写真は、ドイツ・ベルリンの目抜き通りから一つ通りに入ったクアフェルステンダム通りにあるシルトクレーテ(Schildkrote)。その名物、揚げアイスバイン。1936年創業のビールのおいしいお店。女性店員が毅然と生ビールを注いでくれ、サーブも女性。ドイツでは女性のかっこいい店員が目に付いた。
【揚げアイスバイン】
ベルギー、オランダからドイツへと列車で入ると、地続きだというのに、そして景色は同じヨーロッパだというのに、人の動きも密度もまるで違っていました。
まず、ドイツは時の流れが日本と同じ。人の歩みも早く、ブレーメンでは夕方になると子どもを自転車の後ろの座席に載せて、いかにも忙しいという感じで滑走しているお父さん方や、雨が降ると、実用的であればよいとばかりに前のほうが少しやぶけた傘を指したフワフワ髪でイケメンの男性など、驚くほど全身に「忙しさ」があふれています。さすがミヒャエル・エンデの『モモ』の国。灰色のスーツを着た時間泥棒の着想はこの国でないと生まれないのかも、と納得です。『モモ』がドイツに次いで人気のある国は日本です。時間に追われる感覚は世界でもドイツと日本に特に現れているのかもしれません。
というわけで料理も注文すると、わりとすぐに出てきます。日本と同じくらいの早さです。量は、さらに多くなりました。
ベルリンの時は9月、ヨーロッパの新学期。どこかの大学の交流会でしょうか? 同じような年齢層の若者が英語とドイツ語のちゃんぽんで話ながらパブに入ってきました。女性も含めて、きっちりとビール一杯に一人一皿を注文しています。注文の品は店「Schildkrote」の名物、揚げアイスバイン(骨付き豚肉)でした。人の顔ぐらいのサイズはあろうかという肉の固まり。味もビールの苦み? らしきものがあり、なんともキャベツの酢漬けとよく合います。
みな会話を楽しみながら、それをモリモリと食べ、お皿があっという間に空になるなか、一人、お肉を半分以上残してしまってもうしわけなさそうにしている男性が。顔を見ると東洋顔。「マサル」と呼ばれる名前からすると日本人でしょう。
ちなみに我が家は3人で一皿がちょうどでした。日本人はヨーロッパの人より胃腸がゆっくりか、小さいに違いない・・・。
(つづく)