[11月3日12時00分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校1階・保健室]
愛原「うーん……」
私は訳の分からぬ夢を見て目が覚めた。
愛原「うーん……」
地獄に堕ちて、鬼達に責められる夢。
その陣頭にリサがいた。
地獄の鬼よろしく、虎柄のビキニを着て……。
リサ「オマエみたいな邪淫は、衆合地獄だ!」
なんて……。
高橋「先生、大丈夫ですか!?」
どうやら高橋が近くにいたようだ。
私が目が覚めたと知って、駆け付けてきてくれたようだ。
愛原「高橋?ここは……病院か?」
高橋「いえ、学校の……東京中央学園の保健室です」
愛原「そうなんだ」
どうやら私が倒れた後で、誰かが保健室まで運んでくれたらしい。
高橋「一体、何があったんスか?俺が何度先生のスマホに連絡しても、全く返信無いんで、心配しましたよ」
愛原「ああ、悪かったな。えーと……」
私はスマホを探した。
ところが、心当たりを探しても、全く見つからない。
愛原「あれ?どこかで落としたかなぁ?」
高橋「ええっ!?」
愛原「確かここに来た時にはあったんだよ。リサと合流する時、LINEを確認したからね。すると、リサから電撃を食らって倒れた時に落としたのかもしれない」
高橋「電撃!?あいつ、先生が気絶するくらいの電撃をやりやがったんですか!?フザけた野郎だ!」
愛原「まあ、リサも気が立っていたんだろう。それに気づけなかった俺にも責任はある」
高橋「いや、でもですね……」
愛原「まあいいから。リサはどこにいる?」
高橋「新聞部の部室にいるそうですよ」
愛原「ああ、そうか。オマエ、『魔王軍』のツアーには参加したか?」
高橋「いいえ、それどころじゃなかったんで」
愛原「そうか……」
高橋「それに、ねーちゃんも一緒です」
愛原「え!?善場主任が!?」
高橋「はい。リサの出し物が気になるってんで、見に行ってますが……」
まさかとは思うが善場主任、イベントに参加してるのではあるまいな?
そう思っていると、ハンドガンの発砲音が聞こえてきた。
高橋「おわっ!?な、何だ!?」
愛原「やっぱり……」
私は溜め息をついた。
[同日12時15分 天候:晴 同学園・教育資料館(旧校舎)裏]
リサ「さっきのは演技ですよぉ!」
善場「そんなことだろうと思ったわ」
栗原蓮華「す、凄いですね……」
私と高橋は、銃声がした方へ向かった。
このツアーは旧校舎裏手の呪われた桜の木で終了するコースで、解散直前にリサが『暴走』する台本になっていたはずだ。
で、本来なら蓮華さんが模造刀の脇差で『倒す』パターンのはずだったが、善場主任が手持ちのハンドガンでリサに発砲したようである。
だが、リサの制服はそんなに汚れてはいなかった。
愛原「何かあったんですか!?」
リサ「先生!」
高橋「ねーちゃん、近所迷惑だぜ!」
善場「あら?BOWの暴走は超A級の非常事態です。緊急車両が緊急走行中、サイレンを鳴らすのと同義ですよ」
高橋「屁理屈過ぎるだろ!」
愛原「本当にリサに発砲したんですか?善場主任」
善場「しましたよ。空包ですけどね」
愛原「空包!?」
確かに私が参加の時は、私のハンドガンを他の参加者が撃ってリサを『倒す』ことになっている。
しかし実弾は危険過ぎるので、殺傷能力の無い空包を装填している。
これなら発砲音は本物っぽく聞こえても、リサに向けて撃つ分には実弾よりも危険性は低い。
流れ弾の危険は無いからだ。
空包でも被弾の仕方によっては命を落とす危険性もあるのだが、リサに当たる分には平気である。
善場「暴走のタイミングが良すぎるのと、何より……本当に暴走したら、アプリが自動起動するはずですからね」
善場主任は自分のスマホを取り出した。
BSAAが開発したアプリには、付近の危険なBOWが近くにいる場合、それを知らせる機能が付いている。
また、特定のBOWの情報を登録しておけば、それの暴走状態により、緊急アラームを鳴らして教えてくれる仕様にもなっている。
もちろん、リサも登録されていた。
善場「それが全く無かったので。イタズラする子には、お仕置きです」
リサ「ちぇーっ……」
愛原「それで思い出した!リサ、俺のスマホ知らないか?」
リサ「はい」
リサは何食わぬ顔して、私のスマホを制服のブレザーから取り出した。
愛原「オマエが持ってたんかい!」
リサ「だって、先生が落とすだもん。ああ、一応、電源は切っといたよ」
愛原「それで高橋からの連絡が、全く通じなかったわけか」
高橋「先生に電撃食らわせるとは、フザけやがって!」
リサ「先生が他の女見るからだよ」
善場「それにしても、意識不明にして保健室送りはやり過ぎです」
蓮華「善場さん、やっぱコイツ、首刎ねるべきですよ」
高橋「俺のマグナムも、2~3発追加でシクヨロ」
善場「そうですね……」
リサ「先生の『マグナム』なら欲しいかもw」
一同「こらぁーっ!!」
[同日12時45分 天候:晴 同高校1階・3年3組]
私達は昼食に、蓮華さんのクラスの出し物である鉄板焼きを食べることにした。
教室にホットプレートを持ち込み、それで焼きそばやお好み焼きを作っている。
因みにお好み焼きは、関西風のものだった。
蓮華「さぁさぁ、先生方は座って待っててください!私が焼きそばとお好み焼きのセットをお作りします!」
愛原「よろしく頼むよ」
このクラスの女子生徒も可愛い子が多いと思っていたら、どうも面食いが多いらしく……。
女子生徒A「あの、良かったら、LINEの交換をしてもらえませんか?」
女子生徒B「歌舞伎町のホストの方ですか?」
女子生徒C「彼女はいますか?」
高橋がほぼ独占してしまっていた。
高橋「先生、助けてください!リサ、こいつら追い出してくれよ!」
リサ「ムリ!3年生には手が出せない」
『魔王軍』には3年生がいない為。
実はリサ、3年生にも手を出そうとしたのだが、蓮華さんに成敗されかかり、豪快に断念したという経緯がある。
愛原「あーあ、ハーレム羨まし」
リサはリサで、女子生徒達が高橋の方に行くおかげで、私がそちらの方に目を向けられなくて助かっているようだ。
リサ「凄い!鬼斬りセンパイ、本当に屋台の人みたい!」
愛原「うーむ……。手慣れたもんだ」
蓮華「隅田川花火大会の時、うちでも屋台を出すんで、よく手伝わされたもので」
愛原「なるほど、そういうことか」
ということは、その屋台は焼きそばとかお好み焼きなどを出しているのだろう。
コロナ禍で中止になったりしてはいたが、それでも腕は鈍っていないというわけだ。
愛原「うーん……」
私は訳の分からぬ夢を見て目が覚めた。
愛原「うーん……」
地獄に堕ちて、鬼達に責められる夢。
その陣頭にリサがいた。
地獄の鬼よろしく、虎柄のビキニを着て……。
リサ「オマエみたいな邪淫は、衆合地獄だ!」
なんて……。
高橋「先生、大丈夫ですか!?」
どうやら高橋が近くにいたようだ。
私が目が覚めたと知って、駆け付けてきてくれたようだ。
愛原「高橋?ここは……病院か?」
高橋「いえ、学校の……東京中央学園の保健室です」
愛原「そうなんだ」
どうやら私が倒れた後で、誰かが保健室まで運んでくれたらしい。
高橋「一体、何があったんスか?俺が何度先生のスマホに連絡しても、全く返信無いんで、心配しましたよ」
愛原「ああ、悪かったな。えーと……」
私はスマホを探した。
ところが、心当たりを探しても、全く見つからない。
愛原「あれ?どこかで落としたかなぁ?」
高橋「ええっ!?」
愛原「確かここに来た時にはあったんだよ。リサと合流する時、LINEを確認したからね。すると、リサから電撃を食らって倒れた時に落としたのかもしれない」
高橋「電撃!?あいつ、先生が気絶するくらいの電撃をやりやがったんですか!?フザけた野郎だ!」
愛原「まあ、リサも気が立っていたんだろう。それに気づけなかった俺にも責任はある」
高橋「いや、でもですね……」
愛原「まあいいから。リサはどこにいる?」
高橋「新聞部の部室にいるそうですよ」
愛原「ああ、そうか。オマエ、『魔王軍』のツアーには参加したか?」
高橋「いいえ、それどころじゃなかったんで」
愛原「そうか……」
高橋「それに、ねーちゃんも一緒です」
愛原「え!?善場主任が!?」
高橋「はい。リサの出し物が気になるってんで、見に行ってますが……」
まさかとは思うが善場主任、イベントに参加してるのではあるまいな?
そう思っていると、ハンドガンの発砲音が聞こえてきた。
高橋「おわっ!?な、何だ!?」
愛原「やっぱり……」
私は溜め息をついた。
[同日12時15分 天候:晴 同学園・教育資料館(旧校舎)裏]
リサ「さっきのは演技ですよぉ!」
善場「そんなことだろうと思ったわ」
栗原蓮華「す、凄いですね……」
私と高橋は、銃声がした方へ向かった。
このツアーは旧校舎裏手の呪われた桜の木で終了するコースで、解散直前にリサが『暴走』する台本になっていたはずだ。
で、本来なら蓮華さんが模造刀の脇差で『倒す』パターンのはずだったが、善場主任が手持ちのハンドガンでリサに発砲したようである。
だが、リサの制服はそんなに汚れてはいなかった。
愛原「何かあったんですか!?」
リサ「先生!」
高橋「ねーちゃん、近所迷惑だぜ!」
善場「あら?BOWの暴走は超A級の非常事態です。緊急車両が緊急走行中、サイレンを鳴らすのと同義ですよ」
高橋「屁理屈過ぎるだろ!」
愛原「本当にリサに発砲したんですか?善場主任」
善場「しましたよ。空包ですけどね」
愛原「空包!?」
確かに私が参加の時は、私のハンドガンを他の参加者が撃ってリサを『倒す』ことになっている。
しかし実弾は危険過ぎるので、殺傷能力の無い空包を装填している。
これなら発砲音は本物っぽく聞こえても、リサに向けて撃つ分には実弾よりも危険性は低い。
流れ弾の危険は無いからだ。
空包でも被弾の仕方によっては命を落とす危険性もあるのだが、リサに当たる分には平気である。
善場「暴走のタイミングが良すぎるのと、何より……本当に暴走したら、アプリが自動起動するはずですからね」
善場主任は自分のスマホを取り出した。
BSAAが開発したアプリには、付近の危険なBOWが近くにいる場合、それを知らせる機能が付いている。
また、特定のBOWの情報を登録しておけば、それの暴走状態により、緊急アラームを鳴らして教えてくれる仕様にもなっている。
もちろん、リサも登録されていた。
善場「それが全く無かったので。イタズラする子には、お仕置きです」
リサ「ちぇーっ……」
愛原「それで思い出した!リサ、俺のスマホ知らないか?」
リサ「はい」
リサは何食わぬ顔して、私のスマホを制服のブレザーから取り出した。
愛原「オマエが持ってたんかい!」
リサ「だって、先生が落とすだもん。ああ、一応、電源は切っといたよ」
愛原「それで高橋からの連絡が、全く通じなかったわけか」
高橋「先生に電撃食らわせるとは、フザけやがって!」
リサ「先生が他の女見るからだよ」
善場「それにしても、意識不明にして保健室送りはやり過ぎです」
蓮華「善場さん、やっぱコイツ、首刎ねるべきですよ」
高橋「俺のマグナムも、2~3発追加でシクヨロ」
善場「そうですね……」
リサ「先生の『マグナム』なら欲しいかもw」
一同「こらぁーっ!!」
[同日12時45分 天候:晴 同高校1階・3年3組]
私達は昼食に、蓮華さんのクラスの出し物である鉄板焼きを食べることにした。
教室にホットプレートを持ち込み、それで焼きそばやお好み焼きを作っている。
因みにお好み焼きは、関西風のものだった。
蓮華「さぁさぁ、先生方は座って待っててください!私が焼きそばとお好み焼きのセットをお作りします!」
愛原「よろしく頼むよ」
このクラスの女子生徒も可愛い子が多いと思っていたら、どうも面食いが多いらしく……。
女子生徒A「あの、良かったら、LINEの交換をしてもらえませんか?」
女子生徒B「歌舞伎町のホストの方ですか?」
女子生徒C「彼女はいますか?」
高橋がほぼ独占してしまっていた。
高橋「先生、助けてください!リサ、こいつら追い出してくれよ!」
リサ「ムリ!3年生には手が出せない」
『魔王軍』には3年生がいない為。
実はリサ、3年生にも手を出そうとしたのだが、蓮華さんに成敗されかかり、豪快に断念したという経緯がある。
愛原「あーあ、ハーレム羨まし」
リサはリサで、女子生徒達が高橋の方に行くおかげで、私がそちらの方に目を向けられなくて助かっているようだ。
リサ「凄い!鬼斬りセンパイ、本当に屋台の人みたい!」
愛原「うーむ……。手慣れたもんだ」
蓮華「隅田川花火大会の時、うちでも屋台を出すんで、よく手伝わされたもので」
愛原「なるほど、そういうことか」
ということは、その屋台は焼きそばとかお好み焼きなどを出しているのだろう。
コロナ禍で中止になったりしてはいたが、それでも腕は鈍っていないというわけだ。