写真上も写真下もモロッコの「Patisserie Alafrah」のショーウインドーにて。
モロッコのお菓子には、雲南でも見かけたお菓子がけっこうあった。その一つが「絲窩糖 」(またの名を「窩絲糖 」「龍髭糖 」りゅうのひげ飴)に似たお菓子。もともと新疆ウイグル自治区から広まったといわれているので、こちらが本場。https://blog.goo.ne.jp/madoka1994/e/6ff1371ff843b1cdafc3fd81a62e9bc7
【タンジェの銘菓】
食後はフリータイムと言われたのですが、「お楽しみください」といわれても途方にくれるばかり。というのも先ほど歩いただけでも小道が多く、怪しげな雰囲気の街なのですから。
ツアーの人たちは三々五々、レストランから見える範囲でお茶をしたり、買い物したり。
そんな時、ベルギーから新婚旅行で来たというカップルが
「結婚祝いのお返しに、ここの銘菓を買って帰りたいのですが」
とラシードさんに相談しているのが聞こえました。
ラシードさんは
「いい店があります」
と、二人についてくるように言ったので、我々も便乗することにしました。
ツアーの時とはうって変わって、ものすごいスピードで急な階段をさっさか登っていくラシードさん。曲がりくねった道を、みんな必死についていくと、街はずれの2階建ての白壁の四角い家の前に着きました。店の前は崩れかけた石の坂道で視界がひらけた小さなお菓子屋さんです。
坂の途中のアラビア菓子屋「Patisserie Alafrah」。意味はウェディング用菓子。
(33 Rue De La Kasbah, Tanger, Morocco )
ガラス戸をくぐると、糖蜜がいっぱいかかったパイ生地状に餡の入ったお菓子や、アーモンドを載せたさっぱり系の大きなクッキーなどが所狭しに並んでいます。
カップルは目を輝かせて、一つひとつ吟味しながら、日持ちのしそうなクッキーなどをチョイスし始めました。
すると、ラシードさんが店内に入ってきて、一瞥するなり
「これはダメです。店に置かれたものは古いにきまっている。新鮮なものを詰め合わせて、私が特上の詰め合わせを作ってもらいます」
というや、すごい迫力で何箱分必要かをカップルに聞き、決然と作業場のある2階に上がっていってしまいました。
カップルは唖然茫然。
しばらくして戻ってくると、にこやかに
「時間がかかるので、私は近くで食事をしますが、みなさんもいかがですか?」
当然、ついていきました。
しかし、なぜラシードさんは古い、ときめつけたのでしょう? お菓子のほとんどにラップがかかっていたからなのか? 味は? は次回に。
店の前の坂道。
(つづく)