雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

気になる南米の野菜達④ のどが痛い、目がいたい

2018-04-20 11:13:11 | Weblog
写真はサンファン市場のトウガラシ売り場。トウガラシはビニール袋の口を開くように折りたたんで陳列されている。だが、本当に大切なものは、ビニール袋の口を閉めて、湿気を含まないようにして置かれているので、売り場の人に必要なものを伝える必要がある。
 市場を訪問した時期は3月で乾期なのだが、夕方にはほぼ必ず雷鳴がとどろき、雨が降っていた。雹が降った日もあった。ただ一時間以内に降り止むのであまり傘をさす人は見なかった。

【目が痛い!】
そのトウガラシ売り場の前に立つと、いるだけで咳き込んだり、目がしばしばしたりと、なにか強烈な物質が漂っていることが感じられます。通訳をお願いした人は、しばらくいると、たまらない、と遠くに距離を置いてしまいました。

おばあちゃんはかまわず、一枚を手に取っては自分でにおいをかいで、それから自慢げに私にもかがせ「いいにおいだろう」と言っている感じで、なにやら調理法などの説明をするようにしゃべり続けておりました。

メキシコシティの中心付近にあるサンファン市場にいったのですが、そこで日本人は珍しい、初めて観たよ、と言った人もいました。メキシコにお住まいの方は日本人と名乗らないか、もっときれいなウオルマートのようなスーパーに買い物に行くのかも知れません。

しかし、中国では収穫期のトウガラシの集積場に行ったり、生のトウガラシを細かく刻む現場にまで行っていたのに、これほど目が痛くなったり、咳き込んだ経験はありませんでした。南米のトウガラシ、恐るべし、です。

 そこで日本に帰って、改めてメキシコの唐辛子を調べると、生だったり、乾燥させたり、なんと、燻製までさせたりと、日本の昆布や煮干しや鰹節の合わせ技のような存在や保存法だということがわかりました。
 
 日本や中国、さらにイタリアでのトウガラシは、辛さの味付けや風味づけに油でさっと炒めたり、さらには少量、振りかけたりして辛みのアクセントにするといった使い方が主。インドなどで大量に使った場合でもあくまで、スパイスの一つとしての立ち位置です。
 
 けれどもメキシコのとうがらしは、味のベースとなる、より豊かな用途として使われていることがわかりました。
(つづく)
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気になる南米の野菜たち③

2018-04-15 11:30:41 | Weblog

写真はメキシコシティの中心地にある食料品専門のサンファン市場。肉、野菜、果物、調味料など食べ物関連の店舗が所狭しと並んでいる。

【チレの種類】
トウガラシは奥深くて、メキシコには30種類以上あるとか。

メキシコでスープでもソースでも一口食べるだけで、しびれます。辛さでしびれるのではなく、旨みの複雑さで。

その原因の大きな要素が唐辛子、メキシコで「チレ」と呼ばれるもの。

辛さは前回も書いたように、好みで一人一人、上に掛けるなどする方式をとっているので、加減ができます。そういった点も、押しつけがましさがなく、とてもスマートだと感じました。

【メキシコの市場へ】
 メキシコの市場に行ってみました。小さい店が100以上、軒を連ねる大きな市場です。

 市場は夕方5時まで、とは聞いていたのですが、中国では夕餉の支度の直前に時間にディスカウントがすごくて、結局は6時ぐらいまで開いているのが常識。
 今回、それを狙ったのですが、4時半前に着いたときには、野菜の上には白い布がかぶさり、唐辛子の店もまだ開いているのは、おばあちゃんが一人で経営している乾物屋のようなところのみ

 メキシコ人はお昼をたっぷりと食べて、夜は軽めにするのだ、と後になってききました。

 さて、その唐辛子屋。10種類ほど乾燥されたものが並んでいます。唐辛子の収穫時期ではないのでしょう。これらの値段はどれも同じぐらい。違いはない、といいます。
 
 そして量ることもせず、おばあちゃんが丁寧に束ねて、これで一種類、という感じでかなりざっくりと、私が買う分を袋に詰めていきました。
(つづく)
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気になる南米の野菜達②

2018-04-08 10:58:23 | Weblog
写真はチキンのトマト煮込み。辛くないパプリカのようなものが入っていて、味も複雑。胡椒などの香辛料よりもは、トマトの酸味とパプリカや唐辛子による酸味と旨みによる膨らみのある味わい。まったく辛くない。日本人の口に合う味で食べやすい。
メキシコ中心部の高級デパートEl Palacio de Hierroの最上階のレストランにて。
 日本のデパートの上階の料理店、と同じ雰囲気。客も少しハイソな店にきた、という雰囲気がまあまあ漂っていた。チキンの煮込みとスープとトルティーヤ、飲み物つきで800円ほど。


【意外と辛くない!】
 まず、メキシコ料理の概念は辛い、というイメージ先行だったのですが、実際に食べると、雲南のほうがよほど辛い、さらにタイのほうが、もっと辛い、という事実。

 タイは選びようもないぐらいスープにすでに辛めの味付けがまんべんなくされていて、逃げ場ななかったりします。そこにさらに辛い付け汁を付け合わせても可、となっています。

 雲南は様々な民族が暮らす土地柄のせいか、辛いたれや付け合わせは自分でお好みで、自分の皿で付ける、というのが基本。旅行者向けのレストランではなく、地元の食堂ならなおさら、その傾向が強まっていました。唐辛子は日本でも、最近、「雲南トウガラシ」の名前で売られている、小指サイズほどの真っ赤なぴんととがったトウガラシです。いや、それしか知りません。

ところが、メキシコでは、トウガラシの種類が桁違いに豊富。激辛からまったくからくないものまで大きさも形もとりどりです。なかには、日本の煮干しや昆布のようにうまみ成分を期待して入れているようなものまでありました。そう、唐辛子は辛い味を期待する、というよりもは、旨み成分を期待して使っている料理も多いようです。

また、たとえ、辛くてもうまみ成分が口に広がり、身体の循環をよくしてくれるようで、身体がポカポカと温かくなってきたのです。

もちろん、トウガラシベースのつけだれなどはお好みで追加できるようになっていました。ヨーロッパ系、古来より住んでいる各民族、それらの混血であるメスチーソらが暮らす雲南以上に複雑な多民族の土地柄のせいでしょう。
(つづく)

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気になる南米の野菜たち① 日本より雲南のほうが南米に近いのか?

2018-04-01 15:01:11 | Weblog
写真はメキシコにある世界三大ピラミッドの一つ、テオティワカン。乾期のおわりだが、周囲には暑さに負けずに緑が生い茂る。

【雲南で見る原種に近いトウモロコシ】
雲南で畑を見て感じるのが、なぜかアメリカ大陸原産の作物が多いこと。秋には360度、地平線まで見渡すばかりのとうもろこし畑。春には緑の蔓の下にあるじゃがいもたち。ほかにもカボチャにサツマイモ。いまや中国原産かと錯覚してしまうほどの大量のとうがらし・・。

もちろん、日本でも栽培されていますが、その種類といい、日本とは桁違いに雲南は原種に近いものが多いようです。

とくにトウモロコシは、濃い紫色から、もちトウモロコシと呼ばれる、もちもちした食感の白い色、もちろん日本で一般的な黄色まで、バリエーション豊かに見られます。

雲南では、そのままシンプルに茹でたり焼いたりしたいわゆる「焼きトウモロコシ」が屋台で売られているほかに、これらのトウモロコシを臼で粉に挽いて、「餅(ぴん)」と呼ばれる、お団子やふかしモチのような食べ物がお年寄りには懐かしい雲南農村の味、として親しまれています。

カボチャは、以前、当ブログで記したようにこの原産地をめぐって、中国人研究者がヨーロッパ人によって新大陸を発見される以前から中国にあった文献を発見し、原産地は中国説を唱えました。

ただ、中国の書物は一人の人が書いた後、書き写すたびに、文章が挿入されて増えていく傾向があり、カボチャの話はその時に挿入されたもの、というのが現在の見解です。
(当ブログ「かぼちゃの花炒め」2015.9.27)

はたして、これほど雲南になじんでしまったアメリカ大陸原産の野菜達、いった原産地ではどうなのか、一週間という、ほんのちょっぴりの時間ではありますが、見てきました。そのリポートをお届けします。
(つづく)

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