石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

現地記事転載:「パレスチナ人の人口;戦争により2024年のガザ地区人口は6%減少」

2025-01-10 | 現地紙記事転載
(原題) Palestinian population in Gaza Strip decreased by 6% in 2024 during Israeli war
2025/1/5 Arab News

 
ガザ地区のパレスチナ人の人口は2024年に6%減少した。イスラエル国内及び全世界のパレスチナ人の総数は約1500万人に達している。

パレスチナ中央統計局が発表した2024年人口統計によると、ガザ地区の人口は2024年に6%減少、約16万人減少し総人口は210万人になるという。この報告書では、2024年12月時点でガザ地区戦争中に45,484人が死亡したことを確認している。犠牲者には、子供17,581人、女性12,048人に加え瓦礫の下で死亡したとみられる行方不明者11,000人が含まれている。さらに、2023年10月にイスラエル軍の侵攻が始まって以来、10万8090人が負傷し、約10万人のパレスチナ人がガザ地域から逃げ出した。パレスチナのマフムード・アッバス大統領は、これらの数字は「恐ろしい」ものであり、イスラエル占領軍の「残虐行為と我々の国民に対する血なまぐさい虐殺」の程度を示していると述べた。

全世界のパレスチナ人の総数は2024年に1,490万人に達し、統計局によると、そのうち730万人がヨルダン川と地中海の間に住んでいる。このうちヨルダン川西岸、東エルサレム、ガザには550万人居住しているが、その65%は30歳以下、65歳以上はわずか4%である。

内訳は占領下のヨルダン川西岸と東エルサレム約340万人、ガザ地区210万人である。なおイスラエルのパレスチナ国民は180万人である。また約640万人のパレスチナ人が、ヨルダン、シリア、レバノン、アラブ首長国連邦、エジプト、サウジアラビアなど、さまざまなアラブ諸国に居住しており、残りの120万人のパレスチナ人は、ヨーロッパや北米を含む西側諸国に居住している。


以上
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現地記事転載:「今や戦う相手は病魔のみ:心配されるネタニヤフ・イスラエル首相の健康状態」(下)

2025-01-08 | 現地紙記事転載
(原題) Israeli hospital says Netanyahu has undergone successful prostate surgery
2024/12/29 Arab News

心臓病を含む過去の健康問題
 
ネタニヤフ首相は、健康状態は極めて良好だと強調している。首相官邸は、軍将校に付き添われて防護服を着て戦場を視察する首相の映像や、若々しいダークなサングラスとダウンジャケットを着て風の吹き荒れる丘の上で国防当局者と会談する首相の映像を公開している。

しかし、一昨年、医師らが首相が心臓病を患っていることを明らかにした時、そのイメージは打ち砕かれた。首相はこの問題をずっと前から知っていたようだが、国民には隠していた。失神発作から1週間後、ネタニヤフ首相は心拍数を制御するペースメーカーを装着した。そのときになって初めて、シェバ医療センターは、ネタニヤフ首相が何年も前から不整脈を引き起こす可能性のある症状を患っていたことを明らかにした。慢性的な心臓疾患に関するニュースは、イスラエルの極端な政治的二極化の中でさらなる怒りと不信をかき立てた。

一昨年、ネタニヤフ首相は医師がおそらく脱水症だと言ったため病院に緊急搬送された。彼は一晩入院したため閣議は延期された。今年(注、2024年)初め、ネタニヤフ首相はヘルニアの手術を受け、全身麻酔で意識不明の状態だった。手術中、レビン氏が首相代行を務めた。

回復は早い場合がある
首相は水曜日、前立腺の良性肥大による尿路感染症と診断され、感染症は抗生物質でうまく治療されたが、いずれにしても手術が必要だと医師らは述べた。ラビン医療センターの腫瘍泌尿器科部長シェイ・ゴラン医師は、前立腺肥大による合併症は70代や80代の男性によく見られると語った。

前立腺肥大は膀胱の適切な排尿を妨げ、尿が溜まって感染症やその他の合併症を引き起こす可能性がある。薬物治療後、医師は将来の閉塞を防ぐために前立腺を除去する手術を勧め。ネタニヤフ首相の場合、前立腺は癌ではないため、医師らは前立腺に到達するために腹部を外科的に切開するのではなく、体腔に小さな器具を挿入する内視鏡手術を行った可能性が高い。手術は約1時間かかり、回復は早い。手術後1~3日間のカテーテル使用を除けば、患者は大きな制限なく通常の活動に戻ることができる。

以上
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現地記事転載:「今や戦う相手は病魔のみ:心配されるネタニヤフ・イスラエル首相の健康状態」(上)

2025-01-07 | 現地紙記事転載
(原題) Israeli hospital says Netanyahu has undergone successful prostate surgery
2024/12/29 Arab News

 
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が前立腺摘出手術を受け、成功したと報じられた。同首相はガザ紛争や汚職容疑での裁判など、複数の危機に対処しながらこの手術を受けた。

近年、一連の健康問題を抱えてきたネタニヤフ首相は、健康で精力的な指導者という世間のイメージを強化するためにあらゆる努力をしてきた。年末の裁判中、首相は葉巻を片手に1日18時間働いていると自慢していた。しかし、イスラエル最長在任の指導者として通算17年間の権力の座にある間にこれほど過酷な仕事量を続けてきたことが、首相の健康に悪影響を及ぼしている可能性がある。

ネタニヤフ首相(75歳)は、ジョー・バイデン米大統領(82歳)、ドナルド・トランプ次期大統領(78歳)、ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ大統領(79歳)、フランシスコ法王(88歳)など、年齢や健康問題で注目される世界の高齢指導者の一人だ。

ネタニヤフ首相の最近の症状は高齢男性によく見られるが、この治療により多少の悪影響が出ている。同首相の裁判を監督する判事らは予定されている3日間の証言を中止するよう同首相の弁護士から要請を受けた。アミット・ハダド弁護士は、ネタニヤフ首相は完全静養で数日間入院すると主張した。手術中は側近のヤリブ・レビン法相が首相代行を務めた。戦時中のネタニヤフ首相の健康はイスラエルにとっても世界にとっても懸念事項である。

地域混乱の時代
イスラエルの指導者として、ネタニヤフ首相は中東情勢を揺るがす世界的な大事件の中心にいる。過去14か月間の目まぐるしいペースを考えると、たとえ数時間でも行動不能になると危険を伴う。調停国がイスラエルとハマスにガザ停戦を迫り、イスラエルとイエメンのイラン支援を受けたフーシ派との戦闘が激化する中での入院である。

前立腺の問題は一般的で、多くの場合簡単に治療できる。それでも絶え間ない脅威に直面するイスラエル国民と、イスラエルの弱点を暴こうとする敵の両方に対して、これまで以上に強さを見せつけたい時期、この手術はネタニヤフ首相の活力のイメージを傷つけることになる。

(続く)
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現地記事転載:「欧州の天然ガス輸入に迫る二つの難問」(下)

2024-12-30 | 現地紙記事転載
その2:カタール・エネルギー大臣、怒りの発言
(原題) Qatar warns it will halt gas exports to Europe if fined under EU due diligence law
2024/12/23 Ahram Online

 

7月に発効したEUの企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)は、経営陣が人権や環境への悪影響に対処しなかった場合、企業の年間世界売上高の最大5%の罰金を科すことを認めている。

「欧州への供給で売上高の5%を失うなら、欧州への供給はしない」とカタールのアル・カビ・エネルギー大臣は日曜掲載のfinancial Timesのインタビューで語った。同大臣は、「はったりを言っているわけではない」と付け加えた。しかし同大臣は、罰金の対象が世界総売上高ではなく欧州で生み出された収入だけであれば妥協の余地があるかもしれないと示唆している。

「だが、総収入にまで踏み込みたいなら、それはまったく意味をなさない」と同大臣は述べた。アル・カビ大臣は、液化天然ガス(LNG)供給契約を破棄するつもりはないが、多額の罰金を科せられた場合は法的手段を検討すると付け加えた。「罰金を科せられることは受け入れない。その時は欧州へのガス供給を停止する」と同大臣は語っている。

欧州諸国がロシア産ガスからの脱却を模索する中、カタールはドイツ、フランス、イタリア、オランダにLNGを供給する長期契約を締結した。グローバル法律事務所リード・スミスのエネルギー・天然資源グループのパートナー、ジェームズ・ウィルン氏は、「カタールは世界最大のLNG輸出国の一つだ。ロシアからの天然ガス供給が減少したため、EUはカタールのLNGへの依存度を増している。カタールのLNG輸出が中断すれば、特に需要がピークとなる冬季に供給制約が悪化する可能性が高い」と述べている。

アラブ首長国連邦のザ・ナショナル紙は「カタールの対応は、他のエネルギー輸出国がEUのCSDDDに抵抗する前例となる可能性がある。そうなれば、EUは持続可能性の目標と経済およびエネルギー安全保障上の配慮とのバランスを取るよう圧力を受けることになるだろう」と報じた。

CSDDDはEU内外から批判を浴びている。各国は2026年までに新規則を国内法に導入する必要がある。1年後の2027年には、規則が企業に適用され始め、発効後3年から5年の間に段階的に導入される。この指令は、企業の慣行を2050年までにネットゼロ排出量を達成するという目標に合わせるというEUのより広範な戦略の一部である。

欧州委員会は、この指令は国際法に合致しており、この措置の下で何が悪影響を構成するかは世界的に認められた基準によって決定されると強調した。委員会の声明によると、「この指令の下でのデューデリジェンスはリスクに基づくものである。企業に要求しているのは、特定された悪影響に見合った、合理的に利用可能な措置を講じることだけだ」と声明は付け加えている。

ブルームバーグが12月に報じたところによると、ドイツは、欧州連合最大の自国経済が景気後退に苦しむ中、この法律を2年間延期し、中小企業に報告義務を免除するよう求めている。「企業に不必要な負担をかけないように」変更が必要だと欧州委員会は付け加えた。

以上

(筆者追記)
 上記ロシア及びカタールの警告とは別に、米国のトランプ次期大統領は、欧州にエネルギーの輸入促進を迫っている。次期大統領は国内向けには「掘って、掘って、掘りまくれ (Drill, baby, drill)!」とばかり天然ガスの生産増強を促す気配であり、化石燃料による地球温暖化問題には無関心を装っている。欧州としては一時的措置として同盟国の米国から天然ガスを輸入することでエネルギー危機を回避できる。しかしこれは欧州が米国に随従することにつながり、欧州のプライドは傷付くことになろう。欧州にとっては難しい選択を迫られる状況である。

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現地記事転載:「欧州の天然ガス輸入に迫る二つの難問」(上)

2024-12-28 | 現地紙記事転載
(解説)欧州の天然ガス輸入が来年以降激減する恐れがある。一つはウクライナを経由するロシアー欧州間の天然ガスパイプラインの契約が今年末で期限を迎えるが、ウクライナが更新を拒否しており、もしそうなればロシアから欧州向けのパイプラインはトルコ経由のみとなり(3本目のロシア―ドイツの北海ノルドラインは爆発事故で送ガス停止中)、ロシアからの輸入ガスの半量が無くなることになる。

また、ロシア産天然ガスの代替輸入先としてカタールのLNG輸入を拡大しているが、EU側が人権や環境への対策としてデューデリジェンス指令(CSDDD)を制定、対象企業に巨額の罰金を課そうとしており、これに対してカタールが猛反発していることである。

ここではこの二つの問題を取り上げたニュース2件を紹介する。


その1:露ノヴァク副首相(兼エネルギー相)の発言
(原題) Russian pipeline gas and LNG exports to Europe up 18-20% in 2024, Novak says
2024/12/26 Khaleej Times (ロイター電)

 

ロシアのアレクサンダー・ノヴァク副首相(エネルギー相兼任)は水曜日、天然ガスの今年の欧州諸国への総輸出量が昨年より18~20%増加しており、1月から11月までのパイプラインガスと液化天然ガス(LNG)の供給量は500億立方メートルを超えたと述べている。さらに「ガスは環境に優しい製品であるため、あらゆる声明や制裁圧力にもかかわらず需要がある。そして、ロシアのガスは、物流と価格の両面で最もコスト効率が高い」と、国営テレビ局ロシア24で述べた。

因みに、ウクライナ紛争によりロシアと西側諸国の関係が急激に悪化したため、2023年のロシアのパイプラインガスの欧州への供給量は55.6%減少し283億立方メートルであった。ロイター通信が国営ガス大手ガスプロムの1日当たりの輸出量と欧州のガスパイプライン事業者の統計を基に算出したところ、供給量は今年320億立方メートル前後に回復すると見込まれている。

しかし、ロシアのパイプラインによる欧州へのガス輸出は深刻な課題に直面している。ロシア-ウクライナ間の5年間のガス輸送契約が今年末に期限切れとなり、ウクライナは契約を更新しないと表明しているためである。ロシアから欧州へのガスの約半分はウクライナルート経由で流れている。残りは黒海底のトルコストリームパイプラインを通じて供給されている。

ノヴァク副首相は、ロシアは複数のルートで欧州にガスを供給する用意があり、ウクライナと欧州はロシアのガス輸送について合意すべきだと改めて述べた。「欧州諸国はウクライナのガスルートに関心を持っているが、これまでのところ問題は解決していない。しかし、これは主に欧州連合とウクライナの間でそのような供給の可能性について合意するかどうかにかかっている」とノヴァク氏は述べた。一方、ロシが海上輸送するLNGの供給は増加しており、その輸出量の約半分を欧州が引き受けている。

EUはロシア産LNGの購入をすぐに停止する予定はないが、ノルウェー、米国、カタールからの輸入増加を受け、2027年までにロシア産ガスからの離脱を目指すとしている。ノヴァク氏は、ロシアの2024年のLNG輸出量は約3300万トンと、昨年の供給量3290万トンと同程度になるとみている。

(続く)

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現地記事転載:「映画を地で行くイスラエルの諜報活動―ヒズボラに対する自爆型ポケベル攻撃」

2024-12-26 | 現地紙記事転載
(原題) Former Israeli spy agents describe attack using exploding electronic devices against Hezbollah
2024/12/23 Arab News(AP電)

 

ワシントン:最近引退したイスラエルの上級諜報員2人が、3か月前に実行した計画―自爆型ポケベルとトランシーバーによるレバノンとシリアのヒズボラ戦闘員を標的とした秘密作戦―について詳細を明らかにした。諜報員らは、日曜夜に放送されたCBS「60 Minutes」の番組に出演、身元を隠すためマスクを着用し、声を変えて話した。

元諜報員によると、作戦は10年前に始まったもので、ヒズボラはポケベル/トランシーバーを敵国イスラエルから購入していることに気づいていなかった。イスラエル諜報機関モサドはポケベルが爆発した翌日にトランシーバーを爆発させた。

「マイケル」と名乗る元将校は「私たちは架空の世界を作った」と語った。爆弾を仕掛けたポケベルを使った計画は、ヒズボラが台湾の企業からポケベルを購入していたことを知った後、2022年に開始された。

ポケベルは、内部に隠された爆発物を収容するために少し大きくする必要があった。ヒズボラの戦闘員だけを傷つけ、近くにいる他の人には影響を与えない適切な量の爆発物を見つけるために、人形を使って何度もテストされた。モサドはまた、誰かがポケットからポケベルを取り出すほど緊急に聞こえる着信音を見つけるために、数多くの着信音をテストした。

「ガブリエル」という名前の2人目のエージェントは、防塵、防水、長いバッテリー寿命などを提供する機器を宣伝するYouTubeの虚偽広告を使用するなどして、ヒズボラに大型のポケベルに切り替えるよう説得するのに2週間かかったと語った。彼は、ハンガリーに拠点を置くダミー会社を利用して、台湾の企業ゴールド・アポロを騙し、知らないうちにモサドと提携させていたと説明した。ヒズボラもイスラエルと結びついていることに気づいていなかった。

ガブリエル氏はこの策略を、主人公が偽りの世界に生きていることに全く気付かず、彼の家族や友人が幻想を維持するために雇われた俳優であるという1998年の心理映画に例えた。「彼らが私たちから購入しているとき、彼らはそれがモサドから購入していることに全く気付いていませんでした」とガブリエル氏は語った。「私たちは『トゥルーマン・ショー』のように、舞台裏ですべてをコントロールしました。ビジネスマン、マーケティング、エンジニア、ショールームなど、すべてが100%フェイクでした。」

犯行当時、ヒズボラの戦闘員はポケットに5,000台のポケベルを持っていた。イスラエルは9月17日、レバノン全土のポケベルのビープ音を鳴らし攻撃を開始した。その装置は、着信した暗号化されたメッセージを読むためにボタンを押さなくても爆発した。翌日、モサドはトランシーバーを起動し、そのうちのいくつかはポケベル攻撃で死亡した約30人の葬儀で爆発した。

ガブリエル氏は、ヒズボラの戦闘員を実際に殺害することよりも、メッセージを送ることが目的だったと述べている。「死んだだけなら死んだだけだ。しかし負傷しているなら、病院に連れて行って手当をしなければならない。お金と労力を投入する必要がある」と同氏は述べた。「そして、手と目を失った人々は、レバノンを歩き回り『我々に手を出すな』という生きた証拠になった。彼らは中東全域での我々の優位性を示す歩く証拠だ」

攻撃の数日後、イスラエル空軍はレバノン全土の標的を攻撃し、数千人を殺害した。ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララは、イスラエルのバンカー爆弾により暗殺された。11月までに、イスラエルとヒズボラの戦争は停戦で終了した。これは、2023年10月7日にイスラエル南部でハマス過激派が行った致命的な攻撃の副産物である。

「マイケル」と名乗るエージェントは、ポケベル爆発の翌日、レバノンの人々はエアコンも爆発するのではないかと恐れて、エアコンをつけるのを恐れたと語った。それが意図的なものかと尋ねられると、彼は「我々は彼らに無防備だと感じさせたい。実際、彼らはそうしている。我々はすでにそれをしたので、再びポケベルを使うことはできない」と述べた。「私たちはすでに次のことに移っており、彼らは、次に何が起こるかを推測し続けなければならない。」


以上
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現地記事転載:「勢力バランスの変化で劣勢に追い込まれたシリアのクルド人」

2024-12-25 | 現地紙記事転載
(原題) Syrian Kurdish groups on the back foot as power balance shifts
2024/12/22 Arab News (Reuter電)

 
カミシュリー:シリア北部ではトルコに支援された敵対的なグループがクルド人勢力に対抗して動員され、ダマスカスはトルコに友好的なグループによって統治されているため、シリアの主要クルド人勢力は13年間の戦争で得た政治的利益を守ろうとする中で後手に回っている。

イラク、イラン、トルコ、アルメニア、シリアにまたがる民族グループであるクルド人は、これまでのところシリア紛争の数少ない勝者の1つであり、国土のほぼ4分の1を支配し、イスラム国に対抗する上で重要な米国の同盟国として強力な武装グループを率いてきた。しかし、イスラム主義グループであるハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS)が今月ダマスカスに侵入し、バッシャール・アサド大統領を倒して以来、クルド人の勢力バランスは不利に傾いている。

米国の政権交代により、米国がシリアのクルド人主導の勢力をいつまで支援し続けるのかという疑問が生じている。シリアにおける劇的な変化は、トルコの影響力をさらに強めると予想される。トルコにとって、クルド人勢力は国家安全保障上の脅威である。トルコ政府はシリアのクルド人をクルド労働者党(PKK)の延長とみなしている。PKKは1984年以来トルコ政府に対して反乱を起こしており、トルコ、米国、その他の国からはテロ組織とみなされている。

米国のシンクタンク、センチュリー・インターナショナルの研究員アロン・ルンド氏は、「シリアのクルド人グループは非常に深刻な問題を抱えている。シリアでは根本的にトルコが支援し、或いはトルコと連携する勢力に有利にシフトしており、トルコはこれを最大限に利用しようと決意しているようだ。」と語っている。この変化は、北部の支配権をめぐる新たな戦闘に反映されており、トルコが支援する武装集団「シリア国民軍(SNA)」がクルド人主導のシリア民主軍(SDF)に対して軍事的前進を遂げている。

クルド人主導の地域行政の高官ファナル・アルカイト氏はロイター通信に対し、「アラブ民族主義のバース党を率い何十年にもわたりクルド人を抑圧してきたアサド大統領が追放されたことは、分裂した国を再び一つにまとめるチャンスである。政権はトルコとの対話の用意があるが、北部の紛争はトルコが「非常に悪い意図」を持っていることを示している」と述べた。また同氏は「これは間違いなく、この地域を新たな紛争へと向かわせるだろう」と付け加えた。

トルコのエルドアン大統領は金曜日、トルコがSDF同盟の先頭に立つクルド人民兵組織人民防衛隊(YPG)を孤立させようとしている中、アサド政権の打倒後、諸外国がクルド人戦闘員への支援を撤回すると予想していると述べた。

トルコ当局者はロイターの質問に対し、紛争の根本原因は「トルコのこの地域に対する見方ではなく、PKK/YPGがテロ組織であるということだ」とし、「PKK/YPGの分子は武器を捨ててシリアから撤退しなければならない」と述べた。 SDFのマズルム・アブディ司令官は木曜日のロイター通信のインタビューで、シリアにPKK戦闘員がいることを初めて認め、彼らはイスラム国との戦いに協力しており、トルコとの全面停戦が合意されれば帰国すると述べた。彼はPKKとの組織的つながりを否定している。

フェミニズムとイスラム主義
一方、ダマスカスでは、新指導部がトルコ政府に好意的な姿勢を示し、シリア全土を中央政府に復帰させたい意向を示している。これはクルド人が支持する地方分権化への挑戦となる可能性がある。トルコはSNAに直接支援を与えているが、アルカイダとの関わりがあるためHTSをテロ組織とみなしている。

それにもかかわらず、トルコ政府は同組織に対して大きな影響力を持っていると考えられる。西側のある上級外交官は「トルコは明らかに他の誰よりも彼らに影響を与えることができる」と述べた。HTSのリーダー、アハメド・アル・シャラー氏はトルコの新聞に対し、アサド大統領の追放は「シリア国民の勝利であるだけでなく、トルコ国民の勝利でもある」と語っている。トルコ当局者は、HTSはトルコ政府の支配下にあったことはなく、かつてあったこともなかったと述べ、HTSは「状況により連絡を取っていた」組織であり、多くの西側諸国もそうしていると付け加えた。

民主統一党(PYD)と傘下の民兵組織YPGが率いるシリアのクルド人グループは、2011年にアサド大統領に対する蜂起が始まった後、北部の大部分を支配下に置いた。彼らは独自の政権を樹立したが、目的は独立ではなく自治であると主張した。社会主義とフェミニズムを強調する彼らの政治は、HTSのイスラム主義とは大きく異なる。米国主導の部隊がイスラム国に対する作戦でSDFと提携するにつれて、彼らの支配地域は拡大し、アラブ人が多数を占める地域を占領した。

トルコが支援するSNAグループはアサド政権が倒れる中、SDFに対する攻撃を強化し、12月9日にマンビジ市を制圧した。ワシントンは停戦を仲介したが、SDFはトルコとその同盟国が停戦を遵守していないと述べており、トルコ国防省当局者はそのような合意はなかったと述べた。

米国のSDF支援はNATO同盟国トルコとの緊張の要因となっている。ワシントンはSDFをイスラム国に対抗する重要なパートナーとみなしており、ブリンケン国務長官は、イスラム国がシリアでの能力を再構築しようとしていると警告している。また、米国のバーバラ・リーフ国務次官補(近東担当)は、ワシントンはトルコ政府およびシリア民主軍(SDF)と協力し、「シリア国内のその地域におけるSDFの役割に関して、管理された権限の委譲」を見つけようとしていると述べた。バイデン現政権は、米軍はシリアに留まるとしているが、トランプ次期大統領は1月20日の就任時に米軍を撤退させる可能性がある。

トランプ大統領への手紙
トランプ大統領は最初の政権時代にシリアからの撤退を試みたが、国内および米国の同盟国からの圧力に直面した。シリアのクルド人高官イルハム・アハメド氏は、12月17日付のトランプ大統領宛の手紙で、トルコが大統領就任前に北東部への侵攻を準備していると述べた。トルコの計画は「安定確保とテロとの戦いにおける長年の進歩を台無しにする恐れがあるが、あなたにはこの大惨事を防ぐ力があると信じている」と同氏は書いている。

コメントを求められた政権移行担当報道官ブライアン・ヒューズ氏は、「我々はシリア情勢を引き続き監視している。トランプ大統領は中東の平和と安定に対する脅威を軽減し、国内の米国人を守ることに尽力している」と述べた。トランプ次期大統領は12月16日、トルコがシリアで何が起こるかの「鍵を握る」と述べたが、シリア駐留米軍に関する計画は発表していない。

オクラホマ大学のシリア専門家ジョシュア・ランディス氏は、「クルド人は不利な立場にいる。ダマスカスが権力を固めれば、この地域に攻め込むだろう。米国は永遠にそこに留まることはできない」と語っている。

HTSの指導者シャラア氏は英国放送局BBCに対し、クルド人は「我々の国民の一部」であり「シリアを分割すべきではない」と語り、武器は完全に国家の手に委ねられるべきだと付け加えた。シャラア氏はトルコの主な懸念の1つであるシリア国内のクルド人戦闘員の存在を認め、「シリア領土がトルコや他の地域を脅かし不安定化させるなどとは認めない」と述べた。

クルド人当局者のケイト氏は、政権が「民主的なシリア、分権化されたシリア、あらゆる宗派、宗教、民族のシリア人全員を代表するシリア」を望んでいると述べ、これらをレッドラインと表現した。SDFは「来たるシリア軍の中核となる」と同氏は付け加えた。

SDF司令官のアブディ氏はロイター通信のインタビューで、両軍の衝突を避けるためにHTSとの連絡ルートが確立されていることを確認したが、アンカラはダマスカスとクルド人主導の政権の間に亀裂を生じさせようとしている、と述べた。同氏は、SDFがダマスカスの「新しい政治段階」に参加することについて、米国主導の連合を含む国際的関係者から強い支持を得ており、これを「絶好の機会」と呼んだ。また同氏は「我々とトルコおよび関連派閥間の完全停戦の後、我々はこの段階に参加する準備をしている」と述べている。


以上
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現地記事転載:「シリア・アサド父子54年間の支配と最後の1日」3回連載

2024-12-12 | 現地紙記事転載

その3.2024年12月8日(日)の出来事(エジプト・Ahram紙)


(原題) Kremlin confirms Assad family's arrival in Moscow; Biden calls for Assad to be 'held accountable' - as it happened
https://english.ahram.org.eg/NewsContent/2/8/536599/World/Region/Kremlin-confirms-Assad-family;s-arrival-in-Moscow;.aspx
2024/12/8 Ahram Online


アハラム・オンラインは、12月8日日曜日に起きた出来事、即ちダマスカス陥落とバッシャール・アル・アサド政権の崩壊に続いて急速に変化するシリア情勢を以下のごとくお伝えする。



07:00 武装集団「ハヤト・タハリール・アル・シャム」は「バシャール・アル・アサド氏は逃亡した」と述べ、「ダマスカス市は解放された」と宣言した。
「バース党支配下での50年間の抑圧、そして13年間の犯罪と暴政、そして(強制的な)避難の後、我々は今日、この暗黒の時代の終わりとシリアの新時代の始まりを発表する」と反政府勢力はテレグラムで述べた。
シリア人権監視団のラミ・アブデル・ラーマン代表は「アサド氏は軍治安部隊が施設を去る前にダマスカス国際空港経由でシリアを去った」と述べたとAFPが報じた。
シリア反政府勢力「ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)」の指導者アブ・モハメド・アル・ジョラニ氏は、ダマスカスの公的機関に近づかないよう軍に命じ、これらの機関は「正式に」引き渡されるまで首相の監督下に置かれると述べた。
反政府勢力指導者ジョラニ氏はテレグラムの声明で、「ダマスカス市内の全軍部隊は、公的機関に近づくことを固く禁じられる。公的機関は正式に引き渡されるまで前首相の監督下に置かれる」と述べた。
「空に向かって発砲することは禁じられている」と、実名ではなくアハメド・アル・シャラアという名前を使い始めたジョラニ氏は付け加えた。


07:02 反政府勢力がバッシャール・アル・アサド大統領が国外に逃亡したと発表した後、シリアのモハメド・アル・ジャラリ首相は、国民が選ぶいかなる指導者とも「協力」する用意があると述べた。
ジャラリ首相はフェイスブックアカウントで配信された演説で、「この国は近隣諸国や世界と良好な関係を築く普通の国になれる」と述べた。
「しかし、この問題はシリア国民が選ぶいかなる指導者にもかかっている。我々はその指導者と協力し、あらゆる可能な便宜を提供する用意がある」と同首相は付け加えた。
ジャラリ首相は「いかなる引き渡し手続きにも応じる用意がある」と述べた。
「私は家にいるし、家を出ていない。これは私がこの国に属しているからだ」とジャラリ首相は述べた。


同氏は午前中にオフィスに戻って仕事を続けると述べ、シリア国民に公共の財産を汚さないよう呼びかけた。
アサド氏が逃亡したとの報道には触れなかった。


07:35 AFP通信によると、武装勢力が「暴君」アサド氏の退陣を告げ、「ダマスカスの街を解放した」と宣言する中、シリア首都ダマスカスの住民が街頭で歓声を上げている様子が見られた。
大統領の退陣が報じられたのは、武装勢力ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)がアサド一族による50年以上の統治に異議を唱えるキャンペーンを開始してから2週間も経たないうちに起きた。
HTSは、戦闘員が首都郊外の刑務所に侵入し、「セドナヤ刑務所における暴政の時代は終わった」と宣言したと述べた。


07:45 ジョー・バイデン米大統領は、シリアで起こっている「異常な出来事」を注意深く見守っているとホワイトハウスは土曜日遅くに発表した。これは、戦争監視団がアサド大統領が国から逃亡し、反政府勢力が首都を制圧したと宣言したと伝えたことを受けてのことだ。
「バイデン大統領と彼のチームはシリアで起きている異常な出来事を注意深く監視しており、地域のパートナーと常に連絡を取り合っている」と国家安全保障会議の報道官ショーン・サベット氏はソーシャルメディアの声明で述べた。


09:00 ドナルド・トランプ次期米大統領は、シリアのアサド大統領がロシアの支援を失った後、「国から逃亡した」と述べた。
「アサドは去った」とトランプ氏は自身のトゥルース・ソーシャル・プラットフォームで述べた。「ウラジミール・プーチン率いる彼の保護者、ロシア、ロシア、ロシアは、もはや彼を守ることに興味がなかった」。


09:10 シリア北東部の広範囲を支配し、米国の支援を受けクルド人主導のシリア民主軍(SDF)の司令官は、バッシャール・アル・アサド大統領の「独裁政権」の崩壊を「歴史的」な瞬間と称賛した。
「シリアでは、ダマスカスの独裁政権の崩壊を目の当たりにしながら、我々は歴史的な瞬間を生きている」とマズルム・アブディ司令官はテレグラムの声明で述べ、「この変化は、すべてのシリア人の権利を保証する民主主義と正義に基づく新しいシリアを築く機会を与えている」と付け加えた。


09:23 シリア国営テレビは、バッシャール・アサド大統領が打倒され、刑務所に収監されていたすべての被拘禁者が解放されたとする男性グループのビデオ声明を放映した。
声明を読み上げた男性は、ダマスカス征服作戦室として知られる武装集団が、反体制派戦闘員と市民全員に「自由シリア国家」の国家機関を維持するよう呼びかけたと述べた。
武装勢力は日曜日、ダマスカスのウマイヤド広場にあるラジオ・テレビ局ビルを占拠し、ダマスカス入りとアサド大統領の国外退去の報道以来初の声明を発表する準備をしていた。


09:39 Axiosのウェブサイトは、バッシャール・アル・アサド大統領が深夜にダマスカスを出発し、モスクワへの渡航準備のためシリアのロシア基地に向かったというイスラエル当局者の発言を引用した。
しかし、イスラエルのチャンネル12は、情報筋を引用して、アル・アサド大統領がシリア領土を離れたという確証はない、と報じた。
武装勢力であるシリア革命・反政府勢力全国連合のハディ・アル・バフラ代表は、アルジャジーラ・ムバシャーに対し、連合はシリアにおける次の段階について合意するため、アラブ諸国、欧州諸国、国連と会談する予定であると語った。


09:40 反乱軍が公開したビデオには、シリアの首都ダマスカスの共和国宮殿への襲撃が映っていた。
ダマスカスのカフル・ソウサ地区にある国家安全保障ビルも襲撃され、囚人が解放された。
スカイニュース・アラビアは、シリア人がシリア大統領の家に侵入し、家の中の物を持ち去る場面とされる映像を公開した。


09:47 シリアのモハメド・アル・ジャラリ首相は、現在の移行期間の管理について話し合うため、反乱軍のリーダーであるアブ・モハメド・アル・ジョラニと連絡を取り、国民が指導者を選べるようにするためにはシリアが自由選挙を実施しなければならないと強調した。
ジャジーラによると、アル・シャラーはシリアの通信大臣とも連絡を取った。
カタールのネットワークは、シリア首相が武装勢力とともに自宅を出る瞬間の映像を放映した。


09:49 アサド大統領が属するアラウィ派の声明は、シリアの若者に対し「冷静で理性的、そして慎重であり、国の統一を裂くようなことに巻き込まれないように」と呼びかけた。
AP通信によると、声明は「我々はこれまでも、そして今も平和と団結の擁護者である」と述べた。
声明は「シリアとその偉大な国民のために、理性と対話の言語がすべての当事者に優先する」ことを求めた。


09:53 歴史的に政府支持派だったシリアのアル・ワタン紙は「シリアにとって新たな1ページを迎えている。これ以上血を流さないでくれた神に感謝する。シリアはシリア国民全員のための国になると信じ、信頼している」と書いた。
同紙は、過去に政府の声明を発表したメディア関係者を責めるべきではないと付け加えたとAP通信は伝えた。
「我々は指示に従い、彼らが送ってきたニュースを発表しただけだ」と同紙は述べた。「それが虚偽だったことはすぐに明らかになった」。


10:20 アラブ首長国連邦の上級外交官アンワル・ガルガシュ氏は、バーレーンでの会議で記者からアサド大統領の居場所について質問されたが、コメントを控えた。
アサド大統領の居場所に関する憶測が飛び交った後、ガルガシュ氏はUAEに避難するという憶測を否定も肯定もしなかった。
「『バッシャール・アル・アサド大統領はどこへ行くのか』と聞かれるが、これは結局のところ歴史の脚注に過ぎない」とガルガシュ大統領顧問はバーレーンのマナマ対話で語った。
「重要だとは思わない。先ほど言ったように、これは結局、もっと大きな出来事の脚注に過ぎない」と、このUAE当局者は記者からこの質問について追及されると付け加えた。
彼はシリア国民に対し、混乱を回避するために協力するよう求めた。
「シリア国民が協力し、差し迫った混乱が再び起こるのを目にするだけにならないよう願っている」とガルガシュ氏は述べた。


10:22 シリア反政府勢力は、シリア北部の町でクルド人主導の部隊への攻撃を開始したと述べた。ロイター通信が報じたところによると、シリア暫定政府の国防省が日曜日に投稿した12月7日(土)X日付の声明によると、マンビジのアサド大統領は、シリアの首都マンビジで死亡した。


10:25 国際的に承認されているイエメン政府のムアマル・アル・エリアニ情報相は、武装集団がシリアの首都ダマスカスを占拠したことで、イランの「宗派民兵をペルシャ三日月地帯を完成させ、混乱をまき散らし、国家の主権を弱体化させるための道具として利用した拡張主義計画は崩壊しつつある」と述べた。
また、2014年に首都サナアと同国北部の大半を制圧したフーシ派をイエメン人が追い出すことにも期待を示した。
「イエメン人はその知恵と不屈の精神で、イランとそのフーシ派が彼らの土地を侵害し、彼らの運命を弄ぶ計画を阻止することができる。シリアとレバノンで失敗したのと同じように」と、同氏はソーシャルメディアプラットフォームXに書いた。


10:46 国連シリア特使は、シリアは「重大な転換点」にあると述べた。
ゲイル・ペデルセン外相は、シリアで14年近く続いた内戦を「深い傷跡を残した暗い章」と表現し、「今日、我々は慎重な希望をもって、新たな平和の章の始まりを待ち望んでいる」と声明で述べた。 「すべてのシリア人に和解、尊厳、そして包摂をもたらす」
「今後の課題は依然として大きく、不安や心配を抱える人々の声も聞こえてくる」と同氏は付け加えた。
「しかし、今は再生の可能性を受け入れる時だ。シリア国民の回復力は、統一された平和なシリアへの道を示している」と声明は続ける。
ペデルセン氏はさらに、「安定した包括的な移行措置が実施され、シリアの諸機関が引き続き機能すること」を望むと述べた。


11:00 ロシア国営通信社TASSによると、シリア駐在ロシア大使館は、武装勢力によるダマスカス占領後、職員は「大丈夫」だと述べた。
「我々は大丈夫だ」とロシア大使館職員はTASSに語ったが、外交官らの所在については詳細を明かさなかった。大使館は金曜日、ロシア国民に国外退去を要請していた。
一方、イランのニュースチャンネル「プレスTV」は、ダマスカスのイラン大使館が「過激派」に襲撃されたと報じたが、詳細は明らかにしなかった。
さらに、イラク国営通信社は、イラクがシリアの大使館を撤退させ、職員をレバノンに移したと報じた。
外務省当局者はAFPに対し、大使館の代表を含む職員10人が「陸路でベイルートに到着し、全員健康状態は良好」と語り、この撤退は「ダマスカスの緊張状態、軍の完全撤退、治安の悪化による」と付け加えた。


11:06 米国はシリア東部でのプレゼンスを維持し、イスラム国の復活を防ぐために必要な措置を講じると、中東担当のダニエル・シャピロ国防次官補は述べた。
「シリア現地の混沌とした動的な状況は、ISISに活動能力や対外作戦計画を見出す余地を与える可能性があると認識しており、我々はこれらのパートナーと協力して彼らの能力を低下させ続ける決意だ」とシャピロ氏はバーレーンの首都で開かれたマナマ対話安全保障会議で述べた。
「(我々は)(イスラム国の)永続的な敗北を確実にし、ISIS戦闘員の安全な拘留と避難民の帰還を確実にする決意だ」とシャピロ氏は付け加えた。
米軍は2014年以来シリアの主権領土を違法に占拠し、ダマスカスが自国の石油や小麦畑にアクセスできないようにしている。上院は13対84で米軍撤退決議を否決した。


11:07 シリア国営テレビはダマスカスの映像の放映を中止し、現在は赤い背景に白い文字で「偉大なシリア革命が勝利し、犯罪的なアサド政権を打倒した」と表示されている。


11:23 中国外務省は日曜日、シリアが「できるだけ早く安定を取り戻す」ことを望んでいると述べた。
北京は「シリア情勢の進展を注視しており、できるだけ早く安定を取り戻すことを望んでいる」と外務省は声明で述べたとAFPが報じた。
「中国政府は、安全かつ秩序ある方法でシリアを離れる意思のある中国国民を積極的に支援しており、シリアに残る中国国民との連絡を維持している」と外務省は述べた。
「シリアの関係当事者に対し、シリア国内の中国機関と職員の安全を確保するため、実際的な措置を取るよう要請する」と同省は付け加えた。
「現在、シリアの中国大使館は依然として堅固な状態を維持しており、我々は引き続き困窮する中国国民に全面的な支援を提供していく」
中国は、シリア内戦が始まった2011年以降、アサド大統領が中東以外で訪問した数少ない国の一つである。
2023年の訪問で、中国の習近平国家主席とアサド大統領は両国間の「戦略的パートナーシップ」を発表した。


11:30 シリアのモハマド・ガジ・アルジャラリ首相はアル・アラビーヤTVに対し、バッシャール・アル・アサド大統領と国防相の所在は知らないと語った。
同首相は、政府は土曜日の夜にアサド大統領との連絡が取れなくなったと付け加えた。


11:56 アサド大統領の所在に関する疑問が続く中、2人の上級軍将校はロイター通信に対し、シリア大統領は日曜早朝、ダマスカスから未知の目的地に向けて飛び立ったと語った。
Flightradar ウェブサイトのデータによると、反政府勢力が首都を占領したと報じられた頃、シリア航空機がダマスカス空港を離陸した。
飛行機は当初、アサドのアラウィ派の拠点であるシリア沿岸地域に向かって飛行したが、その後突然Uターンし、数分間反対方向に飛行した後、地図から消えた。
ロイター通信によると、フライトレーダーのウェブサイトのデータによると、飛行機が突然Uターンして地図から消えた理由は謎であるため、シリアの情報筋2人は、アサドが飛行機事故で死亡した可能性が非常に高いと述べた。
「飛行機はレーダーから消えた。トランスポンダーがオフになった可能性もあるが、飛行機が撃墜された可能性が高いと思う...」とシリアの情報筋の1人は詳細を明かさずに述べた。


12:21 イスラエル軍は、ダマスカスが反政府勢力に陥落した後、イスラエル占領下のゴラン高原に隣接するシリア南西部の非武装緩衝地帯に部隊を配備したと発表した。
イスラエルは昨日、国連が監視する緩衝地帯に兵士が侵入し、平和維持軍の攻撃撃退を支援したとすでに発表していた。
軍は「武装した人物が緩衝地帯に入る可能性がある」として、そこに部隊を配備すると発表した。


12:22 トルコのハカン・フィダン外相は、シリア政府が崩壊したと述べた。
「アサド政権は崩壊し、国の支配権が移りつつある」とフィダン外相はカタールのドーハフォーラムで述べ、「これは一夜にして起こったことではない」と付け加えた。
フィダン外相は、エルドアン大統領がシリアの統一を達成するためにシリア政権に手を差し伸べたが、これは拒否されたと付け加えた。
同氏は、祖国を離れることを余儀なくされた数百万人のシリア人が今や祖国に戻ることができると述べた。


12:26 シリア外務省は、反政府勢力が首都ダマスカスを制圧した後も、海外にいる市民へのサービス提供を継続すると述べた。
同省のウェブサイトによると、同省と海外の外交使節団は引き続きすべての市民へのサービス提供と支援に尽力する。他の省庁や公的機関も職員に職場復帰を呼びかけ、シリア人へのサービス提供は継続すると保証した。
「今日、シリアの歴史に新たな章が記され、シリア国民を団結させる国家の契約と憲章の始まりを告げている。


12:46 トルコの治安部隊はロイター通信に対し、シリア反政府勢力がシリア北部のマンビジ地域の約80%を制圧し、同地のクルド人勢力に対する勝利に近づいていると語った。
これに先立ち、シリア反政府勢力はマンビジのクルド人主導の部隊への攻撃を開始したと語っており、これはシリア暫定政府の国防省が日曜日に投稿した12月7日(土)X日付の声明によるとロイター通信が報じた。


13:10 シリア国営テレビは短時間番組を続行し、キャスターが全職員に職場復帰を呼びかけ、安全だと付け加えた。
「ここはシリア首都ダマスカス。長年ぶりに自由の門が開かれた。シリア近代史における歴史的な日だ」とキャスターは日曜朝に語った。
その後、同氏は首都を襲撃した反乱軍の指揮官アナス・サルカディ氏を迎えた。サルカディ氏は武装勢力が国家機関を守ると述べた。
「シリア全宗派へのメッセージは、シリアは皆のものだと伝えることだ」とサルカディ氏は述べた。「アサド家がしたことはしない」と同氏は述べた。
サルカディ氏が話していると、音声がカットされ、放送は再び突然停止した。その後、画面に赤いバナーが映し出され、アラビア語で「シリア大革命の勝利とアサドの犯罪政権の崩壊」と書かれていた。


13:11 トルコのハカン・フィダン外相は、武装勢力が首都ダマスカスを占領した後、シリアの新政権は近隣諸国を脅かしてはならないと述べた。
フィダン外相は、トルコはシリア人や地域および国際的関係者と協力して、「新政権と新シリアは近隣諸国に脅威を与えず、逆に新シリアは既存の問題に対処し、脅威を排除することを地域諸国に保証する」と述べた。
また、武装勢力がダマスカスを占領した後、イスラム国とクルド労働者党(PKK)がシリアで勢力を拡大できないようにするため、トルコ政府はシリアの反政府勢力と連絡を取っていると付け加えた。
「この移行期間中は注意が必要だ」と、ハカン・フィダン外相はカタールのドーハフォーラムで述べた。 「我々はテロ組織、特にISとPKKが状況を利用しないよう、これらのグループと連絡を取っている」
同氏は、イスラム主義派の反政府勢力がアサド氏がシリアから逃亡したと発表した後、アサド氏はおそらくシリア国外にいると述べた。
カタールでアサド氏の居場所や命が危険にさらされているかどうかについて質問されたフィダン氏は、アサド氏は「おそらくシリア国外にいる」と述べた。
土曜日、フィダン氏はドーハフォーラムでアサド氏と同盟を組むイランとロシアの代表らと会談した。


13:14 イラン国営テレビは、シリアのイラン大使館が「攻撃された」と伝えた。
「さまざまなネットワークが共有しているこれらの画像でわかるように、身元不明の人物がイラン大使館を襲撃した」と、国営テレビ局は、外交官館の建物から撮影されたとされるアル・アラビーヤの映像を示しながら語った。
イランの新聞テヘラン・タイムズは、イラン外務省報道官エスマイル・バカイ氏の発言を引用し、襲撃される前にイランの外交官らは大使館を去ったとオンラインで報じた。
報告書によると、大使館職員は全員無事だった。
また、反政府勢力が攻撃の背後にいると非難した。


13:20 レバノン軍は、隣国シリアとの国境での存在感を強めていると述べた。
「この地域で起こっている急速な展開と微妙な状況を考慮し、北部と東部の国境の監視と管理を任されている部隊を強化し、監視措置を強化した」と軍は声明で述べた。


13:21 シリア国内のダマスカスのマゼ地区で爆発音が聞こえたと、2人の治安筋がロイター通信に語った。
同筋によると、イスラエル軍の攻撃とみられる攻撃がマゼ地区を襲ったという。


13:47 シリアの武装勢力は、午後4時から午前5時までダマスカスで夜間外出禁止令を発令した


13:50 ロシア外務省は、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領が平和的な権力移譲の指示を出した後、退任し国を離れたと発表した。
モスクワは、アサド大統領が複数の政党と交渉し、平和的な権力移譲の指示を受けたと発表
同省は声明で、アサド大統領の現在地については言及せず、同大統領の退去をめぐる協議にはロシアは参加していないと述べた。
同省は、シリアのロシア軍基地は厳戒態勢に置かれているが、現時点で深刻な脅威はないと述べた。
同省は、モスクワはシリア国内のすべての反政府勢力と連絡を取り合っており、すべての勢力に暴力を控えるよう求めたと述べた。


14:19 イスラエル軍は、シリア南部とダマスカス空港地区の武器庫を攻撃したと発表した。イスラエル放送協会は、イスラエルの治安筋を引用して、武器庫が過激派の手に渡ることを恐れていると主張した。


14:55 世界中の国々がアサド政権の崩壊に反応し続け、シリアの団結を呼び掛けるとともに、混乱のリスクを警告している。
イラン外務省は声明で、最初の反応として、イランはシリア統一、主権、領土保全を尊重するという確固とした基本姿勢を再確認したと述べた。
「我々は、シリア国民がいかなる破壊的介入や外国の強制からも自由で、自国の運命を決定する人々であることを強調する」と声明は述べている。
同省は、イランはシリアと地域の情勢を注意深く監視し、適切なアプローチと立場を取ると付け加えた。
カタール外務省は、アサド政権の崩壊後、シリアが混乱に陥ることを許してはならないと警告した。
同湾岸首長国は「シリア情勢を注意深く監視している」と述べ、「混乱に陥らないように国家機関と国家の統一を維持する必要性」を強調した。
フランスはアサド政権の退陣を歓迎し、シリア国民に「あらゆる過激主義を拒否する」よう求めた。
英国のアンゲラ・レイナー副首相はスカイニュースに対し、アサド政権はシリア国民にとって「必ずしも良い存在ではなかった」が、「この地域の安定が必要だ」と語った。


15:00 反乱軍司令官アブ・モハメド・アル・ジョラニは、後戻りする余地はなく、シリアの各派は2011年に始めた道を歩み続ける決意であると述べた。
「未来は我々のものだ」と、シリア国営テレビで読み上げられた声明の中で同氏は述べた。


15:23 エジプトは、シリアのすべての政党に対し、その方向性に関わらず、目的と優先事項を統一し、国家の最高利益を優先するよう求めた。
カイロは、これが、シリア国内の調和、平和、シリアの地域的および国際的な役割の回復を促進することを目的とした包括的かつ包括的な政治プロセスへの道を開くだろうと訴えた。
声明の中で、エジプト外務省はシリアの資源と国家機関を保護することの重要性を強調するとともに、シリア国家と国民に対する揺るぎない支持を改めて表明した。
カイロはまた、シリア国民の長引く苦しみを和らげるために地域および国際的なパートナーと協力する用意があることを再確認した。
同省は、復興努力、シリア難民の安全な帰還、シリア国民が当然得るべき安定の達成に対する支持を強調した。


15:36 シリアの武装集団の指揮官アハメド・アル・ジョラニがダマスカスに到着。
テレグラムの声明では、本名のアハメド・アル・シャラーが特定され、シリア首都に到着後、地面に「神に感謝の意を表してひざまずいた」としている。
動画では、野原でひざまずき、頭を地面につける様子が映っている。


15:55 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領の失脚につながる一連の出来事のきっかけは自分だと主張したとイスラエルのメディアが報じた。
「これは中東の歴史において歴史的な日だ」とネタニヤフ首相はシリアとの国境にある占領下のゴラン高原を訪問した際に述べた。
「これは、アサド政権の主要支援者であるイランとヒズボラに我々が与えた打撃の直接的な結果だ」とネタニヤフ首相は主張した。
「このことは、この抑圧的で暴君的な政権からの解放を望むすべての人々の中東全域での連鎖反応を引き起こした」と彼は付け加えた。
ネタニヤフ首相は、アサド大統領のシリアからの撤退は新たな機会とともにリスクももたらすと警告した。
「我々は何よりもまず国境を守るために行動している」と彼は述べた。「この地域は1974年に合意された緩衝地帯、すなわち戦力分離協定によって50年近く支配されてきた。この協定は崩壊し、シリア軍は陣地を放棄した」
ネタニヤフ首相とイスラエル・カッツ国防相は、土曜日に軍に緩衝地帯を占拠するよう指示した。
一方、イスラエル軍ラジオは、シリア軍兵士の撤退後、軍がシリアのジャバル・エル・シェイクにある軍事施設を制圧したことを確認する軍筋を引用した。
また、イスラエルは、武装勢力に戦略兵器が届かないようにするためとされるシリアでの数日間の継続的な攻撃を準備していると付け加えた。


17:00 シリア戦争監視団によると、イスラエル軍の攻撃は日曜日、ダマスカスの政府治安施設を標的にしており、AFP特派員は、反政府勢力が首都を制圧してから数時間後に、攻撃とその後の発砲を報じた。
英国に拠点を置くシリア人権監視団は、「イスラエルの攻撃は、諜報機関、税関、軍本部を含む旧政権の建物に近いダマスカスの治安施設を標的にした」と述べた。AFPのカメラマンは、軍の情報機関を含む治安施設で炎上する建物を目撃した。


18:00 アルジャジーラが引用したロシア軍筋によると、シリア武装勢力は、ロシアのフメイミム空軍基地に近いラタキアのジャブレ市を制圧したと報じられている。
沿岸都市のジャブレは、ラタキア県にあるシリア政府の拠点の重要地域である。シリアにおけるロシアの軍事作戦の主要拠点となっているフメイミム基地に近い。


18:15 ジョー・バイデン米大統領は、シリアで反政府勢力がダマスカスを占領し、バッシャール・アル・アサド大統領を追放したと宣言したことを受けて、日曜に国家安全保障顧問らと会談する予定。
「大統領は今朝、国家安全保障チームと会談し、シリア情勢の最新情報を聞く」と、国家安全保障会議のスポークスマン、ショーン・サベット氏はXに投稿した。


18:25 イスラエル軍は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が軍に占領を命じたゴラン高原の非武装緩衝地帯にあるシリアの5つの町の住民に夜間外出禁止令を発令した。
イスラエル軍の報道官アビチャイ・アドレイ中佐は、シリア大統領の失脚を受けて、イスラエル占領下のゴラン高原に隣接するこの地域を軍が占領するよう、ネタニヤフ首相が日曜早朝に命じたことを受けて、Xで「皆さんの安全のため、追って通知があるまで自宅に留まり、外出しないでください」と述べた。


19:00 欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は日曜、バッシャール・アル・アサドの劇的な失脚後、少数派を保護するシリア再建にEUが協力すると述べた。
「欧州は国家統一の維持とすべての少数派を保護するシリア国家の再建を支援する用意がある」と同委員長はX(旧ツイッター)での声明で述べた。
「残酷なアサド独裁政権は崩壊した。この地域のこの歴史的変化は機会をもたらすが、リスクがないわけではない」と委員長は付け加えた。
同委員長は、EUは欧州と地域の主要指導者と連絡を取り、急速に進む情勢を注視していると述べた。


19:30 サウジアラビアは日曜、反政府勢力によるバッシャール・アル・アサド大統領の打倒後にシリアが混乱に陥るのを防ぐ努力を求めた。
「王国は兄弟のようなシリア国民とその選択を支持する」と表明する一方、「シリアが混乱と分裂に陥るのを防ぐため、シリアの統一と国民の結束を維持するための協調的な努力」を呼びかけているとサウジ外務省は声明で述べた。


20:00 ロシア国営テレビは、バッシャール・アル・アサド大統領とその家族が人道的見地からロシアへの亡命を認められたと報じた。クレムリンはこの展開を認め、アサド大統領とその家族は現在モスクワにいると述べた。
この発表は、反政府勢力が同日早朝にダマスカスを占領した後、シリア大統領の所在に関する憶測が高まったことを受けて行われた。


21:00 ジョー・バイデン米大統領は日曜、退陣したシリアの指導者バッシャール・アル・アサド氏は「責任を問われるべきだ」と述べたが、シリアの政治的混乱はシリア人にとって国を再建する「歴史的な機会」だと述べた。
イスラム主義者主導の反政府勢力連合によるアサド政権打倒に対する米国初の本格的な反応として、バイデン氏は楽観的な見方を示した。しかし、テロ集団の出現に対してワシントンは「警戒を続ける」とも警告した。
「政権の崩壊は根本的な正義の行為だ」とバイデン氏はホワイトハウスで述べた。「これは、長く苦しんでいるシリアの人々にとって歴史的な機会の瞬間だ」
モスクワに逃亡したと報じられている退陣した大統領はどうなるのかと記者団に問われると、バイデン氏は「アサド氏は責任を問われるべきだ」と述べた。
1月に辞任し、共和党のドナルド・トランプ氏の政権復帰に道を譲る予定のバイデン氏は、ワシントンはシリアの復興を支援すると述べた。
「我々は、国連主導のプロセスを含め、シリアのあらゆるグループと連携し、アサド政権から独立した主権国家へと移行し、新しい憲法を制定する」シリアを目指すと述べた。
しかし、バイデン氏は、勝利した反政府同盟内のイスラム強硬派グループは監視の対象となると警告した。
「アサド政権を打倒した反政府グループの中には、テロや人権侵害の悲惨な記録を持つグループもある」とバイデン氏は述べた。
米国は、反政府勢力がその後穏健化したことを示唆する最近の声明を「留意」したが、「我々は彼らの言葉だけでなく、行動も評価する」と警告した。
バイデン氏は、ワシントンは「イスラム国過激派グループ(通称ISIS)がシリアで「空白を利用して再興しようとする」ことを「はっきりと認識している」と述べた。
「我々はそれを許さない」と同氏は述べ、米軍は日曜だけでシリア国内でISISに対する「12回」の攻撃を行ったと付け加えた。


21:30 電撃的な攻撃でバッシャール・アル・アサド大統領を倒したシリア反政府勢力は、同国内のロシア軍基地の「安全を保証した」と、クレムリンの情報筋が日曜日にロシアの通信社に語った。
「ロシア当局はシリア反政府武装勢力の代表者と連絡を取っており、その指導者らはシリア領内のロシア軍基地と外交機関の安全を保証している」と、情報筋は国営通信社TASSとリア・ノーボスチに語った。


22:00 米中央軍(CENTCOM)の部隊は12月8日、シリア中部の既知のISISキャンプと工作員を標的とした数十回の精密空爆を実施した。
ISISの指導者、工作員、キャンプに対する攻撃は、ISISを混乱させ、弱体化させ、打倒するという継続的な任務の一環として実施された。これは、テロリスト集団が外部作戦を行うのを防ぎ、ISISが現在の状況を利用してシリア中部で再結成しようとしないことを確実にするためである。
この作戦では、B-52、F-15、A-10を含む複数の米空軍資産を使用して、75以上の標的を攻撃した。
戦闘被害の評価が進行中であり、民間人の死傷者の兆候はない。
CENTCOMは、シリアのこの動的な時期にも、地域の同盟国やパートナーとともに、ISISの作戦能力を弱体化させる作戦を継続する。
「我々はISISが再結成し、シリアの現状を利用することを許さないことに疑いの余地はない」とマイケル・エリック・クリラ将軍は述べた。「シリア国内のすべての組織は、いかなる形であれISISと提携したり支援したりすれば、我々が責任を問うことになるということを知っておくべきだ」


23:00 AFP通信によると、トルコの支援を受けたシリア戦闘員がクルド人支配地域を制圧した数日後に北部マンビジ地域への攻撃を開始し、日曜日に少なくとも26人の戦闘員が死亡した。
親トルコ派戦闘員は先週、反政府勢力が政府支配地域に急襲し、主要都市を奪取して日曜日にダマスカスに到着した数日後に、クルド人支配地域タル・リファアトをすでに奪還していた。
「親トルコ派は、マンビジ軍事評議会との激しい衝突の後、アレッポ東部郊外のマンビジ市の広い地区を占拠した」とシリア人権監視団の戦争監視団は述べた。
同評議会は、シリア北東部の広い範囲を支配しているクルド人政権の事実上の軍隊として活動するクルド人主導のシリア民主軍(SDF)と提携している。
シリア国内の情報源ネットワークに頼る同監視団は、「衝突により親トルコ派戦闘員9人とマンビジ軍事評議会の戦闘員少なくとも17人が死亡した」と述べた。
米国が支援するSDFも「激しい衝突」を報告し、マンビジとアル・バブの軍事評議会がトルコ支援の戦闘員に「質的な打撃を与えている」と述べた。
アンカラが支援する勢力は、テレグラムチャンネルでの声明で、「激しい戦闘の末、アレッポ東部郊外のマンビジ市を制圧した」と述べた。
これらのグループは、マンビジの制圧を宣言する戦闘員のビデオを投稿した。このビデオは、この地域から撮影されたものだという。
AFPは、ビデオを独自に検証することはできなかった。
日曜早朝、SDFの司令官マズルム・アブディは、バッシャール・アサド大統領の「独裁政権」の崩壊を「歴史的」な瞬間と称賛した。


23:15 イランの最高外交官アッバス・アラグチ氏は日曜、追放されたシリアのアサド大統領は、素早い攻撃でダマスカスを占領した反政府勢力に対抗するためイランに援助を「一度も要請しなかった」と述べた。
「我々は一度も助けを求められたことはない」とアラグチ氏は国営テレビの生中継インタビューで語り、攻勢に対抗するのはシリア軍の任務だと強調した。アサド大統領は反政府勢力の電撃的な進撃により日曜日に打倒された。
イランはシリアの長期にわたる内戦の間アサド大統領を支援し、軍事顧問や、シリア政府軍と共に戦ったテヘランと同盟を組むヒズボラ戦闘員の支援を提供してきた。


23:40 イスラエル軍ラジオによると、イスラエルは水曜日にシリアの100の標的に空爆を実施した。伝えられるところによると、攻撃は武器庫に集中していたが、具体的な場所や被害の程度に関する詳細はすぐには入手できなかった。
さまざまな通信社の地上特派員は、イスラエルの攻撃が一日中続いたと報じ、その一部は空港を含む重要なインフラを襲った。
このエスカレーションは、イスラエルのヘルジ・ハレヴィ参謀総長の発言を受けてのもので、同参謀総長は、シリアで新たな作戦を開始し、ゴラン高原のシリア側の陣地を奪取した後、イスラエルは現在「4つの戦線」で戦っていると発表した。




以上


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現地記事転載:「シリア・アサド父子54年間の支配と最後の1日」3回連載

2024-12-11 | 現地紙記事転載
その2.政権崩壊前夜の勢力別国土支配状況(エジプト・Ahram紙)


(原題) Who controls what territory in Syria?
https://english.ahram.org.eg/News/536596.aspx
2024/12/7 Ahram Online


反政府武装集団は10日間でシリア北西部の拠点から急速に進軍し、数十の町と国内最大都市2つを制圧した。これにより、バシャール・アル・アサド大統領の権力基盤はますます脆弱になった。シリア軍は反政府軍の進軍に直面し、戦車や戦闘機さえも放棄した。
武装集団の奇襲進軍以前から、シリアは長い間、さまざまな国内および外国の勢力の影響下にあった。
主要軍団は何者で、いずれの地域を支配しているのであろうか?

ハヤト・タハリール・アル・シャーム
武装グループの同盟は、アルカイダの旧シリア支部に根ざし、シリア最後の過激派拠点であったイドリブ地域を拠点とするハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS)が率いている。


11月27日に攻勢を開始した反政府勢力は、4日以内にシリア第2の都市アレッポを制圧した。アレッポはシリアの戦前の商業の中心地だったが、クルド人戦闘員が支配するクルド地区の大部分は制圧できなかった。木曜日までに反政府勢力は、シリア第4の都市ハマを制圧したと発表した。シリアのアリー・アッバス国防相は、軍が「戦術的」撤退を行ったと主張した。


さらに南では、政府軍の「大規模な増援部隊」がシリア第3の都市ホムスに到着したと戦争監視団は述べた。軍は同都市での反政府勢力の進撃を遅らせようとしており、同都市はダマスカスから約140キロ(90マイル未満)離れている。


フランスのリヨン第2リュミエール大学の講師ファブリス・バランシュ氏は、HTSは現在、攻撃開始前のほぼ7倍にあたる2万平方キロ(7,700平方マイル以上)の領土を支配していると述べた。


政府
シリア内戦の初期、シリア政府は反政府勢力、クルド人戦闘員、イスラム国(IS、ダーイシュ)に国土の大部分の支配権を奪われた。
政府はイランとレバノンのヒズボラの支援を受けて徐々に領土を奪い、2015年9月のロシアの空軍介入で戦況はシリア軍に有利に転じ、政府はシリアの3分の2を掌握した。


現在、政府が掌握しているのは、脅威にさらされているホムス県、首都、地中海沿岸のみで、ロシアはタルトゥースに海軍基地、沿岸都市ラタキアの近くにフメイミム空軍基地を置いている。イランは、ダマスカスの要請を受けてシリアに軍事顧問を派遣しただけだと述べている。


南部武装集団
政府軍の崩壊に直面し、地元に拠点を置く武装集団は、南部のダラア県と隣接するスウェイダ県を制圧したと述べた。ダラアはシリア戦争につながった2011年の蜂起の発祥地だが、同州は2018年に政府の管理下に戻った。スウェイダでは約18か月にわたって反政府デモが続いている。


英国に拠点を置くシリア人権監視団の戦争監視団は、イスラエルが占領するゴラン高原に近いクネイトラの駐屯地からも軍が撤退していると述べた。


クルド人戦闘員
2012年、シリア軍はシリア北部と東部のクルド人が多数を占める地域から撤退し、クルド人が自治を確立する道を開いた。米軍が支援するクルド人主導の戦闘員がISの聖戦主義者と戦い、2019年に過激派をシリア領土の最後の一片から追い出すなか、クルド人は徐々に領土を拡大した。


クルド人はすでにシリア北東部を支配し、ユーフラテス川左岸の東部デリゾール県の一部を支配していた。金曜日、クルド人は川を渡り、ユーフラテス川右岸に展開した。政府軍と親イラン同盟軍は同地域から撤退した。


2014年以来、反IS連合軍の一員としてシリアに駐留している米軍は、クルド人領内に複数の基地を持っている。米軍は、ヨルダンとイラクの国境に近いアルタンフ駐屯地の南部砂漠にも駐留している。


トルコと同盟勢力
トルコ軍とシリア反政府勢力同盟軍は、アフリンとラスアルアインの国境沿いの2つの地域で領土を支配している。アレッポでの反政府勢力の攻勢と並行して、親トルコ派グループはクルド人が支配するタル・リファト地区を占領した。2016年以来、トルコはシリアのクルド人勢力に対して連続して地上作戦を実施している。


イスラム国グループの聖戦主義者
ISの戦闘員は2014年6月、シリアと隣国イラクの広範囲に「カリフ制」を宣言し、恐怖政治を開始した。聖戦主義者は2019年にシリアで敗北したが、グループの残党は特に砂漠の隠れ家から、クルド人戦闘員と軍に対して致命的な攻撃を続けている。




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