ご近所のサクラ並木は話題のお花見ポイントです。
徘徊と思索を日課とする好奇高齢者のタニシの爺。
八分咲きのサクラ並木には背いて、
いつもの道野辺の徘徊路に足を向けました。
いつもの道には3つの神社があります。
そのうちの一つ「八幡春日神社」は巨木の森で、
なかでも樹齢200~300年超と思われる、
幹周り3m以上のスギ、ムクノキがあります。
また、ヤブツバキの高木が境内の鳥居から続いています。
師走から咲き始め、今ごろが落花が盛んになっています。
落ちた花は一日として持たず萎れて崩れてきます。
花ごと無残な姿になっています。
朽ちていく散り椿が光で浮かび上がらせていました。
枯れ葉と緑の新芽のなかに、鮮やかな紅の散り椿。
光が当たって赤に染まる、見上げると花がいっぱいです。
花が丸ごと落ちることから、落ち椿、散り椿と言われている
この時期ならではのとっておきの風景なのです。
こういう風に群生で落ちると、
樹上と地上で二度楽しめる椿の花とも言える。
花の散り際に美を求める日本人の感性は、
ハラハラと舞い散るサクラに「散華」の美学。
ポタリと落ちる椿花には「落首」を想像した。
「笠へぽつとり椿だつた」 種田山頭火
芽吹くこの季節、花は盛りも散り行く際も、
たそがれて行く爺には、一入、想い憂う日々です。
「春先」「秋口」に襲われる「うつ状態」ですね。
ヤブツバキの森の周りに散る椿。