報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「珍道中!東北新幹線“なすの”号の旅!」

2021-05-30 21:01:04 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[5月1日13:36.天候:曇 埼玉県さいたま市大宮区 JR東北新幹線259B列車8号車内]

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、大宮です。上越新幹線、北陸新幹線、高崎線、埼京線、川越線、京浜東北線、東武アーバンパークラインとニューシャトルはお乗り換えです。お降りの際はお忘れ物の無いよう、お支度ください。大宮の次は、小山に止まります〕

 東京~大宮間は徐行運転区間である。
 これは東北新幹線建設時、埼京線沿線の住民達が騒音問題に繋がるとして反対運動を起こした為だ。
 政府や旧国鉄はこの区間を徐行運転すること、開業に協力してくれることへの見返りに通勤新線(埼京線)を開業させることを約束した。
 パヨクざまぁw
 ところが、旧国鉄もタダでは済ませなかった。
 明らかに『反対しやがってこの野郎』という仕返しだろう。
 埼京線開通当時には既にデビューしていた新型の205系はあえて投入せずに、旧型の103系電車を投入した。
 この2つの電車に乗ったことのある方なら、もうお分かりだろう。
 開通反対していた東北新幹線を走行する200系電車の方が静かで、見返り開通の103系の方がうるさかったのである。
 因みに205系も205系で、それなりにうるさかったとは思うが。
 何せ……静かな電車の209系が首都圏内に出回っても、いつまでも埼京線には投入されず、ようやく静かなE233系が投入された時には、既に東日本大震災の後であった。
 旧国鉄の恨みはJRになってからも続いたのである。
 ……という歴史を、今の戸田市民や旧・浦和市民は知っているのだろうか。
 で、そのせいで時速110キロ以下での走行を余儀無くされていた東北新幹線だが、3月13日のダイヤ改正でもって、最高速度が時速130キロに引き上げられた。
 これはJR在来線の最高速度である。
 200系と比べても、今のシンカリオンE5系などは音が静かだからだ。

 リサ:「見て、サイトー。この辺り、サイトーんち」
 絵恋:「そうねぇ。何だか帰って来た気がするわ」
 リサ:「サイトーだけ降りる?」
 絵恋:「降りないよ!私はリサさんと一緒に降りる!」
 リサ:「じゃあ、私が降りる」
 絵恋:「えぇえ!?」
 リサ:「冗談」
 愛原:「仲いいね」
 高橋:「うるさいだけっス」

 列車は見覚えのある風景を走行すると、大宮駅のホームに滑り込む。

 愛原:「どうだ?修学旅行気分になれるか?」
 リサ:「ん!こんな感じなんだ」
 絵恋:「本当の修学旅行は関西地方に行ったり、飛行機で海外に行ったりするのよ」
 リサ:「そうかぁ……」
 絵恋:「どうしたの?リサさんなら、『是非行きたい!』とか言うと思ったのに……」
 リサ:「いや、作者が取材に行けるかどうかでそれ決まると思うから……」

 雲羽:「ブバッ!」
 多摩:「ザッツ・ライト!」

 絵恋:「い、いきなり何を言ってるの?」

 リサが何か言ってる。
 大宮駅での停車時間は1分。
 大宮駅で唯一の発車ベルを鳴らし、列車はすぐに発車した。
 そして、今までの徐行運転がウソのようにグングンと速度を上げる。
 如何に東北新幹線では各駅停車の鈍行であっても、駅間距離が長い所では最高時速275キロで走行する。

 愛原:「ちょっと、トイレ行って来る。ついでに空き缶とか捨てて来るよ」
 高橋:「あ、俺が行ってきますよ」
 愛原:「いいよいいよ。トイレのついでだから」
 高橋:「お供します!」
 愛原:「だから、いいって」
 リサ:「私も行く!」
 絵恋:「リサさんが行くなら私も!」
 高橋:「先生の弟子は俺だけですよ!?」
 愛原:「あー、もうっ!うるせっ!まずは俺とリサで行く!お前らは俺らが戻って来るまで待ってろ!」
 高橋:「ええ~っ!?」
 絵恋:「そんなぁ~!」
 愛原:「さ、リサ、行こう」
 リサ:「うん」

 私はリサを連れ出した。

 リサ:「サイトーがベタベタしてくるから、なかなかトイレに行けなくて……」
 愛原:「そうだよな。また変にトイレを我慢して、変な変異体を排出されても困る」
 リサ:「うん、そうだね」

 私はビール飲用後による小用。
 なので、私は男子用の個室に入れば良い。
 一方、リサは洋式便器のある個室へ。
 E5系には女性用トイレがある。
 リサはそこへ入った。

 愛原:「ふう……」

 ところで、男性読者の中で、新幹線の男性用トイレを使用したことのある人は多いと思う。
 見た目には普通の便器なのだが、これ、陶器製じゃないって知ってた?
 コンコンと叩いてみると分かるのだが、まるでプラスチックのそれを叩いているかのような音と感触がある。
 ということは恐らく、洋式便器や洗面所のシンクも見た目には陶器製だが、実は違うのかもしれない。
 どうして違うのかは不明だが、鉄道車両ならではの制約があるのだろうな。

 愛原:「やはり、俺の方が早いか」

 因みに、どうして男性用個室だけ鍵が付いていないのかは今もって不明である。
 私は未だに女性用個室が使用中であるのを確認して、自分の席に戻った。

 愛原:「お待たせ。高橋、行っていいぞ」
 高橋:「うス」
 愛原:「絵恋さんも。リサはまだ使用中だが、男女共用の個室なら空いてるぞ?」
 リサ:「そんな、汚いオッサンが使ったかもしれないトイレを使いたいとは思いません」
 愛原:「リサが出てくるまで待つのか?」

 すると絵恋さん、自分の通学鞄の中から何かを取り出した。
 それはキーピック。
 “バイオハザードシリーズ”では、なかなか重宝するアイテムの1つ……って!

 愛原:「何に使うつもりかな?というか、どうしてJKがそんな犯罪臭のするアイテムを持っているのかなぁ?」
 リサ:「愛の為なら、多少の犯罪も許されるのです」
 愛原:「されないされない!」
 絵恋:「でも私達、少年法が守ってくれるんでしょう?」
 高橋:「ヤるんだったら、クソユルユルの少年法が守ってくれる今のうちだぞ?」
 絵恋:「そーよね!」
 愛原:「高橋君?いたいけな少女を悪の道に引っ張らないように!絵恋さんも、事実は事実だが、犯罪はしない方がいいんだよ!」
 絵恋:「うちには優秀な弁護士が付いてますけど?」
 愛原:「そういう問題じゃない!」
 リサ:「何してんの、みんな?」

 そうこうしているうちにリサが戻って来た。

 絵恋:「リサさん!?リサさんの排泄臭が残っている今のうちに、私が次使わせて頂くわッ!」

 絵恋さんは新幹線並みの超特急で7号車にトイレに向かった。

 高橋:「俺が勧誘しなくても、あいつは何らかの犯罪を無意識に起こしそうな気がしますが?」
 愛原:「う、うむ……。この旅行から帰ったら、斉藤社長に言っておくことにしよう」
コメント
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