雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

『さくらそうアラカルト』を実際に見られる店一覧

2017-11-17 11:00:12 | Weblog
写真は昨年の2月の上野東照宮・冬の牡丹苑にて。メインの寒牡丹の下草として植えられているのは桜草。木札には「古都さくら・サクラソウ科」と書かれてあった。ただし、日本古来のものではなく、西洋わたりの比較的丈夫な品種である。両方ともプリムラ科という点では同じなので、牡丹の下草として江戸時代から伝わる下草を継承しようとする心意気かもしれない。翌週に訪れると、この花は見事におわり、別のプリムラが咲きそろっていた。

【さくらそう栽培の歴史】
 先週は5章の話をしたので、今週は3章について。

 さくらそう栽培について書かれた文書(もんじょ)自体はそれほど多くはありません。そのようなささやかな歴史でも、きちんと取り組むとそれだけで一書ができあがってしまいます。それらの文献を網羅した本も、刊行されています。そこで、この本ではすべての文献を網羅するのではなく歴史の流れが端的に追える程度にし、皆が知りたいと感じる部分で、おもしろいと思える部分をピックアップしました。

 そのために、タイトルは「栽培小史」と付けました。

 さくらそう栽培の歴史には、文献で追える部分と伝承で伝わっている部分があります。伝承の部分は、はっきりと否定する文献が存在しない場合には言い切り文にはせずに、推定文で載せました。今後、さらなる歴史の追究や活性化に役立てば、と期待しております。

さ くらそうはこれからが一番大事な芽分けの季節。この本を片手に作業を進めてみてはいかがでしょう。うまくいくと、来年のいまごろには3倍に増えた芽が、心を楽しませてくれるかもしれません。

【配本される本屋一覧】
 配本を手配した書店は以下の通りです。(近くの書店にない場合は、ネット注文か、手近な書店に予約すると、入手できます。)
丸善 仙台アエル店(宮城)
ACADEMIA イーアスつくば店(茨城)
有隣堂 シャポー市川店(千葉)
紀伊國屋書店 流山おおたかの森店(千葉)
オークスメディアパーク 野田店(千葉)
紀伊國屋書店 浦和パルコ店(埼玉)
三省堂書店 大宮店(埼玉)
須原屋 川口前川店(埼玉)
須原屋 武蔵浦和店(埼玉)
ジュンク堂書店 吉祥寺店(東京)
丸善 多摩センター店(東京)
MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店(東京)
ジュンク堂書店 池袋本店(東京)
紀伊國屋書店 新宿本店(東京)
丸善 丸の内本店(東京)
三省堂書店 神保町本店(東京)
東京堂書店 神田神保町店(東京)
有隣堂 横浜駅西口店(神奈川)
ジュンク堂書店 藤沢店(神奈川)
天竜谷島屋(静岡県浜松市)
三省堂書店 名古屋高島屋店(愛知)
名古屋園芸(愛知)
大垣書店 イオンモール京都桂川店(京都)
大垣書店 イオンモールKYOTO店(京都)
ふたば書房 御池ゼスト店(京都)
旭屋書店 天王寺MIO店(大阪)
ジュンク堂書店 上本町店(大阪)
紀伊國屋書店 梅田本店(大阪)
又菱書店(岐阜県郡上市)
紀伊國屋書店 広島店(広島)
紀伊國屋書店 ゆめタウン広島店(広島)
フタバ図書 TERA広島府中店(広島)
丸善 博多店(福岡)

初版500部です。ぜひ、お手にとってごらんください。

※次回からは、雲南の食べ物の話です。お楽しみに。(次回の更新はもしかすると、お休みになるかもしれません。そのときはご容赦を!)

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『さくらそうアラカルト』 の桜草は日本固有種

2017-11-10 14:48:04 | Weblog
東京の一般家庭の庭先で2月から3月にかけて次々と咲き続けるプリムラマラコイデス(写真右側の濃いピンクの花。)

【感謝】
 出版を託した「小学館スクエア」ののサポート体制は、万全でした。担当編集者によるスケジュール管理から写真の整理、関係者の手配などあらゆること。たとえばデザイナーのAさんは装丁のアイディアを考えてくださり、私が稚拙な絵で示すアイディアを咀嚼して愛らしい本に仕立ててくださいました。適切なご指摘をくださる校正者の佐藤憲正さんには、言葉に尽くせぬほど本当にお世話になりました。

 指摘に基づいて大幅に改変した章もあるほどです。本の内容が独りよがりにならないようにするための、暗がりの中の灯火(ともしび)のようなお言葉でした。

 小学館で本を編集される際の心配りとノウハウが、素人であろうと玄人であろうと関係なく、惜しみなく注がれていることが実感できます。

素人は、玄人向けの言葉を解読するために、面倒くさがらずに「WHAT?」を聞き返しさえすれば、お互いに歩み寄って、今後もよい本が続々と仕上がっていくことでしょう。

【本書のさくらそうとは】
 さくらそうと聞くと、学校の卒業式の時とか、正月明けとかに見られるピンクの小花ね、と思う人も多いでしょう。こちらは「西洋桜草」という名で園芸店で売られているで育てやすく、水を与えれば1ヶ月以上持つ、育てやすい花です。

 でも本書が扱う、父が育て、日本各地に熱烈な愛好家を持つ「さくらそう」は日本原産のもので、花はせいぜい一週間から10日ほどの絶滅危惧種のほうです。この世界はかなりディープで、一度、この花を見ると、心をわしづかみにされる御仁がむかーしからいたのです。

 ただし、育て方にはかなりのコツが必要なので、今後、さくらそう育てる人が困らないように、そういう方が一人でも増えるようにと経験に基づいて丁寧に図や表や写真を使って解説しました。

 ちなみに、上記写真の西洋桜草はプリムラマラコイデスといって、元は19世紀末にヨーロッパからさかんに中国は雲南、四川方面へとでかけたプラントハンターによって採取されたもの。梅よりも先に咲く、日本の庭先のおなじみの花が雲南とつながっているのもおもしろいですね。これについては『さくらそうアラカルト』の5章で触れています。
 (つづく)
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『さくらそうアラカルト』配本開始!

2017-11-05 12:42:00 | Weblog
写真は『さくらそうアラカルト』の裏表紙。

【目次発表!】
 先月に一度、予告を入れさせていただいた『さくらそうアラカルト』、発売日は10月19日ですが、ようやく各地の書店に配本が見られるようになってきました!

 本は三省堂神保町店、紀伊国屋新宿店、丸善丸の内店ほか日本各地のさくらそう同好会がさかんな地域の書店のうち、地域の旗艦店と思われるところに1カ所ずつ、計33カ所に置かせていただきました。

 他、アマゾンほか、インターネットで購入可能な書店でも買えるようになりました。ご自身で、また身近な図書館にリクエスト予約を入れるなどしてお手にとっていただけると幸いです。

 本の内容は、父が半世紀、愛し続けた桜草(さくらそう)栽培の経験の中で、さまざまなところで講演した内容をまとめたものがベースとなっています。

 それだけでは桜草に深く関心のある人向けのみの内容になってしまうので、私が超初級者向けに桜草に関するエピソードや鑑賞の仕方、飾り方などを付け加えて、わかりやすく、見やすくする内容を付け加えました。父の文章も、より、初級者でも理解できるように解きほぐしました。さらに雲南を中心とした中国、さらには世界の桜草の話を一章、書きました。

とにかく、写真やイラストがふんだんにあるので見ているだけでも楽しい本となっています。

目次は以下の通りです。

◆目次◆
はじめに

序章  さくらそう事始め-娘からみたさくらそう-

第1章 栽培のポイント
コラム◆江戸期より使用されている鉢:孫半土鉢
コラム◆場所をとらない小鉢づくり
コラム◆さくらそうサポニン

第2章 鑑賞のポイント
他、コラム3本

第3章 さくらそう栽培小史
他、コラム4本

第4章 中国のさくらそう・報春花

第5章 さくらそうの未来を切り拓く

第6章 さくらそう品種コレクションセレクト

おわりに

ほ かにも、品種こぼればなしなど、小さな読み物をちりばめました。


 本は、近年、桜草の本が出ず、栽培の仕方の良書も絶版となっているなか、ちゃんとした内容の新刊を出したい、という父の一念からはじまりました。そして最終的に「小学館スクエア」から自費出版とする形になりました。ある程度の原稿があるなかで、小学館スクエアに最初に連絡を取ってから、ちょうど1年で出版にこぎつけたということになります。
 (つづく)
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