雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

昆明の醤油5

2009-06-07 14:10:25 | Weblog
写真右奥のさくらのマークのついた立派なデパートが1993年に開業した「櫻花購物中心」通称サクラデパート。
 2005年3月に品揃えの悪さ(その半年前まではかなりすばらしい品揃えだった)や子供広場(滑り台などの遊具があり、ママの買い物につきあいきれないベビーシッターやババ様とその孫の遊び場として開放されている。昆明にはだだっぴろい広場はないが、遊具のある子供の遊び場にはことかかない)の不潔ぶりに、いやな予感はしたが、その後、日をおかずしてベニヤで入り口を塞がれ、閉店に。
 その左横のビルは、かつての「サクラ日航ホテル」(いまは単にサクラホテル)。日本航空がオフィスをおいて、日系ビジネスマンがこの付近を闊歩していた時代もあった。
 博覧会ブームが終わり、たんなる一地方都市となった2004年夏、日本航空の日本からの直行便は閉鎖され、オフィスも閉じられた。ちなみに同時期、韓国航空の直行便もなくなった。(それまで韓国からのゴルフ客の人気の地だった)
 昆明ではデパート商圏が毎年、続々と新しく作られるため、古くなると、客の入りは極端に悪くなる、という悪循環となっている。ここは今年に入り、タイ華僑による買収話が進んでいるという。
 デパートの右隣方向には雲南省政府の行政オフィスが並ぶ。不便になったら、行政ビルもどこかへ移るのかも、と思わせるもの悲しさが、昆明にはある。

【日本の料理に合う中国製醤油は?】
 私が味わったところ、ざっくり分けると雲南を含む内陸でつくられる醤油は色が濃く、とろりとしたたまり醤油系、香港や広東などの沿海地区でつくられる醤油は色も茶色く透き通り、さらりとした魚の蒸し煮にぴったりな醤油、という傾向がはっきりと感じ取れました。

 雲南で、湯豆腐や青菜のおひたしなど私好みの日本の料理をつくったときに重宝したのが、香港の『李錦記』から出している「魚蒸」醤油です。さっぱりしていて透明感のある味わいが日本料理によく合います。

(使う素材に合わせた名前なんて、わかりやすくてユニークだなあ、と見つけた瞬間から思っていました。調べるとなんと、この醤油はその切り口の新鮮さで香港管理局と香港テレビ主催の会で香港マーケティング賞を受賞していました!)

 キッコーマン醤油は、たとえ日本料理にぴったりだとしても、値段が中国製の10倍もするので、とても買う気にはなれません。

 日本の醤油で唯一、価格的にも健闘していたのが、1995年に中国大陸に進出したワダカン醤油。この醤油は時折、特売セールまでやってのけ、販促に力を入れていたため、それなりに売れていました。中国でも優良ブランドと認識されています。ただ、私としてはごく普通の醤油の味なら、中国にいる間は地元の食材にあう中国の醤油を選びたくなってしまい、あまり、買うことはありませんでした。

 このような状況をさっぱり知らない父が2度目に昆明を訪れるにあたって、みやげものの相談がありました。
「日本の醤油は中国のものとレベルが違ってうまいから、お世話になった方々へのみやげに、宮内庁御用達醤油はどうだろう?」というのです。こんなに豊かでしかも安い醤油の世界に、日本の最高級醤油・・。もちろん、丁重にお断りしたことはいうまでもありません。

 ちなみに、かつて2000年代初頭に高級百貨店として昆明で一世を風靡した「サクラデパート」(東風東路)には「世界の美食」コーナーがありました。フランス産高級チーズやワインなどとともにキッコーマン醤油と雪印ネオソフトマーガリン(パンにはやっぱりネオソフト! でおなじみの、です。)が、並べられていて、妙に感動したことがあります。

 日本の定価そのままという強気の値段設定に、いったい買う人はいるのだろうか、といぶかりましたが、店員に聞くと「外国人に売れている」とのこと。たしかにネオソフトはおいしい。しかし、案の定、この店は2005年に親会社の不渡りにともなってあっけなく閉店してしまったのでした。 (つづく)

*以前、お伝えしました雲南懇話会の発表準備が意外と大変です。発表というものが、あまりに久しぶりなため、資料をどこまで用意したらいいものか。原資料を精読訳しておいた方がいいかな、とうっかり思うと、たとえば米線の由来にでてくる「斉民要術」の米線あたりの日本語訳や研究は皆無なので、手間が半端ではなくなったり。ビーフンと米線の違いや「太麺」「細麺」の違い論争が中国のブログで巻き起こっていて、ついつい読みふけってしまったり。
 力を抜いたほうがいいだろうとはわかっていても、調べると疑問が深まって、調べ物の量が倍増してしまい、いまだ終わっておりません。はてさて、どうなることでしょう・・。

 詳しくは下記へ
雲南懇話会ホームページhttp://www.yunnan-k.jp/yunnan-k/
参加申し込み;前田栄三(e3maeda*ab.auone-net.jp)、
コメント (5)
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