マーリンの美味しい生活

ストレス解消は観劇と食べ歩き。

鑑定士と顔のない依頼人

2014年02月19日 | 舞台・映画
日比谷シャンテで観てきました。

あさイチの回でしたが、レディースデイの為か結構混んでました。

ジェフリー・ラッシュ演じる凄腕の競売人が若い女性から亡くなった両親の住んでいた家の家具や美術品の鑑定を依頼されます。

なかなか姿を見せない依頼人クレアに苛立ちながらも翻弄されるうちに彼はいつしか彼女の甘い罠にはまっていき・・・

物凄い潔癖症でレストランにも自分のイニシャル入りの皿やカトラリー、グラスを用意してあり、常に手袋を外さないで、食事するときも手袋ははめたままという変わり者のオールドマン。

彼には、ある秘密があった。仲間のビリーに落札させた女性の肖像画を買い取りコレクションしているのだった。

自宅の隠し部屋の壁一面に飾られた名画の数々。それらの絵画に囲まれて過ごす時間が彼の至福の時であった。

そんなオールドマンが、姿を見せようとしないクレアをひと目見たいと切望しどんどん彼女に惹かれていくうちに、手袋をはずし髪も染めなくなり自分を覆っていた鎧を脱ぎ捨ててゆく過程が見事である。

ラスト、「スティング」のような大仕掛のどんでん返しに唖然とするオールドマンと私達。

そういえばあの時のあの人のあんな言葉もこの人のあの仕草も怪しかったんだよなぁ・・・この人にここまで見せちゃってもいいのかしら???と心配してた通りに

大事なコレクションを失い、信頼してた人達に裏切られ廃人のようになったオールドマンは、彼女が唯一もう一度行ってみたいと語っていたプラハの「ナイトアンドデイ」というレストラン(店内には巨大な歯車があるところも暗示的)を訪れます。

入り口が見える奥のテーブルに着き「お一人ですか?」と尋ねるウェイターに「いや、連れを待っている。」と答えるオールドマン。

クレアの偽りの愛の中にあるかもしれないひとかけらの真実を待っているのか?それともすべてを失っても余りある彼女との甘美な想い出だけをより処にしてこれから生きてゆくのだろうか?

すべてを無くしたオールドマンが哀れであるが、機械じかけの人形のような男が少しは人間らしい心を取り戻せて良かったんじゃないか(人を愛する喜びと苦しみを知って)という思いもあるラストでした。

眠らない男ナポレオン

2014年02月19日 | 宝塚


星組さんの「ナポレオン」を観てきました。



東京宝塚劇場、本日の席は2階の3列目中央よりやや上手。とても見やすいし出入口にも近く良い席でした。

ナポレオン、良かったです~

ただでさえカッコイイ柚希礼音さん以下男役さんたちの軍服姿がものすごくカッコイイんです。

時系列に添って歴史もきっちり描いているのでとてもわかり易いですし。

ジョセフィーヌの夢咲ねねさんは、ナポレオンが一目惚れするのもうなずける妖艶な美しさで、ジュリエットの時とは全然違っててビックリ。

柚木さんのナポレオン、誰かに似てるなあ・・・と思ってたんだけど、若いころの美少年ピーターに似てると思ってるのは私だけかな??

ナポレオンのわんぱくな少年時代から、フランス国民のために戦い、軍人としてどんどん出世していき皇帝にまで上り詰めるのだが、その栄光の座から転落して島流しになるという波瀾万丈の人生ををジョセフィーヌとの愛憎を絡めて描いています。

物語はテンポ良くコンパクトによくまとまっているし、音楽も壮大な感じで好きです。流石小池先生。上手い!

戴冠式の場面など目が眩む様な華麗さでしたしヅカファンじゃない方も必見ですよ。

何度も観たくなる作品です。