

写真上は、上海浦東国際空港近くにある東方航空のホテル。写真下は福建省の世界遺産・武夷山の名物・五歩蛇。
日本から上海を経由して武夷山を目指した時のこと。
上海で7時間のトランジットがあったので、上海の街中散策としゃれこんだのが災いした。なんと定刻一時間前に空港に戻ると乗る予定の飛行機の搭乗締め切り時刻になっていたのだ。
7時間のうちに状況が変わり、定刻より早めの出発に変更されていた。いくら地上係員に乗せてくれと懇願してもダメ。むなしく飛行機は我々を乗せぬままに飛び去っていった。仕方なく、なお、地上係員に粘ると、東方航空のパイロット以下のスタッフが泊まる写真のホテルへ無料で泊まれることに。
翌朝一番の武夷山行きの飛行機に振り替えてくれることになった。
ホテルは風呂ではなくシャワー、ベッドも狭く、しかも下に絨毯はなく、固い板張りだったので、娘には本文の通りの災いが降りかかってしまった。
五歩蛇はその名の通り、この蛇に噛まれると五歩歩かぬうちに絶命するという恐ろしい毒を持つ蛇。漢方薬として彼の地では珍重され、干物や、アルコールに漬け込んで売られている。福建にはその地独自の漢方薬のもととなる生物が多く生息している。
【トランジットには気をつけよう】
娘の治療といえば、もう一つ、福建省の省都・福州市の大病院があります。
子どもを中国で何度、病気にさせたのだ、と叱られそうですが、お話しましょう。
今を去ること11年前の2001年、娘が3才になったとき、わが家の近所に住む福建省出身の夫婦と子ども2人、(その娘と同年代の息子を含む家族)とともに、彼らの郷里に赴いたことがありました。
最初の宿(上記の写真解説で書いたように福建に着く前にはからずも泊まった上海の宿)で、娘とともに二人で一つのベッドに寝ていると、夜中に「ゴッ」という鈍い音。「ギャー」という、娘の泣く声が響き渡りました。ぎょっとして跳ね起きて見ると、娘がベッドから落下していたのです。大人と違って子どもは頭がアンバランスに大きい。その重力の法則に従って、頭から落下し、鼻をぶつけて鼻血を出していたのでした。
すぐに冷やして様子を見ると、その時は落ち着いて寝てくれました。
翌朝、福建出身の家族にその話をすると、田舎にはいい病院がないので、都会に出たときに、よかったら病院へ行きましょう、ということに。
ちなみにこの家族は宿に着くと、まず、2才の息子のために、ベッドを壁際に移動させてそちら側に子どもを寝かせ、さらにクッションや枕など手当たり次第に息子のベッドの周りに敷き詰めていたのでした。日本では畳の上にふとんを敷く純和風の寝室のわが家。旅先でのベッドの子ども向けの注意には、まったく気が回っていませんでした。
彼らの作法は日本ではあまりよろしくない行為のように思ったのですが、子どものためです。もちろん、翌日からは、その真似をさせていただいたことはいうまでもありません。 (つづく)
*次週の更新はお休みとなります。