
写真は武夷山のお茶祭り会場でみた「過橋米線」。雲南の「過橋米線」とは似ても似つかないが、香辛料が控えめでトマトやキュウリなど南方らしく瓜系が入っているのが、おもしろい。レタスや蕨などなぜ、今まで雲南にはなかったのだろう、というようなアイディアだ。(雲南でもわらびは春の山菜として炒め物にする)
雲南のお気楽な一杯米線なら、必ず入る(または客が入れられるようにテーブルに用意されている)花山椒や唐辛子といった辛み系の調味料がまったく入っていないのも、福建らしい。(福建にも辛い料理はあるが、普段の食事では地元の人は辛いものはあまり使わないようだ。福建に3代住んでいる知り合いがそういっていた。)
【祭りの屋台で遭遇】
その武夷山へ先週、知人が行ってきました。そして「過橋米線」を見つけたというのです。以下は友人から聞いたことです。
由緒ある武夷山は、世界遺産登録以降、より一層、観光地化が進んでいたそうですが、筏下りは相変わらずの設備で、しかもそれが「売り」だったとか。
さて、この地では年に一回、「お茶祭り」が開催されています。観光客ばかりか祭り好きの地元の人々で大賑わいだったそうです。不思議なのは中国各地のお茶が楽しめるのが最大の目玉だったはずなのですが、そのブースは閑散。あまりに出店料が高くて、嫌われたらしい。
そんな中、出ていたのが雲南料理との看板。その名物が「過橋米線」! よく見ると他のメニューは全く雲南料理ではないのですが、お客達は雲南のものを食べたと満足げだったとか。ちなみに店員に「雲南の人?」と聞いても苦笑い。
作り方は、乾めんと一緒に、ハム、トマト、きゅうりなどの薄切りやわらびなどの山菜、レタスなどを、注文があると日本の立ち食いそば屋がそばを湯がくのに使う手持ちザルに入れ、湯にくぐらせること3分。最後に薄いチキンベースのスープをかけたもの。どこに「橋を過ごさせる」シーンがあるのか、と問いたいところですが、それなりにおいしかったそうです。
雲南料理といえば「過橋米線」、しかし、その実態は「わからん」状態になっているようですね。
これまでに私が食べたところでは北京、天津は、まし。日本のものもまあまあ。東北地方はまた、別の方向でおいしい文化に育ちつつあるよう。こうなると、福建に正しく根付く日がくるのか、見守りたいところです。
ちなみに福建も、れっきとした米線のふるさとです。ただし、雲南のように発酵させたものはなく、平べったい太麺が主。生めんもあるはずですが、雲南よりも湿度も温度も高いので、乾めんで出回ることが普通です。福建ではそれを焼きそばにしたものがおいしかったなあ! (この章・おわり)
写真下は、過橋米線のあったお店。写真の粒子がブログに載せるときに粗くしてしまうので、わかりにくいが、一番右の短冊にある「過橋米線」は一杯10元。他の麺類の倍の値段となっている。

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