されたんですと。
そんなこと思い出しました。
コレクションを手放す理由は様々だろうと思いますが、いずれにしても、誰しもがいつかは手放す日が来るわけです。
永遠に持ち続けることはできないのですから、持っている間にできるだけ愉しむようにしたいです。
小粋ですね。
この手のジャズは滅びちゃったのかなあ。
疲れたおじさんには、刺激の絶対値が売り物の、どうだ参ったかという音楽は、こらえてくれという感じがします。
まさか、カマシ・ワシントンがウェストコーストの主役ということではないんでしょうけど。
少し前はカナダのジャズに少しそういう匂いがあったように思いますが、今はどうなっているのかわかりません。
上記のラインナップの中では、ボブ・フローレンスが好きです。