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http://mylibrary.maeda1.jp/0426OilMajor2017-3rdQtr.pdf
2017.11.30
前田 高行
2.2016年第3四半期以降の四半期別業績の推移(続き)
(6)原油・天然ガス生産量の推移
(6-1)原油生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-68.pdf 参照)
過去1年間の四半期ごとの原油生産量の推移を見るとExxonMobilが他社を引き離してトップを維持しており、ShellとChevronが2番手グループ、BPとTotalがほぼ同じ生産量で3番手グループである。首位のExxonMobilは5社の中でただ1社200万B/D台の生産量であるが2016年第4四半期以降はわずかながら低落傾向にある。これはShellも同様であり、同社の場合過去1年間の四半期ごとの原油生産量の推移は187万B/D→195万B/D→187万B/D→181万B/D→185万B/DでありExxonMobilのほぼ8割の生産量である。5社の中で生産量が少ないのはBPとTotalであり、両社は共にExxonMobilの6割前後の水準である。
(6-2)天然ガス生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-69.pdf 参照)
天然ガスの生産量はExxonMobilとShellの上位グループとBP、Total、Chevronの下位グループの2極に分かれており、上位2社は日量100億立方フィート前後の生産を続けているのに対してTotal、BP及びChevronは50~60億立方フィート台の生産量にとどまっている。
年間の推移を見ると生産量トップであったShellは昨年第4四半期の113億立方フィートをピークに前期まで2期連続して減少、ExxonMobilにトップの座を奪われたが、今期(2017年第3四半期)は日量100億立方フィートに回復、再び5社のトップに返り咲いている。ExxonMobilは今年第1四半期を境に凋落傾向にある。
BP、Total及びChevronの3社の生産量は日量60億立方フィート前後で横並びのままほとんど変化が見られない。天然ガスは世界各国の既生産鉱区のM&Aが活発であり、また米国のシェールガス生産は原油価格の変動に敏感に反応する傾向がある。したがって今後5社の生産水準がどのように推移するかは予断を許さない。
(6-3)原油・天然ガス合計生産量(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-65.pdf 参照)
天然ガスを石油に換算した原油・天然ガスの合計生産量の推移を見るとExxonMobilは昨年第3四半期の生産量は381万B/Dであった。同社の生産量は昨年第4四半期に400万B/Dを突破、前期(2017年第1四半期)は415万B/Dを記録した。前期及び今期は400万B/Dを下回る水準であるが、5社の中では常にトップである。ExxonMobil に続くのがShellであるが、今期は366万B/DでExxonMobilとの差は20万B/D強と大きくはない。
ExxonMobil及びShellの生産量は360万B/D~400万B/Dの水準を維持しており、その他の3社がいずれも200万B/D台にとどまっているのに比べ大きな差がある。その他3社間の生産量の格差は少なく、今期のChevron、Total、BPの生産量はそれぞれ272万B/D、258万B/D、246万B/Dである。
以上
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