Mark Murphy / Sugar Of 97 EP ( オーストリア Uptight Uptight 19.12 )
12インチEPという形でクラブDJ Remix された音源として97年にリリースされたようだが、この辺りの事情には暗くてよくわからない。
ググってみてもこのレコードに言及している記事は見当たらないし、ChatGPTに訊いてみても「私の知識にはありません」との回答で
このビッグデータの時代に何たることだ、と驚いてしまう。
スティーリー・ダンの "Do It Again" で始まるうれしい内容だが、収録された3曲は打ち込みがミックスされたクラブで踊るための音楽に
なっている。私はこの手の音楽が結構好きなので、非常に楽しく聴ける。ジャズが欧州のクラブミュージックと融合して再評価された
ことはジャズにとってもよかったんじゃないかと思っているが、こうしてとても自然な形でそれが聴けて、且つそれが私が愛好している
マーク・マーフィーということだから、とてもうれしい。
彼は90年代以降もコンスタントにアルバムをリリースしていて、海外ではそれなりにきちんと評価されていたわけだが、日本ではさっぱりで、
こういうところにジャズに関する日本と海外の超えられない音楽格差を強く感じる。
しかし、こうして聴いていると、この打ち込みのビートに乗って歌う彼はデッカでデビューした頃と何も変わっていないことがよくわかる。
デビューした時点で歌の天才的な上手さは既に完成していたが、年齢的な衰えは隠せないながらもその歌の良さは不変である。
彼のことは、いずれはここできちんと書いておきたいと思っている。