【真夏の夜の夢】
リージェンツパークを下見した5日後、いよいよパーク内の野外劇場へ観劇する日となりました。
日中は大英図書館で過ごして、いったん、シェアハウスに帰宅。昼寝をして体調を万全にしてから劇場へ向かいます。劇の開始は午後7時45分ですが、午後6時半にいくと開場されていて、人もずいぶんと集っていました。
写真は野外劇場のあるクイーン・メアリーズ・ガーデンズ(Queen Mary's Gardens) の入口にあるジュビリー・ゲート(Jubilee Gates)
入場ゲートから劇場に行くまでの空間はツタの楽園で緑の植栽もほどこされていて、とってもおしゃれです。さすが元王立植物園予定地。
雰囲気のいいバーや食事処もありました。
持参したサンドウィッチとバナナにバーで生ビールをプラスして、このおしゃれ空間の木の机に広げて、ゆったり過ごしました。食事処が充実していると知っていれば、持参することもなかった、とは思ったのですが、おおらかな雰囲気で持ち込み可のようでありがたい。
食べ終えてもなお頭上にはまだ青空が広がっています。とはいえ日はさすがに斜めになって赤が多めの光線になってきました。
さて劇場へ。すり鉢状の客席の中央に石の舞台が見えます。さながらローマの野外劇場のよう。舞台の後ろにはそのままパークの高い木々がそびえ深い森を予感させ、とても神秘的。
1240席(リージェンツパーク発表https://www.friendsofregentspark.org/)ある広い劇場の中で私の席は後ろの方、つまりすり鉢のヘリに当たります。空間の一番高いところに座ることになるので、見晴らしは最高。劇は見えないかな、と思ったのですが、はじまってしまえば杞憂でした。
開始時刻が近づくと日が弱くなり、風が急に冷たくなってきました。うまい具合に売店でおしゃれな足掛け毛布を売っていたので購入。観劇中、寒そうにしていたお隣のおばあさんにも掛けてあげたら、
「よい選択をされたわね。寒いわね」
と喜ばれました。
劇はシェイクスピアの喜劇「真夏の夜の夢」。演出は斬新で中世を現代風に移し替えていました。劇中の人物が大きなナイロンのリュックサックを背負って現れたり、服もジーンズだったり、竹馬に乗っていたり。センスもテンポも心地よく、英語がちょっとしかわからなくても十分、楽しめました。
観劇も終わり、帰ろうとするとひざ掛けを共有したお隣の銀髪のおばあさんに
「あなた、セリフわかる?」
と聞かれたので「少しだけ」と答えると
「あら、私と同じね。今は使わない古語だから、イギリス人が聞いてもよくわからないのよ」
ウインクされたお顔がとってもチャーミングです。
「雰囲気で笑っちゃうのよね。それがシェイクスピアの不思議さね」
とほほ笑んでおられました。つまり日本の歌舞伎のようなものなのかしら?
この劇は行って正解。寒いので、防寒対策はしっかりされることをおすすめします。
(つづく)
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