石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

BPエネルギー統計レポート2013年版解説シリーズ:石油+天然ガス篇3 埋蔵量(3)

2013-08-22 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0277BpOilGas2013.pdf

 

(過去22年の埋蔵量の伸び率は年平均2.3%、石油と天然ガスの比率は6:4で変わらず!)
(3)1990年~2012年までの合計可採埋蔵量の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/3-1-G03.pdf 参照)
 1990年末の世界の石油と天然ガスの埋蔵量はそれぞれ1兆275億バレルと110兆㎥(石油換算6,896億バレル)で合計埋蔵量は1兆7,171億バレルであった。因みに両者の構成比率は石油60%、天然ガス40%であるが、この比率は2012年まで殆ど変っていない。

 1990年代を通じて埋蔵量は年率1~2%で漸増し1999年には対前年比8.2%と大幅に増加し合計埋蔵量は2兆バレルを突破した。その後2002年に2.3兆バレル記録した後の数年間は1%以下の低い増加率にとどまった。しかし2007年以降は再び増加傾向を回復、2012年の埋蔵量は石油1.7兆バレル、天然ガス187兆㎥(石油換算1兆1,780億バレル)合計2.85兆バレルに達している。これは1990年の1.7倍である。

 1990年から2012年までの過去22年間の平均成長率は2.3%である。次項(可採年数)に述べるとおり埋蔵量を生産量で割った可採年数は過去20年間ほぼ一貫して上向いており、石油及び天然ガスの探鉱・開発活動が活発に行われ、生産量をしのぐ埋蔵量の追加があったことを示している。

 これは何と言っても今世紀に入り石油・天然ガスの価格が大幅に上昇したことにより、国営企業・民間企業のいずれを問わず石油・天然ガス上流部門に大きなインセンティブが働き、深海、極地などでの探鉱開発が活発になり、或いは米国のシェールガス、シェールオイルに見られるように新しい開発生産技術が開花したことが大きな理由であろう。

(続く)

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 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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