(注)本レポート上、下は「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0329OilMajors2014-3rdQtr.pdf
2.前年同期との業績比較
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/1-D-4-20.pdf参照)
売上高及び原油・ガス生産量は五社ともに前年同期を下回っている。利益はBPが前年同期の3分の1に大きく落ち込んでおり、一方Shevronは二桁台の増益であった。設備投資はTotal以外は昨年同期比で減少している。
(1) ExxonMobil
ExxonMobilの2014年7-9月期の売上高は1,075億ドルであり、前年同期の1,124億ドルに比べ-4.5%の減収であった。これに対して利益は81億ドルで前年同期を2.5%上回った。この結果、同社の売上高利益率は前年同期の7.0%から今期は7.5%に改善されている。
原油と天然ガスを合計した生産量は石油換算で383万B/Dであったが、前年同期は402万B/Dであり4.7%減少している。また7-9月期の設備投資は98億ドルであり、前年同期の105億ドルに比べ-6.7%であった。
(2) Shell
Shellの2014年7-9月期の売上高は1,098億ドルであり、前年同期の1,183億ドルに比べ-7.7%の減収であった。利益は45億ドルでやはり前年同期の47億ドルを4.8%下回っている。売上高利益率は4.1%であり前年同期とほぼ同じ水準である。
原油と天然ガスを合計した生産量は石油換算で279万B/Dであったが、前年同期は293万B/Dであり4.8%減少している。また7-9月期の設備投資は85億ドルであり、前年同期の97億ドルに比べ-12.4%と大きく下落している。
(3) BP
BPの2014年7-9月期の売上高は939億ドルであり、前年同期の966億ドルに比べ-2.9%の減収であった。これに対して利益は13億ドルで前年同期の35億ドルのほぼ3分の1に激減している。この結果、同社の売上高利益率は前年同期の3.6%から今期は1.4%と大きく落ち込み、5社の中では極めて低い利益率であった。
原油と天然ガスを合計した生産量は石油換算で215万B/Dであり前年同期の221万B/Dに比べて2.7%減少している。また7-9月期の設備投資は53億ドルであり、前年同期の59億ドルに比べ-9.7%であった。
(4) Total
Totalの2014年7-9月期の売上高は604億ドルであり、前年同期の618億ドルに比べ-2.5%の減収であった。利益も36億ドルで前年同期を2.0%下回り、売上高利益率は前年同期と同じ5.9%であった。
原油と天然ガスを合計した生産量は石油換算で212万B/Dであったが、前年同期は230万B/Dであり7.7%減少している。また7-9月期の設備投資は57億ドルであり、前年同期の48億ドルに比べ19.5%増加している。但し先に触れたとおり積極的な探鉱投資は裏目に出ており生産量の増加につながらないため同社は最近投資の見直しを行っている。
(5) Chevron
Chevronの2014年7-9月期の売上高は547億ドルであり、前年同期の585億ドルに比べ-7.0%の減収であった。これに対して利益は前年同期50億ドルを11.5%上回る56億ドルであった。この結果、同社の売上高利益率は前年同期の8.5%から今期は10.2%となり5社の中では唯一2桁台の利益率となっている。
原油と天然ガスを合計した生産量は石油換算で前年同期とほぼ同じ257万B/Dであった。また設備投資は94億ドルであり、前年同期の106億ドルに比べ-11.1%であった。
以上
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