写真は「プエルタ・デ・トレド(トレド門)」。中国の長安や昆明にあるような、かつて街を囲んだ城壁に取り付けらえた門のなごりにしては独立した形をしていると感じていたら、1813年から1827年に建設された凱旋門、つまりモニュメント門だった。フランスのナポレオン軍がマドリードを占領後、ナポレオン軍の敗走でその影響が取り除かれたことを記念して建てられたものだそう。
現在の門は大きな道路の交差点のロータリーの中心にある。そのため、下をくぐることはできない。(中世にあったトレド門はもっと王宮に近く、城壁を囲む門の一つだったが、あっという間に街が広がって、その門は役割を果たせなくなったという。)
このようにマドリードには、様々な歴史的背景を持つ凱旋門が点在している。だが、現在、門のない「プエルタ・デル・ソル(太陽の門)」以外の解説は日本語では見つからないのに、驚いている。
https://translate.google.com/translate?hl=zh-CN&sl=es&tl=ja&u=https%3A%2F%2Fes.wikipedia.org%2Fwiki%2FPuerta_de_Toledo_(Madrid)&prev=search
【スマホアプリが大活躍】
朝が明けたばかりのような赤く、さわやかな空と大地。乾燥。周囲は山でマドリードは盆地だと理解しました。標高も655メートル。(昆明の1892メートルほどではないが)なかなかの高地です。
マドリード市内のホテルまでタクシーを利用しました。運転手のおじさんがスマホのGoogle翻訳でスペイン語を英語にしてさかんに質問してきます。日本人だと伝えても英語。
一方でおじさんは英語が苦手らしく、私が答えると地名などの単語以外の時は、スマホに向かって話して、と言うのでややこしい。そうはいっても『ドラえもん』のひみつ道具「ほんやくコンニャク」はGoogleが実現しつつあるんだな、と実感。
写真はプラド美術館の入口付近の古本屋。坂道だということがわかるだろうか?
【地味にこたえる坂の街】
ホテルはマドリード市中心の王宮から南に600メートルほど離れた「ホテル プエルタ・デ・トレド」。名前通りに大きな道路を挟んだホテル前に、石造りでいかにもヨーロッパという風情の「トレド門(プエルタ・デ・トレド)」がそびえています。地理感が大きい街なのでわかりにくいのですが、トレド門は丘の中腹にあるようでそこから中心に向かって坂が昇っていて繁華街が続き、坂が下る方向を見ると、どこまでの続くマドリードの赤い街並みが真っ青な空を背景に見渡せます。門の外側から先へはいかにも街のヘリらしく、街はずれのわびしさが、漂っていました。
トレド門より北に600メートル進むとマドリードの有名店が並ぶマヨール広場。東に進むと2キロ弱で世界3大美術館の一つプラド美術館などに行くことができます。ホテルは、なかなか便利な立地にあるのです。
はじめてのマドリード! さっそく徒歩でプラド美術館へとはりきったものの、なかなか大変でした。ホテルから美術館などのある歴史地区に行くには、坂を上らないとたどり着けない。それも結構な急坂なのです。
東京でいうと九段坂下駅から武道館へ進む感じの坂。あれ、重力がおかしいのかな? と疑ってしまうような一見、急には見えないけど、確実に身体に食い込む坂です。マドリードのお年寄りが杖を突きながらもかくしゃくと歩いている様子に「ひざや関節が丈夫だなあ」とついつい感心するほどでした。
体感でわかったことは旧市街、つまり歴史地区は丘の上にある、ということ。高低差はガイドブックの地図ではわからないものです。
(つづく)