写真はディプシログの正面。小学校の送迎をするパパがテイクアウトをするの日常。とにかく似た店は近くに多いのだが、この店は地元の客で各段に賑わっていた。
【目指せ! 串焼き】
《ディプシログ》には行ったことがない、と話すと丁寧に地図を描いて、さらに
「あそこのはいいけど、他の店はだめよ。衛生面が悪いと身体にも悪いから」
と丁寧なアドバイスまでいただきました。
近くにそんな立派なレストラン、あったかなあ? と何度、探しても見当たりません。ようやく地図から割り出した店は、一見すると掘っ立て小屋。地面に壁が突き刺さっていて、上のトタン屋根が乗っているだけ。レストランより屋台、といったほうがぴったりでした。
上にペンキで店名と目玉焼きの絵がかかれています。そこから、もくもくと立ち昇る煙が開店を告げていました。
店先には串刺しされた各種生肉が常温のガラスケースもしくは覆いのないかごにそのまま乗せてあり、その脇で店員が鉢巻代わりに髪の毛をしばって、炭火で丁寧に串焼きをあぶっています。串を打った生肉がやや口紅のような赤みを帯びています。
甘じょっぱい香りをくぐって店に入ると、まだ5時台だというのに、ほぼ満席でした。弱弱しい蛍光灯のもと、地面の黒を背景に付近の英語学校の先生方のはずんだ笑い声であふれていました。それぞれ系列ごとの制服に身を包んで、串焼きにビールでおしゃべり。先生方がよくお昼に持参しているタッパウェアに詰めたご飯を置いている人も。ご飯の持ち込みはオーケーのようです。
私もさっそく、みんなが食べている串焼きを食べようと、メニューを開きました。メニュー名がずらりと並んでいるだけで、内容の説明はありません。蕎麦屋で「たぬきそば」「きつねそば」と書かれていても、それになにが入っているのか書かれていないのと同じです。地元に愛される店ほどその傾向は強まります。その分、安い。
こうなったら、勘で串焼きを探り当てるしかない。
「店名である【ディプシログ】はメニュー名だから、外せないな」
と考えて「なんとかシログ」という名前のものを3,4品とビールを頼んで待ちました。
ところが現れたのは串焼きではなく、セットメニューばかり。しかも一皿ごとにこんもりと肉はあるけど串はなし。いずれにも炒めたガーリックライスと多めの油でフライした目玉焼きがついています。一人で3,4人分の具なしチャーハンはさすがに無理!
(つづく)