雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

二度目のロンドン49 神秘の巨石ストーンヘンジ③

2024-09-29 12:23:27 | Weblog
写真はストーンヘンジ。強風のため、視界近くは開けてきたときに撮影。周囲は白いままだった。

【奇妙な感覚】
ほどなくしてバスは停車。降りると、サーッと霧が晴れて目の前にストーンヘンジが現れた、というか立っていました。とはいえ円環に組み合わさった巨石の間を抜けたり、近づいたりすることはできず、5メートルほど先から眺めるだけ。周囲はロープで仕切られているのです。
 さらに周りには比べるための木々すらないので、本当の大きさが実感できません。

ただ夏至の日だけ開放されるそうです。

ひとまず相変わらずの雨風に前傾姿勢をとりながら、巨石群を一周しました。目を必死で開けてなんとか見た、といった感じで、いろいろと感じる余裕はありません。

 ただ、風よけに使っているのでしょうか? 一匹の真っ黒なカラスが、ストーンヘンジの巨石の横にちょこんといました。巨石に近づける、うらやましいカラス。そして、きょとんとして、かわいい。濡れそぼっているはずなのに気にしていない様子です。

 霧にけぶり、こんなに寒い思いをしているのにストーンヘンジからは驚くほどなにも感じません。ぐるりと回りこんで、最後に巨石が門の衝立のようにみえる、正面らしき位置に立った時に異変が起こりました。
 長野の諏訪大社、出雲大社の裏にあるスサノオを祀る社などいくつか感じるスポットのものと同じ何か。ある、微妙な一筋の方向に立った時、なんというか石から声が聞こえてきたような気がしたのです。私が何か問うと答えてくれるような感覚がありました。
(たぶん、私は地球の磁場とかいった圧を人一倍感じやすい体質なのだと思います。そのような奇妙に感じる場所に昔の人は神社とかを建てたのでしょう。良くも悪くもパワースポットと言われているゆえんです。)

 よほど長く同じ場所に立っていたのでしょう。気づくと横に家人がいました。

「そこ、ちょうど真北だよ」

家人は方位のわかる時計を持っているのでわかるのです。真正面が巨石の門、その後ろを振り返ると、真後ろにはストーンヘンジ群の巨石とは違う材質の直径30センチもない丸くて固い、目印のような石がありました。ちょうど背中を見張られたような位置です。びっくりしました。
                         (つづく)
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二度目のロンドン48 神秘の巨石ストーンヘンジ②

2024-09-15 15:17:54 | Weblog
ストーンヘンジのある丘とその周辺。霧が晴れるとどこまでもなだらかで牧歌的な光景が続いていた。

【旅は移動の距離なのか】
小麦畑や自然の森などいろいろな緑が重なり合った色と広がり。都会ではない、未知の場所へ向かっているわくわく感。霧にけぶる景色をみているだけで、うれしさがこみ上げてきます。日々ロンドンを旅行している、と思っていたのに、毎日を同じ住まいで狭い範囲で動いているだけだと、旅のわくわくが薄れていくものなのかもしれません。

しかも、ただ動いているだけのではなく博物館や図書館、テニス観戦、演劇鑑賞すべてが超一流のものばかりに触れているというのに。遠出というのは「別腹」、まったく別の感情が沸くもののようです。これは贅沢病? 

 ソールズベリー駅からバスに乗り換えストーンヘンジへ向かいます。駅前のロータリーにはストーンヘンジツアー(StonehengeTour)社からの直通バスが出ていて、流れるように乗車できます。さてバスに乗っていると雨の様相がけわしくなり、たたきつけるようになってきました。終着地の「ストーンヘンジビジターセンター」駐車場に着くころには雨脚に加えて風も強くなっていました。バスを降りても「センター」のほかに周囲にはなにもなく、ストーンヘンジを頂点とする丘に向かって吹き上げるような、盛大な風が吹きすさんでいます。

さらに濃い霧につつまれてしまい、あまりに神秘的すぎる。そして夏なのに寒すぎる。濡れることと寒さが極端に苦手な私は、とにかく「センター」の建物に入って態勢を整えようと、木と吹き抜けのガラスで作られた立派なビジターセンターに入ることにしました。ここで少し雨宿りして様子をみよう。

そのことを一緒に来た家人に伝えようと見渡すと、なんと家人はすでにバスに乗るときに買ったチケットの一部を引き替えて、さっさとストーンヘンジのすぐ近くに行ける少し小さめのバスに乗り込んでしまっているではありませんか。これは私も行くしかない。

小型のバスに乗り込むと、悪天候のせいか、独特の雰囲気が漂っています。ある覚悟を持った雰囲気で雨よけのポンチョなどをすっぽりとかぶっていたり、雨なぞ平気と鉄壁のお心の様子がお顔に現れていたり。気持ちがゆらいでいるのは、もはや私だけ。

案の定、バスがビジターセンターから離れていっても、窓は霧で完全に白くなってきて何も見えません。雨風ともに、ますます大変になっていて、足元から吹き上げる水しぶきとなっていました。ストーンヘンジはどこ?
                      (つづく)
※パソコン不調につき、原因究明のために次週の更新はお休みになりそうです。暑さでパソコンもばてたのかもしれません。

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二度目のロンドン47 神秘の巨石 ストーンヘンジ①

2024-09-08 15:26:20 | Weblog
ロンドン最大規模の駅から特急で1時間23分でソールズベリー駅に到着。こじんまりとしたごくごく普通の駅だった。

【ソールズベリーへ】
ロンドンに来て10日目。私の顔は今朝も赤い、ザリサリします(原因は先週まで書いた通り)。
今朝は6時半に起床し、手早く朝食を済ませて、7時20分に家を出ました。目指すはストーンヘンジ。

なんだかよくわからない、巨石の丸い連なり(「環状列石」と呼ばれています)。日本のマンガやSFでもたびたび登場する神秘の土地。1986年には世界遺産にも登録されています。

 小ぬか雨のなか、ロンドンの複雑な地下鉄を乗り継いでウォータールー駅へ。イギリス最大規模の駅で乗降客数も最大、とウィキペディアにありますが、今まで訪れたロンドンの各駅とは一線を画した都会的で先進的な雰囲気の漂う落ち着いた駅でした。「ハロッズ(Harrods」の紅茶売り場など、いかにもロンドンの一流のお店が並んでいて、誰でも弾けるグランドピアノが広い空間にゆったりと置かれていました。

ここで最寄り駅のソールズベリー駅までの乗車券と特急券の往復を買うと一人1万円を越えてしまい、その高さに驚きました。片道204キロも移動するのですから考えてみれば当たり前なのですが、いかに今まで近距離移動だけだったのかと気づかされました。

 8時20分発の特急へ。西へ向かうほど列車はどんどん加速し、どんどん列車は加速し、たわわに実る麦畑と霧にけぶる林と田園風景を眺めていると、9時43分にソールズベリー駅に到着。
 雨のせいなのか、久しぶりに嗅ぐ、曇りのない、のどやかな空気に深い深呼吸をすると、肩の力がほぐれていくようでした。
                 (つづく)

※残暑でお疲れも出てくるころかと思います。ゆっくり休んで、せめて深呼吸をなさって、お過ごしください。

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二度目のロンドン46 水が問題⁉⑤

2024-09-01 10:34:41 | Weblog
クイーンズウェイ近くのシェアハウスの窓から見えるお隣の景色。表通りに面した部分はきれいに補修されていても裏から見ると、19世紀の香り漂う古風さが漂う。19世紀のシャーロックホームズも、現代のBBCテレビでヒットした『シャーロック』も同じマンションで暮らしていてもなんも違和感もないのがロンドン。古さに比重を置きつつも補修でつなぐ文化がすばらしくもあるが、基本的なインフラ部分の更新が難しくなる面もあるようだ。

【問題を先送りした結果】
1989年サッチャー政権下での民営化後、若干の水質が改善したものの、老朽化していく水道管などへの投資がほぼ行われないまま、今にいたってしまった。250個分プールの漏水もテムズウオーター一社だけの話で民間会社は10社あるので、もっと多いことでしょう。日本もいずれ訪れる他人事とは思えないこわい現実です。

 ならば老朽化した水道管の更新をすればよいと思うのですが、そのお金はない、といっていう水道会社。だのになぜか役員報酬だけは上がっているという歴然たる事実に市民の怒りは爆発気味。

このような水道環境の上に、ロンドンでは水道メーターがほとんど普及していないので、それぞれがどれぐらい使っているのかもわからない状況。当然、節水意識も芽生えにくくなります。

一方で水道メーターを取り付けると、はっきりと使用料がわかって水道代があがるのでは、と恐れる市民はメーターの取り付けに消極的ということもあるそうです。

こうして近代水道設備の最初期に普及したまま、放置され続けてしまっているのです。

水質水は安全とのことですが、ロンドン在住者の多くはミネラルウオーターを使用しています。

結局、水の中身は詳しくは追えなかったですが、実感としてわかるのは硬水なので、身体を洗うにしても石鹸はあまり泡立ちませんし、髪を洗うとなぜかゴワゴワしてしまいます。シェアハウスの方々も同意見だったので、これは割り切るしかなさそう。ロンドンでは敏感肌の方はくれぐれもご用心ください。
(この章おわり)
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