渋谷のシアターコクーンで「三人吉三」です。
こちらはプログラム 中の写真も出演者の皆さん、裏町にたむろするワルガキ風なのが面白い。
現代に生きる人々に届けたい~
との熱い思いが伝わってきます。
平場席だったので、腰とお尻が痛くなりました。途中、足を投げ出したり体育座りをしたりと体勢を変えながらの観劇は少々辛かったですが、舞台に近くすぐ横の通路を役者さん達が花道代わりに通るので凄く臨場感がありました。
お芝居は15分と10分の休憩を挟み3幕で約三時間半。
若者らしく疾走感のある熱い舞台で面白かった~
簡単に言うと、ひょんなことから出合って意気投合したアウトローの三人吉三(お坊吉三・お嬢吉三・和尚吉三)が互いの血を啜り合い兄弟の契りを結びますが、自分たちの働いた悪事により追い詰められて滅びていく・・・というピカレスクロマン。
そこに複雑な人間関係の因果応報とか近親相姦とかが絡んできますが・・・
三人吉三を知らない人にも理解しやすいようにとの配慮からか、とても丁寧に人間関係や因果が描かれていました。
二幕終盤の和尚吉三(勘九郎)が畜生道に堕ちた自分の妹弟をお坊とお嬢の身替りに手に掛けるところの勘九郎さんの鬼気迫る演技が素晴らしかった。思わず正座しちゃった。
今までは、義兄弟の契りを結んだ二人の吉三を守るために自分の兄弟を殺してしまう和尚の心情が今ひとつ理解できなかったのですが、勘九郎さんの和尚を観ていたらすんなり心に入ってきました。
だからこそ大詰めでの和尚の怒り・悲しみには胸を突かれる思いでした。
お嬢の七之助さんも凄絶な美しさと激しい立ち回りが素晴らしかった。男と女の間を行き来する変幻自在ぶりは見事。
観る度に上手くなるなぁ・・・と感心。勘三郎さんも喜んでらっしゃることでしょう。
初参加の松也さんも堂々たるお坊の演技で、よく通るいい声なのでセリフがとても聞き取りやすいところも良かったです。
追手に囲まれもはやこれまでと、自分たちが犯した罪の始末を自分たちでつけようと自刃する三人、重なりあうお嬢とお坊。そのお坊の肩にそっと着物を掛けてやって息絶える和尚。グッときました
その三人に降り積もる大量の雪、雪、雪・・・8列目の私も雪まみれ。
なんと美しい舞台でしょうか
今まで何度も(コクーンを含めて)観た三人吉三でしたが、今回が一番感情移入できたかも。
それくらい身近な感じがしました。
笹野さんを始めとして歌舞伎役者以外の俳優さんもいい味出してました。
そして和尚に殺されちゃう若手の二人もフレッシュで可愛かった。
個人的には、夜鷹の三婆がお気に入り
カテコでは串田さんもステージに。
最後はスタオベでした。
立ち見のお客さんもいっぱいいました。
初日に観た友人の話では、勘三郎夫人、大竹しのぶさん、生田斗真くん、松潤、その他見たことある俳優さんが大勢いらしてたそうです。