雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

語学留学でセブに行く37

2020-04-26 14:30:29 | Weblog
写真は浜辺をでみつけたオカヤドカリ。赤ちゃんのこぶしほどの大きさがある。

【満月の抱幼】
満月が近づいた夜のことです。ホテル内の浜辺(コンクリートの上に申し訳程度の白い砂を従業員が毎朝寄せて作る猫の額のような広さの場所)を散歩していると、なにやらうごめく気配が。目を凝らすと人間の赤ちゃんのこぶしよりちょっぴり大きなサイズの貝が、細かい足を動かして、ゴリッゴリッという雰囲気で動いています。なんと、巨大なヤドカリでした。

日を追うごとにその数が増えていきました。夜9時ごろに観察していると、浜辺からゆっくりと時間をかけてプールエリアの隙間にある小さな森の中へと入っていきます。不器用に足を先を探りながら岩の隙間に入るものや登るもの、隣のホテルの敷地に岩場の階段から移動するもの、なかにはヤシの木を登るものまでいました。重たそうな体で、驚くほどの頑張りです。

これは夜の散歩の楽しみができたぞと喜んだのですが、不思議なことに数日すると、すっかり消えてしまいました。

人も不思議で、スマホを見ながら歩く学生は、なんか石にぶつかった、という感じで器用によけて足の先を見ることなく立ち去っていきます。他の人もただ、運動のために歩くのみ。キョロキョロすることも立ち止まってじっと見つめることもありません。足元に不思議な生物がいるのに、もったいない。

さてこの巨大なヤドカリ。調べると日本の本州(紀伊半島南部を除く)にはいないタイプのオカヤドカリでした。(沖縄や小笠原諸島あたりにはいるようです。暗くてよくわからなかったのですがインド洋あたりにのみ生息しているアカツキオカヤドカリかも。)

日本で潮干狩りのときに小さいヤドカリをいっぱい見ていたので、ヤドカリは海に暮らすもの、と思っていました。実際、本州のものはそうなのですが、セブ島で見たオカヤドカリは逆でした。彼らは森の中で卵を抱え、それらがふ化する瞬間のみ、幼生を放出するために危険をおかして浜辺に行くのだとか。普段は外敵につかまらないように地上の岩影などで暮らしているそうです。

前回、紹介したコブヒトデもオカヤドカリもシオマネキも含めて、いずれも日本の熱帯魚専門店などで人気の品として売られているそうです。
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語学留学でセブに行く36  海とハト

2020-04-19 15:48:45 | Weblog
写真は語学学校併設の宿舎のあるホテルのビーチにて。上からマングローブ(根にからまっているのは、ゴミのペットボトル)
そのマングローブの下で顔を出す鮮やかな色のシオマネキのようなカニ
サンゴ礁で生息するといわれるコブヒトデ


写真は宿舎となったホテルの建物。丸をつけた部分がエアコンの室外機が入っているところ。そこから部屋には風通しがよくなっていて、虫が入ってくるような予感があった。

【熱帯の海にて】
上記のヤギ以外にも観察にいそしんでいた報告を少し。

まず以前に書いたムツゴロウ。ユーモラスなお顔立ちに惹かれて、小さな海辺をじっと見つめていました。

マングローブがいつの間にか大きくなってきて、その下に色鮮やかなシオマネキ、大きくて存在感のある肌色のコブヒトデなどもいました。

鳥もずいぶんいました。一番身近だったのがハトのような地味な鳥。日本でよく見る灰色の土バトやこげ茶色のうろこ状の斑紋が美しいキジバトとは違っていて、体の色は灰色よりも薄いものや、白ベースに薄茶色が羽の部分に載っているものがいました。

私の住んでいた宿舎は12階建てで、私は9階にいたのですが、マクタン島自体がのっぺりとしたサンゴ礁が隆起した島なので高い建物は貴重なのでしょう。時折、その壁に沿って急降下する影が窓を横切っていきました。見ると、ハトが地面に着くギリギリのところで体勢を立て直し、また飛び上がって行きます。まるでスリルを楽しんでいるかのようです。野生で暇、という状況があるのか不明ですが、「カモメのジョナサン」を地で行っている風景でした。

お昼どきのカンカン照り、食後のまどろみタイムを迎えているとバタバタッという羽ばたきとともに「ポー、グルッグルッ」という鳩笛のような鳴き声でよく目を覚ましたものです。私の部屋のエアコンの室外機が彼らの憩いの場所になっているのです。動物が好きとはいえ、野生のあまりの近さに鳥についた虫が部屋に入ってきてはいやだなあ(粗い柵しかさえぎるものがない)と迷惑でもあったのですが、

これについては杞憂でした。ハトは同居人のままでしたが、学校では部屋を週に2度、掃除してくれ、さらにリクエストを出しておくと、虫の駆除目的の作業もしてくれていたので、日本の家にいる時よりも虫が部屋にいない生活になりました。薬剤の心配がないわけではないのですが、熱帯の風土病も怖いので。

ちなみに「鳩、急降下」のワードで検索をすると、急降下が得意のハヤブサなどの猛禽類の餌食になる話ばかりが出てきます。動画で鳩の急降下、と書かれた映像をみてもセブ島で見た、あの角度での降下は見当たりません。鳴き声も姿も鳩だと思うのですが、鳩は崖を急降下するような習性があるのでしょうか? どなたかおしえてください。
(つづく)

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語学留学でセブに行く35

2020-04-12 15:37:06 | Weblog
子ヤギkid
上の動画は前回の子ヤギたち。とにかくかわいくて日参していたら、最初は固まっていた子ヤギの自然な動作を撮れるまでに距離が縮まった。
そして写真は動画をとってから1か月後の姿。お父さんヤギとお母さんヤギの間に入って満足そうに甘えている。でもずいぶんと大きくなった。

 いま、世界のどこかではヒヨコが爆売れしていて、インスタグラムにもヒヨコ動画が多数アップされている。小さいものの癒し効果が抜群なのだろう。ただ、小さいものはやがて大きくなる。私がフィリピンにいた間に子ヤギたちも徐々に成長していき、やがてただただぽよぽよしていただけのプリティさから、分別のある普通のヤギへと成長していった。
 つまり飼うときには、当たり前だけど、大きくなっても育て上げる気構えが必要だ。まあ、なつくと別の愛情が自然と沸くから普通は大丈夫。

【見い出す】
この、ちょっと隠れているけど、当たり前のようにいるヤギ。学校の先生や、複数人授業での課題発表時や雑談で話すと、みな、「そんなのがいるの? 知らなかった」

そのあとで興味をもって実際にヤギを見に行ったのは、話を興味ぶかそうに聞いていた小さな子供の姉妹だけでした。

一度、目にすれば心をわしづかみにされるほどかわいいヤギたち。でも、見つけられる人はごくわずか。それに誰もが興味を持つわけではないと知りました。私はヤギのところに日参し、帰国前日もずいぶん一緒にいました。
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語学留学でセブに行く34 ひまつぶし1 

2020-04-05 12:57:17 | Weblog
写真は宿舎の敷地で誰かが飼っていたヤギ。この子ヤギたちはこのコンクリートの台の上から外にほぼ出ない。お母さんヤギが回りにいてもいい素振りをした時だけ、降りている。
動きがあどけなくて、とにかくかわいい。とくにおかあさんヤギの周りにいるときののんびりとしたはしゃぎっぷりがおとぎの国のようなのどやかさ。

【いやしのヤギ】
アイランドホッピングのような非日常以外は、一日、英語学校に行って、予習復習の日々。これでは体がなまってしまうと、以前書いたように、宿舎の階段をひたすら昇ったり、敷地内をウオーキングしたりしていました。宿舎の外を歩くには適さない環境だったわけで、つまり外出がはばかられる日常でした。

学校は2週間単位で入校生、卒業生が入ってくるので、少し話せる人ができてもすぐにいなくなってしまいます。勉強に集中している人には関係ないのですが、テレビもないし、とくに話す人もいない。そんな時に安らぎを与えてくれたのはなんといっても動物たちでした。

ホテルと外をつなぐ門の横に垣根で囲われた空間があり、広い芝生が生えています。入ろうと思えば誰もが入れるのですが、タイヤが積まれていたり、つぶれた店舗のあとのようなコンクリートつくりの平屋の長屋のようなものがあったり。そこに人が住んでいるので、学校の人はほとんど足を踏み入れませんでした。

朝5時半ごろ、朝日で目が覚めて敷地内を散歩していると、ロータリーの緑地帯で薄明かりの中でうごめく小さな影。近づいてみると黒い子ヤギが熱心に草をはんでいます。驚いてしばらく様子を見てから近づいても一向に逃げる気配はありません。ひたすらくしゃっくしゃっと草をむしり食べているのでした。そして飽きるとぽてぽてと歩いてどこかに消えてしまいました。

あれは夢だったのかと窓の外を見ると、ロータリーの先の垣根で囲われた芝生に大きなヤギがみえました。親子でした。ひもでつながれた大きな体のおとなのヤギのまわりに子ヤギが3匹。ちびちゃんたちはひもでつながれておらず自由に動けます。うち2匹は本当に小さくて、ただ、置かれた場所にたたずんでいるだけ。私が朝に見た子ヤギはそれよりも齢が行っているようで、自由に跳ね回っていました。

あまりにかわいいので、しょっちゅう見に行っていました。小さなヤギたちは写真を向けると緊張して固まってしまいます。それがまたかわいいのですが、それでは子ヤギにはよくないので、はるか遠くから声をかけて徐々にならしていきました。日々、少しずつ距離が縮まるのがうれしくて、そのうちに芝生空間を通る作業員に、私自身が声を掛けられるようになりました。

ただ、じーっとヤギたちの芝生にたたずむとなにやらかゆくなってくるのが玉に瑕。どうやらノミがいるらしいのです。

セブ島には蚊がいないのが島の人たちの自慢の一つで、英語の男の先生にも「上半身はだかでいても全然、平気さ」と日頃の島の男たちの服装の理由の一端を説明されていたのですが、地面に寝転ぶことはないのでしょう。
(つづく)

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