雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

雲南懇話会開催

2009-06-27 10:27:11 | Weblog

6月27日(土)午後1時より市ヶ谷のJICA研究所で雲南懇話会が開催されます。

私の発表する「過橋米線のふるさとを訪ねて」は午後1時45分より30分間の予定です。雲南の地方志を読むなどして、なかなか既刊の本などにでてこない蒙自の年表などを作成するなど、資料を充実させました。それらは、お持ち帰りいただけるようになっています。

 写真も、ブログでご紹介したものの他にも取り入れましたので、お時間のある方は、ご参加ください。当日、突然の参加も大歓迎だそうです。


場所;JICA研究所・国際会議場  http://www.jica.go.jp/jica-ri/about/access.html
 JR中央線・総武線「市ヶ谷駅」下車、東京メトロ有楽町線・南北線「市ヶ谷駅(6番出口)」下車、徒歩各10分。 住所;東京都新宿区市ヶ谷本村町10-5

参加費:2000円(学生院生は無料。参加費はすなわち会場費と資料費になってしまうようです。もう少し安いと参加しやすいでしょうが・・。)
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閑話休題・黄色い竹

2009-06-21 20:40:51 | Weblog
写真は文山州の近く、ごく最近まで近くの村とも全く交流がなく、ひっそり暮らしていたというミャオ族の村の入り口で見た竹。これ以上に太くて鮮やかな黄色い竹も、他の村で見た。多くが村のお偉いさん(長老など)の家にあったため、遠慮もあって、写真に取り忘れていた・・。

【竹にペンキ?】
 雲南の農村を旅すると、目にするのが黄色い竹だ。
最初は、あまりにわざとらしい黄色と緑のコントラストに
「竹にペンキを塗るなんて」
とあらぬ疑いまで抱いてしまったが、中国各地に存在することが調べて、わかった。

 ただ黄色い竹にも色の入り方や、その鮮やかさ、太さの違いなどで、品種が10種類以上はあるらしい。雲南で見かけるものは野生のもの、というより「庭園用、観賞用」としてより進化させたもののようだ。

 ではどこで見かけるかというと、雲南では庭園、というより、人里離れ山間をしばらく進んだ村で見ることが多かった。険しい山道を進んで、ようやく樹間が開けた、と思うと黄色い竹。もしくはカルスト地形から抜けた日当たりのよい村の入り口ににょっきり。

 そういえば、宋代より生き続ける村の親睦・古茶樹へと続く道への鍵を握る人物の家の前にも黄色い竹はあった。村長の家の前に生えていたこともある。これだけ並べれば、黄色い竹が村にとっての大事な指標らしく思われてくる。

 『中国竹類植物図志』(朱石麟・馬乃訓・傳懋毅主編、中国林業出版社、1994年)によると雲南の竹は「黄金間碧竹」(別名、挂緑竹。B.yulgaris Schrader ex Wendi)と呼ばれているらしい。広東、広西、雲南、東南アジアに分布するというこの黄色い竹が、他の地方でも同じ使われ方をされているのか、興味がある。どなたが、ご存じの方はいませんか?
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昆明の醤油6

2009-06-14 22:17:06 | Weblog
写真は昆明の市場の豆腐店にて。板豆腐と呼ばれる圧縮された板状の豆腐を真四角に切り、たっぷりの醤油でさっと煮る「紅焼板豆腐」を作っているところ。少し編の上で干してから店頭に並べていた。

【まだまだ続くか 行列は】
 昆明の醤油は持参した容器に詰めてもらう量り売りから、枕タイプと呼ばれる、いまにも穴があいてしみ出てきそうな、簡単なビニール袋詰め、オーソドックスなビン詰め、はたまた、1.5リットル入りペプシコーラ用のペットボトルを転用したとしか思えない、無地のペットボトル詰め拓東醤油など様々です。ペットボトル詰めは大抵、特売品コーナーに並んでいました。

 いまや香港、北京、広東からばかりか世界中から押し寄せる醤油市場。日持ちするため、地元の醤油会社は大変かと思いきや、拓東醤油を製造する昆明醸造工場長の楊広福さんは
「あくまでも市場は雲南省内です。省外と省内の味わいに差があるため、その市場は容易には崩されないでしょう」と地元新聞で語っています。宣伝力と包装技術が劣る地元ブランドの最後の頼みは、昆明っこの食の記憶、というわけです。

 とはいえ、実質、資本主義の世の中では、そのスタンスではやっていけません。なんとか売り上げを伸ばそうと、四川の漬け物市場に食い込もうとするなど、様々な取り組みを行ってはいるのです。成功にはまだまだ遠い道のようですが・・。
この製造側が一番問題にしているのが、じつは醤油の量り売りです。今や米線など市場になじみの量り売り商品は品質管理が難しいため、強制的に袋詰めなどの包装を政府は強制しています。新聞などを使ってキャンペーンも張ってはいるのですが、成果は今ひとつ。

 数十年来、大バケツを持って、自転車にまたがり、拓東路の行列に並ぶ李ばあさんは、
「子供たちはスーパーで袋入りの醤油を買えばいい、というのだけれど、袋入りじゃあ、あの拓東路に流れる馥郁たる薫りがないような気がするんですよ。水を加えてないとも限らないし、必ずしも包装されたものが量り売りより便利ともいえないしね」
ときっぱり。まずは品質への信頼が必要だというわけです。

 実際、1999年にEUは、中国醤油から発癌物質の3-MCPD含有量の基準超過を理由に輸入を停止。その後、信頼回復に向けて、国が審査してお墨付きを与えるQS標示を付けるなど、政府は必死に対策をとってはいます。

 ですが、中国ではどの食材にもいえることですが、いまだ得体の知れないものから醤油風のものをつくる偽ブランドが横行していて、取り締まりが追いついていない現実があります。そういう風潮が続く限り、品質の保証された直売所の行列は、まだまだ続くことでしょう。   (この章おわり)




6月27日の雲南懇話会ホームページhttp://www.yunnan-k.jp/yunnan-k/
参加申し込み;前田栄三(e3maeda*ab.auone-net.jp)までどうぞ。

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昆明の醤油5

2009-06-07 14:10:25 | Weblog
写真右奥のさくらのマークのついた立派なデパートが1993年に開業した「櫻花購物中心」通称サクラデパート。
 2005年3月に品揃えの悪さ(その半年前まではかなりすばらしい品揃えだった)や子供広場(滑り台などの遊具があり、ママの買い物につきあいきれないベビーシッターやババ様とその孫の遊び場として開放されている。昆明にはだだっぴろい広場はないが、遊具のある子供の遊び場にはことかかない)の不潔ぶりに、いやな予感はしたが、その後、日をおかずしてベニヤで入り口を塞がれ、閉店に。
 その左横のビルは、かつての「サクラ日航ホテル」(いまは単にサクラホテル)。日本航空がオフィスをおいて、日系ビジネスマンがこの付近を闊歩していた時代もあった。
 博覧会ブームが終わり、たんなる一地方都市となった2004年夏、日本航空の日本からの直行便は閉鎖され、オフィスも閉じられた。ちなみに同時期、韓国航空の直行便もなくなった。(それまで韓国からのゴルフ客の人気の地だった)
 昆明ではデパート商圏が毎年、続々と新しく作られるため、古くなると、客の入りは極端に悪くなる、という悪循環となっている。ここは今年に入り、タイ華僑による買収話が進んでいるという。
 デパートの右隣方向には雲南省政府の行政オフィスが並ぶ。不便になったら、行政ビルもどこかへ移るのかも、と思わせるもの悲しさが、昆明にはある。

【日本の料理に合う中国製醤油は?】
 私が味わったところ、ざっくり分けると雲南を含む内陸でつくられる醤油は色が濃く、とろりとしたたまり醤油系、香港や広東などの沿海地区でつくられる醤油は色も茶色く透き通り、さらりとした魚の蒸し煮にぴったりな醤油、という傾向がはっきりと感じ取れました。

 雲南で、湯豆腐や青菜のおひたしなど私好みの日本の料理をつくったときに重宝したのが、香港の『李錦記』から出している「魚蒸」醤油です。さっぱりしていて透明感のある味わいが日本料理によく合います。

(使う素材に合わせた名前なんて、わかりやすくてユニークだなあ、と見つけた瞬間から思っていました。調べるとなんと、この醤油はその切り口の新鮮さで香港管理局と香港テレビ主催の会で香港マーケティング賞を受賞していました!)

 キッコーマン醤油は、たとえ日本料理にぴったりだとしても、値段が中国製の10倍もするので、とても買う気にはなれません。

 日本の醤油で唯一、価格的にも健闘していたのが、1995年に中国大陸に進出したワダカン醤油。この醤油は時折、特売セールまでやってのけ、販促に力を入れていたため、それなりに売れていました。中国でも優良ブランドと認識されています。ただ、私としてはごく普通の醤油の味なら、中国にいる間は地元の食材にあう中国の醤油を選びたくなってしまい、あまり、買うことはありませんでした。

 このような状況をさっぱり知らない父が2度目に昆明を訪れるにあたって、みやげものの相談がありました。
「日本の醤油は中国のものとレベルが違ってうまいから、お世話になった方々へのみやげに、宮内庁御用達醤油はどうだろう?」というのです。こんなに豊かでしかも安い醤油の世界に、日本の最高級醤油・・。もちろん、丁重にお断りしたことはいうまでもありません。

 ちなみに、かつて2000年代初頭に高級百貨店として昆明で一世を風靡した「サクラデパート」(東風東路)には「世界の美食」コーナーがありました。フランス産高級チーズやワインなどとともにキッコーマン醤油と雪印ネオソフトマーガリン(パンにはやっぱりネオソフト! でおなじみの、です。)が、並べられていて、妙に感動したことがあります。

 日本の定価そのままという強気の値段設定に、いったい買う人はいるのだろうか、といぶかりましたが、店員に聞くと「外国人に売れている」とのこと。たしかにネオソフトはおいしい。しかし、案の定、この店は2005年に親会社の不渡りにともなってあっけなく閉店してしまったのでした。 (つづく)

*以前、お伝えしました雲南懇話会の発表準備が意外と大変です。発表というものが、あまりに久しぶりなため、資料をどこまで用意したらいいものか。原資料を精読訳しておいた方がいいかな、とうっかり思うと、たとえば米線の由来にでてくる「斉民要術」の米線あたりの日本語訳や研究は皆無なので、手間が半端ではなくなったり。ビーフンと米線の違いや「太麺」「細麺」の違い論争が中国のブログで巻き起こっていて、ついつい読みふけってしまったり。
 力を抜いたほうがいいだろうとはわかっていても、調べると疑問が深まって、調べ物の量が倍増してしまい、いまだ終わっておりません。はてさて、どうなることでしょう・・。

 詳しくは下記へ
雲南懇話会ホームページhttp://www.yunnan-k.jp/yunnan-k/
参加申し込み;前田栄三(e3maeda*ab.auone-net.jp)、
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