石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

北欧が上位を独占、アラブ諸国はすべて100位以下:報道の自由度 (中)

2021-12-15 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0553WorldRank10.pdf

 

(世界ランクシリーズ その10 2021年版)

(世界180か国中で日本は67位、上位は北欧諸国!)

2.2021年の世界ランク及び2020年との比較

(表http://rank.maeda1.jp/10-T01.pdf参照)

 2021年の報道の自由度世界1位はノルウェーである。これに続く世界4位までにはフィンランド、スウェーデン及びデンマークが入っている。いずれも北欧諸国であり、ノルウェーとフィンランドの世界順位は昨年と変わらない。またスウェーデン及びデンマークも昨年は世界4位、5位である。世界5位は中米のコスタリカであった。

 

 日本を含む主要な国々の世界ランクを見ると、米国はスコア23.93で世界44位である。日本は米国よりもランクが低くスコア28.88で世界67位である。両国のスコアと順位を昨年と比較すると、米国はスコアが0.08悪化しているが順位は1ランク上がっており、日本はスコアが0.02、順位も1ランク下がっている。日本以外のG7の国々はドイツ(13位)、カナダ(14位)、英国(33位)、フランス(34位)、イタリア(41位)、米国(44位)といずれも日本より報道の自由度が高いとされている。またBRICs諸国は世界100位以下にとどまっており、ブラジル(111位)、インド(142位)、ロシア(150位)、中国(177位)である。特に中国は調査対象国180カ国中でほぼ最低レベルに評価されている。

 

 中東諸国を見ると、トップはイスラエルで同国の世界順位は86位と世界のほぼ中位である。しかし同国以外の中東各国はいずれも100位以下であり、その中で比較的高い国は世界105位のクウェイト及び同107位のレバノンである。クウェイト以外のGCC諸国はカタールが128位、UAEが131位であり、サウジアラビアは世界180カ国中のほぼ最低ラインの170位にとどまっている。カタールはアラビア語圏ではもっとも人気の高いアル・ジャジーラ放送の拠点であり、欧米諸国からは国際報道姿勢を高く評価されているが、同国自身にかかわる取材は他のGCC諸国と同様強く規制されているようであり、報道の自由度としての同国の評価は必ずしも高くない。

 

中東の主要国であるトルコ、エジプト及びイランの世界ランクはそれぞれトルコ153位、エジプト166位、イラン174位でありいずれも自由度の評価は低い。3か国のスコアを前年の2019年と比較すると、トルコは50.02→49.79、エジプトは56.82→56.17とそれぞれ改善しているが、イランは64.81→72.70と大幅に悪化しており、世界順位も1ランクダウンしている。

 

(続く)

 

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