[9月3日21:34.天候:不明 廃坑地下2F]
シンディは奥にあるリフトを見つけた。
作業員を下層部まで送り込む為のものだ。
電源を入れてみると、それは入ったのだが、何故か地下2階までしか行けないようになっている。
仕方が無いので、取りあえずそれで地下2Fへ下りた。
地下2階は地下1階より照明が少なく、薄暗かった。
シンディは暗視機能を使用して、奥へ進む。
シンディ:「!?」
途中で右にカーブする所があるのだが、ちょうどカーブが始まる所の壁に直径1メートルほどの蜘蛛の絵が映り込んだ。
アリス:「何これ?気持ち悪い」
敷島:「趣味の悪い絵だなぁ……」
平賀:「……?」
だが、それは絵ではなかった。
シンディが近づくと、
敷島:「動いた!?」
アリス:「気持ち悪い!」
敷島にしがみつくアリス。
平賀:「でも、あんな巨大が蜘蛛が?」
シンディが間合いを取ってスキャンしてみると、金属反応が出た。
ということで、武器をマグナムに変えて撃ち込むと、蜘蛛は2発で倒れた。
生物の蜘蛛は死んだり失神したりすると足を丸めるが、ロボットとしての蜘蛛は活動停止に追い込まれても、足を丸めることは無いようだ。
体内からオイルやら火花を散らして動かなくなった巨大蜘蛛ロボット。
シンディが改めてスキャンしてみると、体内に弾薬が入っていた。
どうやらこの蜘蛛、糸や毒液を吐く代わりに銃弾を吐くらしい。
攻撃される前に倒してしまい、それを見ることはできないが。
シンディは新しいマグナム弾を3発手に入れた。
シンディ:「ここは虫型のロボットが飼われている所らしいね」
シンディがそう言ったのは、奥から今度は大型のゴキブリロボットが走ってきたからだ。
これにあっては、マシンガンに切り替えて掃射。
面白いようにひっくり返るゴキブリロボ。
で、ひっくり返ると、まるで亀のように足をバタつかせて起き上がれない。
平賀:「かー……こりゃ重大な欠陥だな。でも、虫型ロボットとは考えたな」
敷島:「スパイロボとして使えそうですね。でも、大きさが不自然ですね」
平賀:「さすがに、どこかのバイオハザードみたいな巨大虫はバレますもんね」
敷島:「アリス。今度、DCJさんでそういうの作ってみたら?」
アリス:「気持ち悪いのはイヤ。どうせなら、萌みたいに可愛いのがいいわ」
敷島:「妖精型ロイドねぇ……。でも、あれもあれで目立つからなぁ……」
尚、大型蜘蛛ロボットの中には本当に網を張るのもいるみたいで……。
敷島:「あれ?あれか、もしかして!?井辺君が言ってた、萌を捕えていた蜘蛛の巣って!」
平賀:「KR団の秘密研究所で飼われていた、巨大蜘蛛型ロボットですか。ということは、やはりこの廃坑はKR団の……ということになりますね」
シンディは左足の脛にコンバットナイフを仕込んでおり、それで蜘蛛の糸を切り取った。
本物の蜘蛛の糸はネバネバしているものだが、こちらの蜘蛛の糸は人工的なもののせいなのか、そんなにネバつきは無い。
しばらくまた進むと、今度は小型の蜘蛛ロボットが3機ほどやってきた。
小型といっても、まだ30センチ強の大きさがあり、やっぱり大きい。
しかも、機械でできるからか、歩いてくる時にカシャンカシャンという金属音が響いてくるので、これも商品化できなかった理由であろうか。
シンディに攻撃されて壊され、うちひっくり返った1個体は、シンディに踏み潰された。
敷島:「B2階には何も無さそうですね?」
平賀:「もっと下の層に行く手段を探しませんと……」
シンディは奥に古びた鉄扉を見つけた。
2枚扉である。
何かの資材倉庫だった場所だろうか?
中に入ってみた。
シンディ:「…………」
中は空洞の部屋だった。
まあ、倉庫か何かだったのだろう。
シンディが首を傾げたのは、何故かその部屋の片隅に信楽焼の狸が置かれていたからだ。
よく居酒屋の入口に置かれている、あの狸の置物である。
スキャンしてみると、金属反応が出た。
そして近づいてみると、ヴンと機械の起動する音が鳴り、狸の目が赤く光る。
そして、グインと狸の足の下からキャタピラーが出てきてシンディに近づいて来た。
シンディ:「な、なに、あんた?これから、居酒屋にでも出張するの?」
狸:「ここは・関係者以外・立ち入り禁止です。直ちに・退去・しなさい」
シンディ:「喋った!?……てか」
シンディはプッと笑った。
シンディ:「あんたにそんなこと言われる筋合いは無いわ。それより、研究室とルディの居場所を教えて。もしくは、どちらか片方でもいいわ」
狸:「繰り返し・警告します。ここは・関係者以外・立ち入り禁止です。直ちに・退去・しなさい」
シンディ:「フッ、それしか言えないロボットか。それじゃ、しょうがないかな」
シンディは右手をマシンガンに変形させると、その銃の先で狸の頭をコンと叩いた。
シンディ:「あんたこそ、アタシの邪魔にならないよう、ここを出て行きなさい。さもないと、バラバラにするわよ?」
狸:「……警告無視。排除・する」
狸ロボットは両目をハイビームに光らせると、口をパカッと開け、中からグレネード弾を発射した。
シンディ:「……マジ?」
室内には隠れる場所が無い。
シンディは急いで、グレネード弾を避けた。
ドォォン!と爆発する。
シンディ:「狸のくせに、物騒なモン持ってんじゃないよ!」
シンディはマシンガンを狸ロボットに掃射した。
だが、その弾が悉く弾き返された。
シンディ:「なにっ?!」
狸、今度は手持ちの酒瓶をシンディに向ける。
ボンッ、ボンッと焼夷弾を発射してきた。
シンディ:「でぇぇっ!」
着弾したところから、火の手が上がる。
シンディは間合いを取って、ライフルで頭を撃ち抜いてやろうと思った。
シンディ:「いや、待てよ!マシンガンが効かないんじゃ、ライフルも難しいかな!?」
シンディ、迷っている間にも狸の攻撃の手は止まない。
シンディ:「あ、そうだ!何も撃ち抜く必要は無いんだ!」
どうやら、何か有効な手立てが見つかったようだ。
シンディは少し間合いを取ると、右足の脛の中に仕込んでいたRデコイを転がした。
Rデコイというのはアリスの発明品で、手榴弾を改造したもの。
爆発前に特殊信号と光、そしてピコーンピコーンというアラームでもって、人工知能の劣るテロロボットを誘き寄せる。
そして、誘き寄せたところで爆発するというシロモノだ。
つまり、人工知能の優れたロイドはそんなものに引っ掛からない。
……はずなのだが、逆に鏡音リンが興味を持って拾いに行こうとして、その場にいた人間達全員を冷や汗まみれにしたという実験逸話もある。
で、この狸ロボットも誘き寄せられた。
チュドォォンと爆発して、狸ロボットはひっくり返ってしまった。
このロボットの足は、戦車やブルドーザーみたいなキャタピラー。
それがひっくり返ったのだから、起き上がれない。
シンディ:「さ、観念した?助けて欲しかったら、更に下に行く方法を教えてちょうだい」
狸:「…………」
シンディ:「ん?なぁに?」
狸:「自爆・5秒前」
シンディ:「は!?」
シンディは急いで部屋から飛び出して、ドアを閉めた。
その直後、大爆発を起こす倉庫。
シンディ:「とんでもないヤツだったわ」
改めてもう1度倉庫に入ると、人間ならその焦げ臭さに顔をしかめただろうが、ロイドは臭いまで分からない。
入ってみると、あれだけの大爆発なのにも関わらず、天井が崩れたりはしていなかった。
ただその代わり、一部の壁は崩れていて……。
シンディ:「あっ、何かボタンがある」
何かの装置が隠されていた。
シンディはそのボタンを押してみたが、少なくともここでは何が起きたのか分からなかった。
シンディ:「どこか別の所で何かが起きたのかしら?」
取りあえず、坑道は更に先まで続いている。
再び倉庫を出て先に進むことにした。
シンディは奥にあるリフトを見つけた。
作業員を下層部まで送り込む為のものだ。
電源を入れてみると、それは入ったのだが、何故か地下2階までしか行けないようになっている。
仕方が無いので、取りあえずそれで地下2Fへ下りた。
地下2階は地下1階より照明が少なく、薄暗かった。
シンディは暗視機能を使用して、奥へ進む。
シンディ:「!?」
途中で右にカーブする所があるのだが、ちょうどカーブが始まる所の壁に直径1メートルほどの蜘蛛の絵が映り込んだ。
アリス:「何これ?気持ち悪い」
敷島:「趣味の悪い絵だなぁ……」
平賀:「……?」
だが、それは絵ではなかった。
シンディが近づくと、
敷島:「動いた!?」
アリス:「気持ち悪い!」
敷島にしがみつくアリス。
平賀:「でも、あんな巨大が蜘蛛が?」
シンディが間合いを取ってスキャンしてみると、金属反応が出た。
ということで、武器をマグナムに変えて撃ち込むと、蜘蛛は2発で倒れた。
生物の蜘蛛は死んだり失神したりすると足を丸めるが、ロボットとしての蜘蛛は活動停止に追い込まれても、足を丸めることは無いようだ。
体内からオイルやら火花を散らして動かなくなった巨大蜘蛛ロボット。
シンディが改めてスキャンしてみると、体内に弾薬が入っていた。
どうやらこの蜘蛛、糸や毒液を吐く代わりに銃弾を吐くらしい。
攻撃される前に倒してしまい、それを見ることはできないが。
シンディは新しいマグナム弾を3発手に入れた。
シンディ:「ここは虫型のロボットが飼われている所らしいね」
シンディがそう言ったのは、奥から今度は大型のゴキブリロボットが走ってきたからだ。
これにあっては、マシンガンに切り替えて掃射。
面白いようにひっくり返るゴキブリロボ。
で、ひっくり返ると、まるで亀のように足をバタつかせて起き上がれない。
平賀:「かー……こりゃ重大な欠陥だな。でも、虫型ロボットとは考えたな」
敷島:「スパイロボとして使えそうですね。でも、大きさが不自然ですね」
平賀:「さすがに、どこかのバイオハザードみたいな巨大虫はバレますもんね」
敷島:「アリス。今度、DCJさんでそういうの作ってみたら?」
アリス:「気持ち悪いのはイヤ。どうせなら、萌みたいに可愛いのがいいわ」
敷島:「妖精型ロイドねぇ……。でも、あれもあれで目立つからなぁ……」
尚、大型蜘蛛ロボットの中には本当に網を張るのもいるみたいで……。
敷島:「あれ?あれか、もしかして!?井辺君が言ってた、萌を捕えていた蜘蛛の巣って!」
平賀:「KR団の秘密研究所で飼われていた、巨大蜘蛛型ロボットですか。ということは、やはりこの廃坑はKR団の……ということになりますね」
シンディは左足の脛にコンバットナイフを仕込んでおり、それで蜘蛛の糸を切り取った。
本物の蜘蛛の糸はネバネバしているものだが、こちらの蜘蛛の糸は人工的なもののせいなのか、そんなにネバつきは無い。
しばらくまた進むと、今度は小型の蜘蛛ロボットが3機ほどやってきた。
小型といっても、まだ30センチ強の大きさがあり、やっぱり大きい。
しかも、機械でできるからか、歩いてくる時にカシャンカシャンという金属音が響いてくるので、これも商品化できなかった理由であろうか。
シンディに攻撃されて壊され、うちひっくり返った1個体は、シンディに踏み潰された。
敷島:「B2階には何も無さそうですね?」
平賀:「もっと下の層に行く手段を探しませんと……」
シンディは奥に古びた鉄扉を見つけた。
2枚扉である。
何かの資材倉庫だった場所だろうか?
中に入ってみた。
シンディ:「…………」
中は空洞の部屋だった。
まあ、倉庫か何かだったのだろう。
シンディが首を傾げたのは、何故かその部屋の片隅に信楽焼の狸が置かれていたからだ。
よく居酒屋の入口に置かれている、あの狸の置物である。
スキャンしてみると、金属反応が出た。
そして近づいてみると、ヴンと機械の起動する音が鳴り、狸の目が赤く光る。
そして、グインと狸の足の下からキャタピラーが出てきてシンディに近づいて来た。
シンディ:「な、なに、あんた?これから、居酒屋にでも出張するの?」
狸:「ここは・関係者以外・立ち入り禁止です。直ちに・退去・しなさい」
シンディ:「喋った!?……てか」
シンディはプッと笑った。
シンディ:「あんたにそんなこと言われる筋合いは無いわ。それより、研究室とルディの居場所を教えて。もしくは、どちらか片方でもいいわ」
狸:「繰り返し・警告します。ここは・関係者以外・立ち入り禁止です。直ちに・退去・しなさい」
シンディ:「フッ、それしか言えないロボットか。それじゃ、しょうがないかな」
シンディは右手をマシンガンに変形させると、その銃の先で狸の頭をコンと叩いた。
シンディ:「あんたこそ、アタシの邪魔にならないよう、ここを出て行きなさい。さもないと、バラバラにするわよ?」
狸:「……警告無視。排除・する」
狸ロボットは両目をハイビームに光らせると、口をパカッと開け、中からグレネード弾を発射した。
シンディ:「……マジ?」
室内には隠れる場所が無い。
シンディは急いで、グレネード弾を避けた。
ドォォン!と爆発する。
シンディ:「狸のくせに、物騒なモン持ってんじゃないよ!」
シンディはマシンガンを狸ロボットに掃射した。
だが、その弾が悉く弾き返された。
シンディ:「なにっ?!」
狸、今度は手持ちの酒瓶をシンディに向ける。
ボンッ、ボンッと焼夷弾を発射してきた。
シンディ:「でぇぇっ!」
着弾したところから、火の手が上がる。
シンディは間合いを取って、ライフルで頭を撃ち抜いてやろうと思った。
シンディ:「いや、待てよ!マシンガンが効かないんじゃ、ライフルも難しいかな!?」
シンディ、迷っている間にも狸の攻撃の手は止まない。
シンディ:「あ、そうだ!何も撃ち抜く必要は無いんだ!」
どうやら、何か有効な手立てが見つかったようだ。
シンディは少し間合いを取ると、右足の脛の中に仕込んでいたRデコイを転がした。
Rデコイというのはアリスの発明品で、手榴弾を改造したもの。
爆発前に特殊信号と光、そしてピコーンピコーンというアラームでもって、人工知能の劣るテロロボットを誘き寄せる。
そして、誘き寄せたところで爆発するというシロモノだ。
つまり、人工知能の優れたロイドはそんなものに引っ掛からない。
……はずなのだが、逆に鏡音リンが興味を持って拾いに行こうとして、その場にいた人間達全員を冷や汗まみれにしたという実験逸話もある。
で、この狸ロボットも誘き寄せられた。
チュドォォンと爆発して、狸ロボットはひっくり返ってしまった。
このロボットの足は、戦車やブルドーザーみたいなキャタピラー。
それがひっくり返ったのだから、起き上がれない。
シンディ:「さ、観念した?助けて欲しかったら、更に下に行く方法を教えてちょうだい」
狸:「…………」
シンディ:「ん?なぁに?」
狸:「自爆・5秒前」
シンディ:「は!?」
シンディは急いで部屋から飛び出して、ドアを閉めた。
その直後、大爆発を起こす倉庫。
シンディ:「とんでもないヤツだったわ」
改めてもう1度倉庫に入ると、人間ならその焦げ臭さに顔をしかめただろうが、ロイドは臭いまで分からない。
入ってみると、あれだけの大爆発なのにも関わらず、天井が崩れたりはしていなかった。
ただその代わり、一部の壁は崩れていて……。
シンディ:「あっ、何かボタンがある」
何かの装置が隠されていた。
シンディはそのボタンを押してみたが、少なくともここでは何が起きたのか分からなかった。
シンディ:「どこか別の所で何かが起きたのかしら?」
取りあえず、坑道は更に先まで続いている。
再び倉庫を出て先に進むことにした。