[9月1日14:45.天候:晴 宮城県仙台市泉区 佐久間家]
シンディ:「しゃあない。私はザコ掃討に集中するか」
シンディは佐久間家の敷地内の地面という地面から現れたバージョン4.0の集団のうち、1機にライフルの照準を合わせた。
シンディ:「あっ、ヤバッ!弾が無くなってた」
シンディは1度銃を引っ込めると、腰のベルトに括り付けた弾薬ケースの中からライフル弾を取り出した。
シンディの持つ銃の全てがオートではない為、リロードは手動で行う。
ガチャッ!と弾を込め、再び照準をテロロボットの頭部に向ける。
シンディのカスタムしたライフルであれば、頑丈なテロロボットの頭部も撃ち抜くことは可能で、当然その中に詰められている人工知能など1発でオシャカである。
右目がズームやアウトでき、それがまるで本物のライフルのスコープのように見える。
だが、
敷島:「やめろ、シンディ!撃つな!」
敷島から無線通信が入った。
シンディは慌てて銃を引っ込めた。
シンディ:「は!?何で!?」
敷島:「家中に灯油が撒かれてやがる!お前の銃が着弾でもしようものなら、火が点いてお前は放火ロイドだ」
シンディ:「げ……!」
ズダーン!ズダーン!ズダーン!
シンディ:「……って、姉さん!?」
ところがエミリーは、平気でショットガンを撃ち込んでいた。
それで頭部が破壊され、機能を停止するバージョン4.0。
エミリー:「敷島・社長!ジャニスの・狙いは・家を・燃やすこと・です!私が・命令するなら・こいつらを……!」
ジャニス:「ご名答。……自爆しろ!!」
ジャニスは生き残っているバージョン4.0達に自爆命令を下した。
シンディ:「社長!危ない!!」
シンディは慌ててマンションの屋上から飛び降りた。
マンションは4階建てだったが、シンディであればその屋上から飛び降りても平気だ。
だが、シンディがマンションの屋上から飛び降りて、数歩走った時には爆発音が住宅街に響いたのである。
シンディ:「社長!!」
ジャニス:「あーっはっはっはっはっはっはっ!おさらばー!!」
ジャニスは超小型ジェットエンジンを搭載しており、それで上空へ離陸した。
だが!
シンディ:「逃がしゃしないよ!!」
今のエミリーとシンディは、超小型ジェットエンジンを搭載していない。
使う機会が少なく、その割には軽量化の妨げになることや、メンテ代が掛かるという理由で取り外されている。
で、代わりに装着しているのがブースター。
空こそ飛べないものの、ジェットエンジンと比べれば軽量でメンテ代も安く済むという理由だ。
足だけゴツいロボットみたいになっていたのが、これならパッと見、普通のブーツをはいているように見えるし、着脱も簡単だというメリットもある。
そのシンディ、今まさに離陸しようとしているジャニスに対し、助走を付けてパトカーや家の塀、そして屋根を伝って、一気に高くジャンプした。
それはまるで、飛び立とうとしている大きな鳥に対し、大ジャンプで捕食せんとするヒョウのようであった。
ジャニス:「なっ?!」
シンディはジャニスの片足を掴むことに成功した。
シンディ:「これ以上、アンタ達の好き勝手にはさせないよ!」
ジャニス:「放せ!この旧型のポンコツ!!」
シンディ:「新型の癖に役立たずのヤツがナマ言ってんじゃないよっ!!」
ジャニス:「役立たず……だぁ?」
ジャニスを監視している端末があったとしたら、そのモニタにはこのような表示が出ただろう。
『Janis is Limit Break.』
と。
ジャニス:「!!!!!!!!!」
ジャニスは奇声のような、言葉にならない叫びを上げながらシンディを抱えて、地面に急降下した。
だが、シンディのジャニスを掴んでいる手は左手。
ジャニス:「うぎゃああああああっ!!」
シンディ:「自分のでも結構効くわ……!」
シンディは左手から高圧電流を放った。
それにまんまと感電させられるジャニス。
失速した彼女を待ち受けていたのは、エミリーの左手から放たれた有線ロケットパンチだった。
エミリー:「シンディ、ご苦労。あとは・私に・任せて」
といっても、エミリーがやったことはジャニスを拳1つで伸しただけだったが。
白兵戦、肉弾戦などの近接攻撃を得意とするエミリーには、新型機もかなわなかった。
最後にはエミリーにチョークスリーパーを食らった上、頭と胴体を引きちぎられて完全に破壊されたのである。
敷島:「よーし!よくやった、2人とも!」
シンディ:「社長!無事だったの!?」
敷島:「俺はすぐパトカーの影に隠れたし、平賀先生はエミリーが護ってくれた」
シンディ:「さすがだね。1番の役立たずは私だったわ」
敷島:「いやいや。ジャニスを捕まえる活躍をしたんだから、大したもんだ。で、サツが来る前にメモリー脱いとこ」
これが敷島の場合、生首と化したジャニスの髪の毛を掴んで、頭部を地面に叩き付けるもんだから、何ともまぁ……。
そのせいで左目が外れて顔から出てしまったところなど、もはやスプラッターである。
敷島:「よし。メモリーチップ回収、さっさと帰ろう」
シンディ:「社長w」
既に辺りには、消防車や応援のパトカーなどのサイレンの音が響き渡っていた。
エミリー:「敷島・社長。プロフェッサー平賀を・お忘れです」
敷島:「おっと、そうだった!」
敷島達、火災現場に戻る。
平賀:「敷島さん!ジャニスは!?」
敷島:「こいつらが倒してくれましたよ。実に優秀なロイドを手に入れたものです」
平賀:「それは敷島さんが『アンドロイドマスター』だからですよ。彼女達にだって、それを使いこなせる人間が必要です」
敷島:「アルバート所長や専務からは、その程度かと言われましたけどね。どうも、私にはまだ何かが足りないようです」
平賀:「何も、あんな犯罪者達の言う事を真に受ける必要は無いと思いますがね」
敷島:「で、平賀先生は何をなさっていたんです?」
平賀:「これですよ、これ」
平賀が回収したのは、とある機械の残骸。
とはいえ、バージョン達の残骸ではない。
シンディ:「なーに、これ?」
平賀:「お前達は触るな!!」
シンディ:「ええっ!?」
平賀:「ウィルス検知に引っ掛かったんですよ。アルエットが感染したのと同じ反応でした」
敷島:「何ですって!?」
平賀:「恐らく、これがジャニスが証拠隠滅しようとしたものだと思われます。バージョン達の自爆や火災が発生しても、完全に壊れないほど頑丈なシロモノですよ」
敷島:「はー……」
平賀:「とにかく、これを持ち返って分析しようと思います」
敷島:「分かりました。車が……しっかりと全焼してるんで、タクシー呼びますね」
平賀:「くそ……!また車買い替えか。これ、保険降りるかなぁ……」
と言いつつ、佐久間家から回収した残骸を工具箱の中に保管する平賀だった。
シンディ:「しゃあない。私はザコ掃討に集中するか」
シンディは佐久間家の敷地内の地面という地面から現れたバージョン4.0の集団のうち、1機にライフルの照準を合わせた。
シンディ:「あっ、ヤバッ!弾が無くなってた」
シンディは1度銃を引っ込めると、腰のベルトに括り付けた弾薬ケースの中からライフル弾を取り出した。
シンディの持つ銃の全てがオートではない為、リロードは手動で行う。
ガチャッ!と弾を込め、再び照準をテロロボットの頭部に向ける。
シンディのカスタムしたライフルであれば、頑丈なテロロボットの頭部も撃ち抜くことは可能で、当然その中に詰められている人工知能など1発でオシャカである。
右目がズームやアウトでき、それがまるで本物のライフルのスコープのように見える。
だが、
敷島:「やめろ、シンディ!撃つな!」
敷島から無線通信が入った。
シンディは慌てて銃を引っ込めた。
シンディ:「は!?何で!?」
敷島:「家中に灯油が撒かれてやがる!お前の銃が着弾でもしようものなら、火が点いてお前は放火ロイドだ」
シンディ:「げ……!」
ズダーン!ズダーン!ズダーン!
シンディ:「……って、姉さん!?」
ところがエミリーは、平気でショットガンを撃ち込んでいた。
それで頭部が破壊され、機能を停止するバージョン4.0。
エミリー:「敷島・社長!ジャニスの・狙いは・家を・燃やすこと・です!私が・命令するなら・こいつらを……!」
ジャニス:「ご名答。……自爆しろ!!」
ジャニスは生き残っているバージョン4.0達に自爆命令を下した。
シンディ:「社長!危ない!!」
シンディは慌ててマンションの屋上から飛び降りた。
マンションは4階建てだったが、シンディであればその屋上から飛び降りても平気だ。
だが、シンディがマンションの屋上から飛び降りて、数歩走った時には爆発音が住宅街に響いたのである。
シンディ:「社長!!」
ジャニス:「あーっはっはっはっはっはっはっ!おさらばー!!」
ジャニスは超小型ジェットエンジンを搭載しており、それで上空へ離陸した。
だが!
シンディ:「逃がしゃしないよ!!」
今のエミリーとシンディは、超小型ジェットエンジンを搭載していない。
使う機会が少なく、その割には軽量化の妨げになることや、メンテ代が掛かるという理由で取り外されている。
で、代わりに装着しているのがブースター。
空こそ飛べないものの、ジェットエンジンと比べれば軽量でメンテ代も安く済むという理由だ。
足だけゴツいロボットみたいになっていたのが、これならパッと見、普通のブーツをはいているように見えるし、着脱も簡単だというメリットもある。
そのシンディ、今まさに離陸しようとしているジャニスに対し、助走を付けてパトカーや家の塀、そして屋根を伝って、一気に高くジャンプした。
それはまるで、飛び立とうとしている大きな鳥に対し、大ジャンプで捕食せんとするヒョウのようであった。
ジャニス:「なっ?!」
シンディはジャニスの片足を掴むことに成功した。
シンディ:「これ以上、アンタ達の好き勝手にはさせないよ!」
ジャニス:「放せ!この旧型のポンコツ!!」
シンディ:「新型の癖に役立たずのヤツがナマ言ってんじゃないよっ!!」
ジャニス:「役立たず……だぁ?」
ジャニスを監視している端末があったとしたら、そのモニタにはこのような表示が出ただろう。
『Janis is Limit Break.』
と。
ジャニス:「!!!!!!!!!」
ジャニスは奇声のような、言葉にならない叫びを上げながらシンディを抱えて、地面に急降下した。
だが、シンディのジャニスを掴んでいる手は左手。
ジャニス:「うぎゃああああああっ!!」
シンディ:「自分のでも結構効くわ……!」
シンディは左手から高圧電流を放った。
それにまんまと感電させられるジャニス。
失速した彼女を待ち受けていたのは、エミリーの左手から放たれた有線ロケットパンチだった。
エミリー:「シンディ、ご苦労。あとは・私に・任せて」
といっても、エミリーがやったことはジャニスを拳1つで伸しただけだったが。
白兵戦、肉弾戦などの近接攻撃を得意とするエミリーには、新型機もかなわなかった。
最後にはエミリーにチョークスリーパーを食らった上、頭と胴体を引きちぎられて完全に破壊されたのである。
敷島:「よーし!よくやった、2人とも!」
シンディ:「社長!無事だったの!?」
敷島:「俺はすぐパトカーの影に隠れたし、平賀先生はエミリーが護ってくれた」
シンディ:「さすがだね。1番の役立たずは私だったわ」
敷島:「いやいや。ジャニスを捕まえる活躍をしたんだから、大したもんだ。で、サツが来る前にメモリー脱いとこ」
これが敷島の場合、生首と化したジャニスの髪の毛を掴んで、頭部を地面に叩き付けるもんだから、何ともまぁ……。
そのせいで左目が外れて顔から出てしまったところなど、もはやスプラッターである。
敷島:「よし。メモリーチップ回収、さっさと帰ろう」
シンディ:「社長w」
既に辺りには、消防車や応援のパトカーなどのサイレンの音が響き渡っていた。
エミリー:「敷島・社長。プロフェッサー平賀を・お忘れです」
敷島:「おっと、そうだった!」
敷島達、火災現場に戻る。
平賀:「敷島さん!ジャニスは!?」
敷島:「こいつらが倒してくれましたよ。実に優秀なロイドを手に入れたものです」
平賀:「それは敷島さんが『アンドロイドマスター』だからですよ。彼女達にだって、それを使いこなせる人間が必要です」
敷島:「アルバート所長や専務からは、その程度かと言われましたけどね。どうも、私にはまだ何かが足りないようです」
平賀:「何も、あんな犯罪者達の言う事を真に受ける必要は無いと思いますがね」
敷島:「で、平賀先生は何をなさっていたんです?」
平賀:「これですよ、これ」
平賀が回収したのは、とある機械の残骸。
とはいえ、バージョン達の残骸ではない。
シンディ:「なーに、これ?」
平賀:「お前達は触るな!!」
シンディ:「ええっ!?」
平賀:「ウィルス検知に引っ掛かったんですよ。アルエットが感染したのと同じ反応でした」
敷島:「何ですって!?」
平賀:「恐らく、これがジャニスが証拠隠滅しようとしたものだと思われます。バージョン達の自爆や火災が発生しても、完全に壊れないほど頑丈なシロモノですよ」
敷島:「はー……」
平賀:「とにかく、これを持ち返って分析しようと思います」
敷島:「分かりました。車が……しっかりと全焼してるんで、タクシー呼びますね」
平賀:「くそ……!また車買い替えか。これ、保険降りるかなぁ……」
と言いつつ、佐久間家から回収した残骸を工具箱の中に保管する平賀だった。