雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

雲南での地震報道

2011-03-19 16:35:33 | Weblog
 東北関東大震災ならびに原発事故という未曾有の事態のなかで、被害に遭われた方を心配しています。何か役に立つ内容を考えたのですが、深い悲しみの中で、衣食すらまったくない方々も大勢おられるのに、と考えると、どうもまとまりません。
 今は買いだめをせず、燃料を使わないで、少しでも被災地に回せるように、小さい努力を積み重ねること、信頼できるところに募金を寄せること、近所の子供達を含め、不安感を持たせないように守り続けることしかできません。あとは、すべてがよくなっていくことを祈っています。
 衣食住はあるけど、精神が追い込まれそうな方は、甘いものを食べること、寝ること、笑うことがストレス発散になるそうです。まずは冷静さを保ちたいですね。

 節電のためコンピュータを落として、ノートでの生活をしていることもありますので二週間、ブログ更新をお休みします。まだ原発事故は予断を許さない状況ですし、復興にも年単位の時間が必要ですが、ともかく3週間後からは更新を再開します。
 今回、ブログを訪れてくださった方々のために、雲南で報道されている地震関連のニュースをお伝えします。(雲南日報、春城晩報より)

【雲南・ミャンマー国境で地震が多発】
まず、雲南の地震多発地域でも年初来から地震が活発化していました。

3月10日12時58分
ミャンマーとの国境沿い雲南徳宏タイ族チンポー族自治州盈江県でマグニチュード5.8の地震発生。全県人口30万人近く、うち半数が被災。死者25人。倒壊した建物2万棟。人民解放軍が現地入りし、復旧作業を開始、一週間たった現在、インフラ、ほぼ復旧、とのこと。
この地は2004年には土石流、2008年にはマグニチュード5の地震が3回あり、2011年元旦から1000回以上の余震を観測していた。
3月15日
日本から漏れ出る放射能を吸収しないためには塩を食べるのが有効、との偽情報がインターネットと口コミで広まったことなどで、昆明各地のスーパーに市民が殺到し、塩を買いあさる事態が発生。「塩の備蓄は雲南省には十分ある」との記事を載せる。
(日本でも報道された中国での事件だが、雲南も例外ではなかった・・)
3月16日
福島原発で放射能が各地に拡散し、千葉では通常の2倍から4倍、東京でも放射能濃度が20倍を超えた地域がある、との見出し。
 日本の震災報道は雲南省内の地震報道とあわせて連日、報道されています。

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素朴な副菜・豌豆粉(ワントウフェン)②

2011-03-11 09:41:25 | Weblog
 写真は宜良の市場にて。一年中、豆腐とともに豌豆粉は売られている。豆の種類は違うものの、作り方がにがりを使わない豆腐のようなので、兼業しやすいのだろう。ここでは白い鍔なし帽をかぶった人が売っていたが、回族(イスラム教で先祖代々つながっている人々)の方なのかもしれない。

【エンドウ豆の種類】
 「豌豆」とは中国語でエンドウ豆のこと。漢和辞典にも出ています。
 ところで日本でエンドウ豆といえば、スナップエンドウやサヤエンドウ、グリーンピースなどサヤにおさまった緑色が思い浮かぶのですが、豌豆粉は黄色。
 ビールのおつまみ・枝豆は緑でも、それを畑で完熟させ完全な種となると白い大豆になる、という関係のようなものがこのエンドウ豆にも当てはまるのかとおもいきや、別のタイプのものが使われていました。

 スナップエンドウなどの前者は軟莢種、と呼ばれるタイプで煮込まずにさっと食べられることから世界中で今、もっとも消費されています。雲南にも、もちろんありますが、豌豆粉で使うものは硬莢種に属します。さやが硬く、完熟・乾燥した豆を収穫して利用するもので、栄養価が高く、保存が利くことから昔から世界中で食べられてきました。

 豌豆粉に使われているのは、硬莢種の中でも中国で最も一般的な白エンドウ(煮ると黄色くなることから黄エンドウ、と呼ばれることも)。6世紀頃に書かれた世界最古の農業書「斉民要術」にも栽培法が書かれているように中国で古くからなじみのある主要なお豆です。インドでは豆カレー、ヨーロッパでは煮込んでポタージュスープなどに利用されています。

 ちなみに日本では白エンドウは、ほとんど料理に使われませんが、ミツ豆や豆カンテン(通称、豆カン)に使われる丸々としてホクホクした私には黒く見える赤エンドウや、青エンドウという、和菓子の塩豆や餡に使われるのが、同じタイプの硬莢種に当たります。
あの遺伝形質の実験「メンデルの法則」で使われたエンドウ豆も、この硬いタイプのものです。
                 (つづく)
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素朴な副菜・豌豆粉(ワントウフェン)①

2011-03-04 11:07:24 | Weblog
 雲南料理に黄色い豆腐のようなものがあります。市場では単独で売られていたり豆腐屋で、豆腐とともに並んで売られていたり、蒸かし饅頭と一緒に並べていたり、と様々です。これは、エンドウ豆で作られた、いわば甘くない羊羹で、おやつや副菜でよく食べられています。

 作り方は次の通り。
1.干しエンドウ豆を洗って水に浸し、豆が水を吸って柔らかくなるのを待つ。
2.石臼などで挽いてドロドロの液状にし、晒し布で濾す。
3.大鍋に水を加えて2.を入れ、ゆっくりと火を入れながら攪拌する。火は弱火でも強火でもないくらいに保つ。
4.ツヤがでてきたら、最後に強火でかき混ぜ、バットなどの容器に移し入れて冷ます。

こうして自然と固まったものが本物の豌豆粉です。(なかにはゼラチンで固めるものもあるとのことなので。)

 食べ方は、薄く切った豌豆粉の上に甘めの薄口醤油、酢、つぶしニンニク、炒めた刻み唐辛子、塩、しょうが、ごま、砂糖水、山椒、乳酸発酵させた漬け物の汁、刻み香菜(コリアンダー)、刻みニラなどを10種類以上を混ぜたたれをかけて食べるのが一般的。他に短冊切りにしてスープに入れたりしていただきます。

 質がいいものほど、黄色く、じつにおいしそう。豆腐ぎらいの娘はしょっちゅう給食に出されて、そのたびにため息をついていましたが、こどものおやつとしても重宝されていました。

 味は、豆の自然な甘みが好きな人にはたまらない、素朴な味です。私のように少し舌が鈍感な人にはボヤッとしたような、甘いのか何なのか今ひとつ分からないお味に思えてしまうのでした。
 けれども、豆腐屋の軒先で一日、じっくり見ていると、本当に豆腐と同じように1キロの固まりでドンドン買う人が多く、夕方には早々に売り切れてしまうのを見ると、雲南の人々が傾ける、この食品に対する愛情を感じずにはいられません。      (つづく)
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