写真はストーンヘンジ。強風のため、視界近くは開けてきたときに撮影。周囲は白いままだった。
【奇妙な感覚】
ほどなくしてバスは停車。降りると、サーッと霧が晴れて目の前にストーンヘンジが現れた、というか立っていました。とはいえ円環に組み合わさった巨石の間を抜けたり、近づいたりすることはできず、5メートルほど先から眺めるだけ。周囲はロープで仕切られているのです。
さらに周りには比べるための木々すらないので、本当の大きさが実感できません。
ただ夏至の日だけ開放されるそうです。
ひとまず相変わらずの雨風に前傾姿勢をとりながら、巨石群を一周しました。目を必死で開けてなんとか見た、といった感じで、いろいろと感じる余裕はありません。
ただ、風よけに使っているのでしょうか? 一匹の真っ黒なカラスが、ストーンヘンジの巨石の横にちょこんといました。巨石に近づける、うらやましいカラス。そして、きょとんとして、かわいい。濡れそぼっているはずなのに気にしていない様子です。
霧にけぶり、こんなに寒い思いをしているのにストーンヘンジからは驚くほどなにも感じません。ぐるりと回りこんで、最後に巨石が門の衝立のようにみえる、正面らしき位置に立った時に異変が起こりました。
長野の諏訪大社、出雲大社の裏にあるスサノオを祀る社などいくつか感じるスポットのものと同じ何か。ある、微妙な一筋の方向に立った時、なんというか石から声が聞こえてきたような気がしたのです。私が何か問うと答えてくれるような感覚がありました。
(たぶん、私は地球の磁場とかいった圧を人一倍感じやすい体質なのだと思います。そのような奇妙に感じる場所に昔の人は神社とかを建てたのでしょう。良くも悪くもパワースポットと言われているゆえんです。)
よほど長く同じ場所に立っていたのでしょう。気づくと横に家人がいました。
「そこ、ちょうど真北だよ」
家人は方位のわかる時計を持っているのでわかるのです。真正面が巨石の門、その後ろを振り返ると、真後ろにはストーンヘンジ群の巨石とは違う材質の直径30センチもない丸くて固い、目印のような石がありました。ちょうど背中を見張られたような位置です。びっくりしました。
(つづく)