この景色をバックに記念写真を撮った。そして、周囲に、そのような撮影をする車が他にもあったことに驚いた。
【マホガニーフォレスト】
船から降りて、プロポーズの様子を添乗員さんに話すと
「ワオ! すごい話だ」
私が「川下りはプロポーズのメッカなの?」と聞くと、
「はじめて聞いたよ。いやあ、すごいねえ。今度、ラジオで話そう」
と大興奮。最初に話したように、ラジオ番組を持っている人なのです。
次に行く場所は教会なのですが、その前にウインクして
「すごい場所に案内してあげるよ」
着いたところがうっそうとした森林に囲まれた車道。森林浴によさそうです。
「さあ、ここで写真を撮ってあげよう」
と、木の根本でパチリ。
添乗員さんはすごいだろう、と自慢げです。
葉が生い茂り、南国の日差しが地上まで届かない暗い森。涼しく湿った空気。葉が落ちて出来上がった黒土をしっかりと根がつかみ、その根が地上をうねっていく光景。これって、日本で見慣れたごく普通の林です。
林なら、来る途中にもたくさんありました。南国の自然林が。ただ、この20平行キロメートルのところだけが、マホガニーの人工林。マホガニー材が高く取引されていた時期に植林された場所なのです。
日本では、戦後まもない時期に植林した杉の人工林があまりの多いので、このような単色な森は見慣れているのですが、ボホールでは珍しい景色なのでしょう。マニラなどからわざわざ見に来る人もいるとのこと。
結局、日本で撮ったかのような写真が出来上がったのですが
「ここは私にとっては珍しくない」とは口が裂けてもいえませんでした。
これまで走ってきたヤシの木を主体とし、様々な植物が重層化している南国の自然林こそ撮りたかったなあ。
(「当たり前」は、そこにいる人には見えないものなのですね。フィリピンの人を日本に案内するときは、近くの杉林に連れていくと喜ばれることでしょう。)
※今年は旅行もままならない、それどころか息をするのすら大変な年となりました。そんななか、お読みくださりありがとうございました。
よいお年をお過ごしください。
次週の更新は、お休みします。