晩秋から初冬の枯野を歩くのがいい。
たにしの爺的リリシズムの極みです。
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「孤独のグルメ」というテレビドラマがあります。
深夜放送の枠ですがときどき見ます。
サラリーマン井之頭五郎が一仕事終える。
お腹を空かせ、自分の勘で街の店に入る。
メニューをじーっと見つめ考え注文する。
出てきた料理を次々ひたすら食べ続ける。
そして、額にしわを寄せて一人語りする。
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井之頭五郎を演じるのは俳優で、
重厚な語りの声優の松重豊さん。
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たにしの爺「外食」はベンチ食です。
野趣に染まる「孤食のグルメ」です。
たいていは「おにぎり」とお茶です。
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徘徊途中に立ち寄るコンビニで仕込みます。
おにぎりは食べた後のゴミの始末が楽です。
この日は何故か、いかなる気分だったのか、
ビールと和風だし香るカレーうどん426円。
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ベンチには枯れ葉が散り落ち、
足元にも吹き寄せられている。
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紅葉の隙間から雲の多い空が広がっている。
脇の藪を見れば秋の実が宝石の輝きになる。
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うどんを啜りこみ、ビールを流し込むと、
徘徊の爺、妄想が限りなく広がり始める。
「一人対話」は徘徊人の楽しみでもある。
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永井荷風のような「徘徊の名人」を見習いたい。
たにしの爺、あらぬ妄想に憑りつかれたようだ。
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誇大妄想の気は認知症の始まりだという。
このごろ、思い当たることが多くなった。