[10月27日12時59分 天候:曇 東京都港区新橋 JR新橋駅→山手線1214G電車先頭車内]
話が終わる頃には、ちょうど昼食の時間になっていた。
そこで私達は昼食を取ってから、行動に移ることにした。
リサと高橋は、マンションに帰る。
あくまでもリサは病気療養中ということになっているので、事務所にいるのは不都合だ。
かといって、リサを1人でマンションに残してはいけないという取り決めがある。
だから高橋には、事務所ではなく、マンションでリサの見張りという名目で待機してもらうことになる。
一方、私は東京中央学園上野高校に向かうことにした。
意外なことに、私には善場主任が同行してくれることになった。
善場「私からも、学校側に説明しないといけませんので」
ということだった。
〔まもなく5番線に、東京、上野方面行きが参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください〕
〔まもなく6番線を、電車が通過します。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください。京浜東北線の快速電車は、当駅には停車致しません。山手線の電車を、ご利用ください〕
山手線と京浜東北線が同時に入線してくる。
山手線が減速しているのに対し、京浜東北線は減速する様子は無く、むしろ加速している。
〔しんばし~、新橋~。ご乗車、ありがとうございます〕
ホームドアが開いて、電車のドアも開く。
東海道本線の普通列車は停車するのに、京浜東北線の快速は通過するという不思議な駅である。
この辺、東京初心者は日暮里駅並みにトラップに引っ掛かりやすいという(地方在住の作者の友人が、乗り換えアプリで京浜東北線に乗り換えろとあった為、真昼間の日暮里駅、いつまでも各駅停車を待っていたらしい。LINEに気づいた作者が、山手線に乗れと指示した)。
愛原「リサのヤツ、不機嫌でしたね」
電車に乗り込み、座席に座りながら私は言った。
隣に座った善場主任が、微笑を浮かべて頷いた。
ホームからは、汎用の発車メロディが聞こえてくる。
善場「しょうがないです。今、リサを学校に連れて行くわけには参りませんから」
〔5番線の山手線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕
電車のドアと、ホームドアが閉まる。
新橋駅のホームは湾曲しているのでホームドアが設置できないと言われていたこともあったが、そんなことはなかった。
〔次は有楽町、有楽町。お出口は、左側です。地下鉄日比谷線と、地下鉄有楽町線はお乗り換えです〕
リサは善場主任がついていくのが気に入らなかったようだ。
もちろん、私も主任も仕事で一緒に行くだけであって、全く他意は無いのだが。
愛原「あいつ、家でおとなしくしているといいんですが……」
善場「本当にそうですねぇ……」
まあ、高橋がいるから、大丈夫だと思うが……。
[同日13時30分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]
学校に到着し、まず私達は購買部に行って、リサの新しい体操服を購入することにした。
愛原「採寸した後で良かったですね」
善場「業者が直接採寸したので、合っているはずです」
愛原「なるほど」
これも2着ずつ購入する。
すると、案外大きな荷物になった。
尚、ブルマ派のリサに対しては、短パンは1着だけで良いだろうと判断した。
この後で職員室に行き、リサの担任の坂上先生と面談する。
善場「……というわけでありまして、現在は自宅にて療養中ではありますが、来週には復帰できるものと見込んでおります」
どちらかというと、善場主任の方が熱心に説明していた。
因みに電撃のことについては、ロクに説明していない。
坂上先生もリサがBOWであることは知っているので、電撃のことについても話して良いのではないかと思ったが、それはしなかったようだ。
あくまでも体内のウィルスが暴走した為に、体に変化が起こったことで、専用の施設に緊急収容したこと。
現在はそれも沈静化し、今は元の姿に戻っていること。
まずは今週一杯、様子見をしておきたいという説明であった。
坂上「……なるほど。状況は理解できました。それでは……」
面談は小一時間ほどで終了した。
小島「あっ、愛原先生!」
淀橋「愛原先生!」
職員室を出て廊下を歩いていると、体操服姿の小島さんと淀橋さんと会った。
リサを『魔王』とする、『魔王軍』の『四天王』の2人である。
これから体育なのか、はたまた授業から戻ってきたのか、体操服にブルマ姿だった。
リサの意向で、『魔王軍』のメンバーは基本ブルマを穿くことになっている。
愛原「やあ、お久しぶり」
淀橋「魔王様は無事ですか?」
リサ「いつ、学校に戻れるんですか?」
愛原「今はもう退院しているよ。で、大事を取って、今週一杯は家で様子を見ることにして、何も無かったら、来週月曜日から復帰かなって思ってるよ」
小島「ほー……それは良かったー……」
淀橋「魔王様がいないと、纏まらないもんね」
愛原「そんなにリサには、カリスマがあるのかい?」
小島「リサさんの魔王様としての力は、絶大ですよ」
淀橋「『学校の七不思議』のほとんどは制覇してるもんね」
小島「うんうん」
愛原「そ、そうなのか」
善場「ちょっとリサには、事情を聴いて、説明させた方がいいかもしれませんね」
善場主任は『四天王』2人のブルマを見て言った。
リサが起こした騒動でブルマが復活したことは知っているはずだが、実際に穿いている2人を見て、噂が本当であると確信したのかもしれない。
淀橋「あ、あの……」
愛原「ん?」
淀橋「良かったら、お見舞いに行ってもいいですか?」
愛原「お見舞い?」
私は善場主任を見た。
善場「いいんじゃないでしょうか。リサも、『友達』の顔は見たいでしょうし」
淀橋「ありがとうございます。学校が終わったら、お見舞いに行きます!」
小島「帰りにお菓子買って行こうか?」
学校のチャイムが鳴り、2人の少女達は去って行った。
愛原「主任、本当にいいんですか?」
善場「それは構わないでしょう。それより、あの2人のコ、見ましたか?」
愛原「『魔王軍』のメンバーは、リサの意向で、体育の時にはブルマを穿くことになっているそうです」
善場「いえ、そこじゃありません。彼女達の顔色です」
愛原「顔色?……特段、悪い感じはしませんでしたが……」
善場「目の色と言ってもいいかもしれませんね。いわゆる、『ハイライト』がありませんでした。これは、未だに彼女達が『寄生虫』の影響を受けていることに他になりません」
愛原「なるほど。供給元はもう『寄生虫』の在庫が無くなってしまいましたが、供給先はまだあるということですね」
善場「はい」
リサはまだ供給した『寄生虫』を操る力を持っているのか、そこが善場主任は気になっているようだった。
話が終わる頃には、ちょうど昼食の時間になっていた。
そこで私達は昼食を取ってから、行動に移ることにした。
リサと高橋は、マンションに帰る。
あくまでもリサは病気療養中ということになっているので、事務所にいるのは不都合だ。
かといって、リサを1人でマンションに残してはいけないという取り決めがある。
だから高橋には、事務所ではなく、マンションでリサの見張りという名目で待機してもらうことになる。
一方、私は東京中央学園上野高校に向かうことにした。
意外なことに、私には善場主任が同行してくれることになった。
善場「私からも、学校側に説明しないといけませんので」
ということだった。
〔まもなく5番線に、東京、上野方面行きが参ります。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください〕
〔まもなく6番線を、電車が通過します。危ないですから、黄色い点字ブロックまで、お下がりください。京浜東北線の快速電車は、当駅には停車致しません。山手線の電車を、ご利用ください〕
山手線と京浜東北線が同時に入線してくる。
山手線が減速しているのに対し、京浜東北線は減速する様子は無く、むしろ加速している。
〔しんばし~、新橋~。ご乗車、ありがとうございます〕
ホームドアが開いて、電車のドアも開く。
東海道本線の普通列車は停車するのに、京浜東北線の快速は通過するという不思議な駅である。
この辺、東京初心者は日暮里駅並みにトラップに引っ掛かりやすいという(地方在住の作者の友人が、乗り換えアプリで京浜東北線に乗り換えろとあった為、真昼間の日暮里駅、いつまでも各駅停車を待っていたらしい。LINEに気づいた作者が、山手線に乗れと指示した)。
愛原「リサのヤツ、不機嫌でしたね」
電車に乗り込み、座席に座りながら私は言った。
隣に座った善場主任が、微笑を浮かべて頷いた。
ホームからは、汎用の発車メロディが聞こえてくる。
善場「しょうがないです。今、リサを学校に連れて行くわけには参りませんから」
〔5番線の山手線、ドアが閉まります。ご注意ください。次の電車を、ご利用ください〕
電車のドアと、ホームドアが閉まる。
新橋駅のホームは湾曲しているのでホームドアが設置できないと言われていたこともあったが、そんなことはなかった。
〔次は有楽町、有楽町。お出口は、左側です。地下鉄日比谷線と、地下鉄有楽町線はお乗り換えです〕
リサは善場主任がついていくのが気に入らなかったようだ。
もちろん、私も主任も仕事で一緒に行くだけであって、全く他意は無いのだが。
愛原「あいつ、家でおとなしくしているといいんですが……」
善場「本当にそうですねぇ……」
まあ、高橋がいるから、大丈夫だと思うが……。
[同日13時30分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校]
学校に到着し、まず私達は購買部に行って、リサの新しい体操服を購入することにした。
愛原「採寸した後で良かったですね」
善場「業者が直接採寸したので、合っているはずです」
愛原「なるほど」
これも2着ずつ購入する。
すると、案外大きな荷物になった。
尚、ブルマ派のリサに対しては、短パンは1着だけで良いだろうと判断した。
この後で職員室に行き、リサの担任の坂上先生と面談する。
善場「……というわけでありまして、現在は自宅にて療養中ではありますが、来週には復帰できるものと見込んでおります」
どちらかというと、善場主任の方が熱心に説明していた。
因みに電撃のことについては、ロクに説明していない。
坂上先生もリサがBOWであることは知っているので、電撃のことについても話して良いのではないかと思ったが、それはしなかったようだ。
あくまでも体内のウィルスが暴走した為に、体に変化が起こったことで、専用の施設に緊急収容したこと。
現在はそれも沈静化し、今は元の姿に戻っていること。
まずは今週一杯、様子見をしておきたいという説明であった。
坂上「……なるほど。状況は理解できました。それでは……」
面談は小一時間ほどで終了した。
小島「あっ、愛原先生!」
淀橋「愛原先生!」
職員室を出て廊下を歩いていると、体操服姿の小島さんと淀橋さんと会った。
リサを『魔王』とする、『魔王軍』の『四天王』の2人である。
これから体育なのか、はたまた授業から戻ってきたのか、体操服にブルマ姿だった。
リサの意向で、『魔王軍』のメンバーは基本ブルマを穿くことになっている。
愛原「やあ、お久しぶり」
淀橋「魔王様は無事ですか?」
リサ「いつ、学校に戻れるんですか?」
愛原「今はもう退院しているよ。で、大事を取って、今週一杯は家で様子を見ることにして、何も無かったら、来週月曜日から復帰かなって思ってるよ」
小島「ほー……それは良かったー……」
淀橋「魔王様がいないと、纏まらないもんね」
愛原「そんなにリサには、カリスマがあるのかい?」
小島「リサさんの魔王様としての力は、絶大ですよ」
淀橋「『学校の七不思議』のほとんどは制覇してるもんね」
小島「うんうん」
愛原「そ、そうなのか」
善場「ちょっとリサには、事情を聴いて、説明させた方がいいかもしれませんね」
善場主任は『四天王』2人のブルマを見て言った。
リサが起こした騒動でブルマが復活したことは知っているはずだが、実際に穿いている2人を見て、噂が本当であると確信したのかもしれない。
淀橋「あ、あの……」
愛原「ん?」
淀橋「良かったら、お見舞いに行ってもいいですか?」
愛原「お見舞い?」
私は善場主任を見た。
善場「いいんじゃないでしょうか。リサも、『友達』の顔は見たいでしょうし」
淀橋「ありがとうございます。学校が終わったら、お見舞いに行きます!」
小島「帰りにお菓子買って行こうか?」
学校のチャイムが鳴り、2人の少女達は去って行った。
愛原「主任、本当にいいんですか?」
善場「それは構わないでしょう。それより、あの2人のコ、見ましたか?」
愛原「『魔王軍』のメンバーは、リサの意向で、体育の時にはブルマを穿くことになっているそうです」
善場「いえ、そこじゃありません。彼女達の顔色です」
愛原「顔色?……特段、悪い感じはしませんでしたが……」
善場「目の色と言ってもいいかもしれませんね。いわゆる、『ハイライト』がありませんでした。これは、未だに彼女達が『寄生虫』の影響を受けていることに他になりません」
愛原「なるほど。供給元はもう『寄生虫』の在庫が無くなってしまいましたが、供給先はまだあるということですね」
善場「はい」
リサはまだ供給した『寄生虫』を操る力を持っているのか、そこが善場主任は気になっているようだった。