上の写真は、先日、上海の空港でみかけた陳皮(干しオレンジの皮:漢方ともなる)と砂糖で漬けたオリーブ(陳皮攬)の伝統的なおやつのパッケージ。「テソオソ」は「テンネン」と書きたかったのかも。本文とは縁もゆかりもないけど、妙に癒されたので。
下の写真は先日の雲南料理講習会で使用した成都産のえんどう豆の粉のでんぷん。真っ白な粉だ。これで「豌豆粉」の料理が簡単に作ることができると思ったのだが、甘かった・・。
【75年前の昆明周辺の食生活】
1945年から1947年にかけて雲南省呈貢県竜樹大河村で、食生活も含めた大規模な実地調査がありました。呈貢といえば、昆明市のすぐ隣。今や昆明市街地に組み込まれて激しい開発ラッシュとなっているところです。その、昔々の話です。
そこで目にしたものとして調査員は、
「村の中心地に、米線売り、豌豆粉売りと瓜子(ひまわりとかぼちゃの種)や落花生売りなどの小さな店が2,3軒並んでいた。これらが村民の小喫(おやつ)を満足させていた。」
(胡慶鈞著『漢村与苗村』天津古籍出版社、2006年10月)
と記しています。今も、雲南では街中ならば小腹の満たすアイテムに事欠きませんが、当時も食生活において「おやつ」は大切な位置を占めていたようです。ひまわりとかぼちゃの種といった豆系の比率の高さも注目されます。
主食の調査では、えんどう豆とそら豆の占める比率が、中国のどの地域より群を抜いていました。
「春に収穫される作物は全体で2600工(1工は一人一日分の労働の単位)あったが、そのうち小麦は700工、えんどう豆は600工だった。(米の収穫はなし。)
秋に収穫される作物は水稲1721工、そら豆1300工、小麦700工、えんどう豆600工だった。」(前掲書)
上記より、年間を通すと米の収穫量と同量程度の収穫が、小麦とえんどう豆、そら豆にあるということがわかります。なかでも長い冬を越えて収穫される春作物は、食べ物が潰える時期だけに重要なのですが、そこではえんどう豆が小麦と並んで収穫されていることが注目されます。 (つづく)