たにしのアブク 風綴り

87歳になります。独り徘徊と追慕の日々は永く切ない。

ちきゅうがウンチだらけにならないわけ

2014-07-20 20:28:11 | 本・読書

夏の楽しみは「緑陰読書」だった時代が懐かしい。

明日は「海の記念日」で祝日休日です。
この3連休が終わると、
事実上は18日の金曜日午前の終業式から、
都市部の大方の学校は夏休みになります。

夏休みといえば「青少年読書感想文全国コンクール」ですね。
以前このブログでも書いた記憶があります。
今年は「60回記念」として、シニア部門(60歳以上)が設けられています。
生徒・学生時代に応募した経験者も再度、人生の後半になって、
読書の感性を試してみるのも楽しみでしょう。
また、熟年になって初めて読書感想文に挑戦するのも興味のあることでしょう。
応募要綱や課題図書はこちらのサイトにあります。
《青少年読書感想文全国コンクール》



大型書店に行きますと「課題図書」が山積みになっています。
出版社にとって課題図書に選定されることは、
社の収益に大きく響くことがあります。
課題図書の中から目に付いた1冊がありました。
小学校中学年の部の「ちきゅうがウンチだらけにならないわけ」
福音館書店 松岡たつひで作・40頁、定価1,512円(税込)



主人公のイヌのワンちゃんは、
「ぼくは ウンチを ひとに ひろってもらうけど
カラスは ウンチを ひとに ひろってもらわない」
「ちきゅうは ウンチだらけに なっちゃうよ」
と心配することから、ウンチの行方について見て歩きます。
ゾウやブタなどの動物、トリ、昆虫、ムシ、
海のなかのさかなや生き物のウンチなど。



「ナマケモノは、
きのうえで くらしているけど
ウンチだけは ちじょうに おりて する。」
なんて面白いことも知ります。
これら大量のウンチは、命の循環を支えていることを知るのです。

そして最後に、ワンちゃんは、強烈な疑問の一言を発します。
「ひとの ウンチは みずに ながされてしまう。
だれかの やくに たっているのだろうか。」と、



 たにしの爺は、ひとのウンチも役にたっていた時代を知っています。
農作物の有機肥料として利用されていました。
日本の農業は化学肥料が一般的になる数十年前までは、
ウシ、ウマ、ヤギ、ブタなど家畜の糞尿堆肥と、
人糞は下肥えとして作物に施肥され、人間の命を支えていました。

 乾燥した田畑には、落とし紙に使った新聞紙や家の光が風に乗って転がっていました。
 雨が続くと畑一面から人糞が匂い立っていました。

 本の主人公ワンちゃんと同じように、たにしの爺も一言。
ひとのウンチは現在、何かに役立っているのだろうか。
最大排泄動物人間の排泄物は何処に集まっているのだろうか。
突然、天から降ってきたりしないだろうか。