[4月12日12:30.天候:雨 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校1F・学食]
リサ:「昼休み!お昼の時間!」
斉藤絵恋:「行きましょ、リサさん!」
昼休みに学食へ繰り出すリサと絵恋。
リサ:「中学校はメニュー一択しか無かったけど、ここは色々とメニューがあっていい!」
絵恋:「中等部は給食だったもんね」
学食は食券方式で、しかも電子マネーオンリーである。
自動販売機も売店も全てキャッシュレス。
おかげで東京中央学園上野高校では、現金の盗難事件などが発生していないらしい。
絵恋:「A定食は白身魚フライ定食、B定食はハンバーグ定食か。『本日のカレー』はカツカレー。何か、太りそうなメニューばっかりね」
リサ:「何が?」
ピピッ♪(迷わずカツカレーと大盛り券を購入するリサ)
絵恋:「何でも無いですぅ!」
絵恋、白身魚フライ定食を購入する。
リサ:「おっ、あそこに栗原先輩がいる」
絵恋:「珍しいわね。あの人、お弁当派だって聞いたのに……」
リサ:「何で知ってる?」
絵恋:「女子空手部の隣の部室が女子剣道部で、剣道部の人達がそんな話をしてたのよ」
絵恋は結局、女子空手部に入部した。
しかし、新型コロナウィルスのせいで、まともな稽古ができないでいるという。
リサ:「栗原先輩、こんにちは」
栗原蓮華:「鬼の愛原リサと……えーと……」
絵恋:「リサさんの『永遠の彼女』、斉藤絵恋です!」
リサ:「誰が『永遠の彼女』だって?」(;一_一)
絵恋:「ええっ!?違うの!?」(;゚Д゚)
リサ:「違う違う」
栗原:「『永遠の獲物』……かな?」
リサ:「どっちかというと、それに近いです」
絵恋:「獲物でもいいから仲良くしてぇぇ……!」
蓮華:「ちょうどいい。私もあなたに話があった。一緒に食べよう」
リサ:「よろしくお願いします」
リサと絵恋は栗原の向かいに座った。
蓮華はハンバーグ定食を食べていた。
絵恋:「栗原先輩はハンバーグなんですね。先輩はお弁当派だって聞いたのに、今日は学食なんですか?」
蓮華:「ハンバーグが好きなもんでね。学食はメニューを見て、美味しそうなのがあったらそれにするの」
絵恋:「そうでしたか。でも、ハンバーグはお腹に溜まり過ぎて、もたれたりしません?」
蓮華:「私のクラス、今日の体育は午前中で終わりだし、部活も今日は軽いミーティングだけだからね」
絵恋:「そういえば、空手部も今日はミーティングだけです。何でも、武道館が急に設備点検に入るとか……」
蓮華:「武道館は旧・体育館を改築したものだから、古いのよ。この前なんかも、電気設備に異常があって停電したでしょ」
絵恋:「そうですねぇ……」
2人の武闘派女子が話している間、リサはパクパクと大盛りカツカレーを食べていた。
蓮華:「ああ、そうそう。それで本題に入るけどね。BSAAは知ってるでしょ?国連直轄の対バイオテロ組織」
リサ:「もちろん知ってる。……知ってます」
蓮華:「うちの親戚の兄、つまり従兄だけど、今年からBSAAに入隊したから」
リサ:「そんな気軽に入れるものなの?」
さすがのリサも目を丸くした。
蓮華:「元々従兄は陸上自衛官でね。昨年度、自衛隊を除隊したんだけど、BSAAに引き抜かれたんだよ」
リサ:「ということは、先輩のお兄さんは相当な手練れ」
蓮華:「私なんかよりも強いよ。たまに帰省した時に手合わせするんだけど、まだまだ全然勝てない」
絵恋:「気合でもって木刀で物を斬れる技を繰り出せる先輩が、ですか?」
蓮華:「そう。一度も勝ったことがない。だからこそ、BSAAに必要とされたんだろうね」
リサ:「なるほど。先輩より強い人……」
リサはそのBSAA隊員と自分が戦う所を想像した。
リサ:「私は大人しくしておこう」
蓮華:「その方がいいよ。それと……あなたのことは黙ってておくから」
リサ:「?」
蓮華:「うちの家系、『退魔士』といって、代々神道の力でもって妖怪退治していた家柄だから」
絵恋:「いきなりマンガやアニメの世界になりましたね」
蓮華:「何代か前からは宗旨替えして、今は法華経の力だけどね。『法華の剣(つるぎ)』とかね。……で、あなたは鬼でしょう?」
リサ:「正確には、たまたま鬼のような姿に変化するBOWです」
蓮華:「退魔士の家系はいくつかあるんだけど、特にうちの栗原家は鬼退治に特化していたから、あなたのことがバレたら、きっと退治しに来ると思うから」
リサ:「……私は一度も人を食べてないけど?」
蓮華:「正確には、『血と肉は』でしょ。あなたのバックにいる政府関係者は、そこまでならセーフとしているみたいだけど、うち的にはそれでもアウトだから。江戸時代には、『捕らえし人間の男を肥え太らせて、其の脂を絞り出しては啜りし山姥。これを退治せる也』ということもしていたみたいだよ。うちの蔵の中から見つかった」
リサ:「脂汗を啜っているだけで殺したの?何かヒドい」
蓮華:「人間も妖怪も欲深いからね。その時は『脂を啜る』だけで満足していた山姥も、そのうち血を啜り出したり、ついには人肉を食らうようになっていたかもしれない。そうなってからでは遅いというのが、うちの考え方だから」
絵恋:「それでリサさんも殺そうとしたの?今も?」
蓮華:「私はもういいと思っている。今のあなたは自制できてるみたいだし、そもそも政府関係者がバックに付いてる。そして何より、兄弟の敵討ちを手伝ってくれたしね」
絵恋:「じゃあ……」
しかし、蓮華は溜め息をついた。
蓮華:「うちの親戚達は血の気が多くて、きっとあなたを見つけたら、『ヒャッハーッ!令和の鬼退治だァ!』って、喜んで真剣を振りかざしてくるでしょうね」
絵恋:「何それ!?バイオテロ組織より危険じゃない!」
リサ:「私としても暴れる理由になれると思うけど、いくら襲われても、殺しちゃいけないって強く言われてるしなァ……」
蓮華:「いや、まあ、そりゃそうだね。幸いあなたは上手く人間に化けれる力を持ってるから、それで誤魔化せると思う」
絵恋:「リサさん。取りあえず、本所吾妻橋近辺は危険地帯ってことで」
リサ:「おー」
栗原家があるのは本所吾妻橋である。
リサ:「昼休み!お昼の時間!」
斉藤絵恋:「行きましょ、リサさん!」
昼休みに学食へ繰り出すリサと絵恋。
リサ:「中学校はメニュー一択しか無かったけど、ここは色々とメニューがあっていい!」
絵恋:「中等部は給食だったもんね」
学食は食券方式で、しかも電子マネーオンリーである。
自動販売機も売店も全てキャッシュレス。
おかげで東京中央学園上野高校では、現金の盗難事件などが発生していないらしい。
絵恋:「A定食は白身魚フライ定食、B定食はハンバーグ定食か。『本日のカレー』はカツカレー。何か、太りそうなメニューばっかりね」
リサ:「何が?」
ピピッ♪(迷わずカツカレーと大盛り券を購入するリサ)
絵恋:「何でも無いですぅ!」
絵恋、白身魚フライ定食を購入する。
リサ:「おっ、あそこに栗原先輩がいる」
絵恋:「珍しいわね。あの人、お弁当派だって聞いたのに……」
リサ:「何で知ってる?」
絵恋:「女子空手部の隣の部室が女子剣道部で、剣道部の人達がそんな話をしてたのよ」
絵恋は結局、女子空手部に入部した。
しかし、新型コロナウィルスのせいで、まともな稽古ができないでいるという。
リサ:「栗原先輩、こんにちは」
栗原蓮華:「鬼の愛原リサと……えーと……」
絵恋:「リサさんの『永遠の彼女』、斉藤絵恋です!」
リサ:「誰が『永遠の彼女』だって?」(;一_一)
絵恋:「ええっ!?違うの!?」(;゚Д゚)
リサ:「違う違う」
栗原:「『永遠の獲物』……かな?」
リサ:「どっちかというと、それに近いです」
絵恋:「獲物でもいいから仲良くしてぇぇ……!」
蓮華:「ちょうどいい。私もあなたに話があった。一緒に食べよう」
リサ:「よろしくお願いします」
リサと絵恋は栗原の向かいに座った。
蓮華はハンバーグ定食を食べていた。
絵恋:「栗原先輩はハンバーグなんですね。先輩はお弁当派だって聞いたのに、今日は学食なんですか?」
蓮華:「ハンバーグが好きなもんでね。学食はメニューを見て、美味しそうなのがあったらそれにするの」
絵恋:「そうでしたか。でも、ハンバーグはお腹に溜まり過ぎて、もたれたりしません?」
蓮華:「私のクラス、今日の体育は午前中で終わりだし、部活も今日は軽いミーティングだけだからね」
絵恋:「そういえば、空手部も今日はミーティングだけです。何でも、武道館が急に設備点検に入るとか……」
蓮華:「武道館は旧・体育館を改築したものだから、古いのよ。この前なんかも、電気設備に異常があって停電したでしょ」
絵恋:「そうですねぇ……」
2人の武闘派女子が話している間、リサはパクパクと大盛りカツカレーを食べていた。
蓮華:「ああ、そうそう。それで本題に入るけどね。BSAAは知ってるでしょ?国連直轄の対バイオテロ組織」
リサ:「もちろん知ってる。……知ってます」
蓮華:「うちの親戚の兄、つまり従兄だけど、今年からBSAAに入隊したから」
リサ:「そんな気軽に入れるものなの?」
さすがのリサも目を丸くした。
蓮華:「元々従兄は陸上自衛官でね。昨年度、自衛隊を除隊したんだけど、BSAAに引き抜かれたんだよ」
リサ:「ということは、先輩のお兄さんは相当な手練れ」
蓮華:「私なんかよりも強いよ。たまに帰省した時に手合わせするんだけど、まだまだ全然勝てない」
絵恋:「気合でもって木刀で物を斬れる技を繰り出せる先輩が、ですか?」
蓮華:「そう。一度も勝ったことがない。だからこそ、BSAAに必要とされたんだろうね」
リサ:「なるほど。先輩より強い人……」
リサはそのBSAA隊員と自分が戦う所を想像した。
リサ:「私は大人しくしておこう」
蓮華:「その方がいいよ。それと……あなたのことは黙ってておくから」
リサ:「?」
蓮華:「うちの家系、『退魔士』といって、代々神道の力でもって妖怪退治していた家柄だから」
絵恋:「いきなりマンガやアニメの世界になりましたね」
蓮華:「何代か前からは宗旨替えして、今は法華経の力だけどね。『法華の剣(つるぎ)』とかね。……で、あなたは鬼でしょう?」
リサ:「正確には、たまたま鬼のような姿に変化するBOWです」
蓮華:「退魔士の家系はいくつかあるんだけど、特にうちの栗原家は鬼退治に特化していたから、あなたのことがバレたら、きっと退治しに来ると思うから」
リサ:「……私は一度も人を食べてないけど?」
蓮華:「正確には、『血と肉は』でしょ。あなたのバックにいる政府関係者は、そこまでならセーフとしているみたいだけど、うち的にはそれでもアウトだから。江戸時代には、『捕らえし人間の男を肥え太らせて、其の脂を絞り出しては啜りし山姥。これを退治せる也』ということもしていたみたいだよ。うちの蔵の中から見つかった」
リサ:「脂汗を啜っているだけで殺したの?何かヒドい」
蓮華:「人間も妖怪も欲深いからね。その時は『脂を啜る』だけで満足していた山姥も、そのうち血を啜り出したり、ついには人肉を食らうようになっていたかもしれない。そうなってからでは遅いというのが、うちの考え方だから」
絵恋:「それでリサさんも殺そうとしたの?今も?」
蓮華:「私はもういいと思っている。今のあなたは自制できてるみたいだし、そもそも政府関係者がバックに付いてる。そして何より、兄弟の敵討ちを手伝ってくれたしね」
絵恋:「じゃあ……」
しかし、蓮華は溜め息をついた。
蓮華:「うちの親戚達は血の気が多くて、きっとあなたを見つけたら、『ヒャッハーッ!令和の鬼退治だァ!』って、喜んで真剣を振りかざしてくるでしょうね」
絵恋:「何それ!?バイオテロ組織より危険じゃない!」
リサ:「私としても暴れる理由になれると思うけど、いくら襲われても、殺しちゃいけないって強く言われてるしなァ……」
蓮華:「いや、まあ、そりゃそうだね。幸いあなたは上手く人間に化けれる力を持ってるから、それで誤魔化せると思う」
絵恋:「リサさん。取りあえず、本所吾妻橋近辺は危険地帯ってことで」
リサ:「おー」
栗原家があるのは本所吾妻橋である。