ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

首都高XのQ&A

2008年06月10日 | 高速道路
首都高速のWEBサイトのQ&Aコーナーに「首都高Xについて」という項目が出来ている。まだ導入日時や価格も決まっていないのに、10項目に及ぶQ&Aを掲載するというのも随分と用意周到な話だ。というか、それほどに神経質になっているように思える。

この中の第3項、「何故海外のようにカメラを利用しないのですか」は、消費者をミスリードする内容。
以下、転載。

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首都高の料金徴収にはカメラ方式は使えません。
-略-
カナダ、オーストラリア、シンガポール、ロンドンなどでは、カメラ方式による課金が実際に行われています。当社でも現地調査等を行いましたが、やはりカメラの認識率は悪く、向上させるのに苦労しています。それでも、各国の運営会社では、交通量の90%程度について課金ができれば問題ないということのようであり、またそのことへの世間からの批判もないようですが、日本では許容されない精度であると考えられます
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これを読むと、カメラを使う外国では精度が悪いため10%程度の通行車両は課金を免れているように思えるが、実はロンドンは前払い、シンガポールはETCと同様の仕組みであり、カメラが監視しているのはあくまで不正通行。カメラだけで通行料課金をしているのではない。
したがって実際の課金率はここでいう90%ではなく、「正規通行車両+不正通行車両の9割」ということになり、100%に近い数字になるはずだ。
さらに、不正通行にはペナルティつきの請求書が発行されるので、10%の課金漏れを狙って不正通行するという行為も成立しない。

London Congenstion Charge に関するwikiの記事に罰則や未払い対策などについて詳しい。90%に課金できればいいや、といういい加減な対応をしているわけではないことがよくわかる。一体どんな現地調査をしたのだろうか?
このQ&AをTfL(ロンドン交通局)に見せたらクレームがつくんじゃない?

注)ロンドンの場合、10台以上保有の法人ユーザーは車両事前登録による事後清算(ペナルティなし)ができる。この場合は確かに10%の課金漏れは発生しているだろうが、大口ユーザーであり、また恣意的に課金逃れが出来るわけではないので、10%のロスを見込んだビジネスケースにしておけば問題はない。

それに対してわが国のETCは、不正通行の何パーセントに請求書を発送しているかご存知だろうか?驚くべきことに、請求書は発送されていない。(時々常習者が逮捕されるが。)

ここの文章、WIKIで確認できるけど昨年発表されたときはこんなだった。
(追記参照ください)

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それでも、交通量の90%程度について課金ができれば問題ないというのが彼の国の運営会社の姿勢であり、また世間からの批判も無いようである。そのような低い精度を許容するお国柄であることが、日本との大きな違いであろう。
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英国、カナダ、豪州、シンガポールなどを名指しして「ルーズなお国柄」とは恐れ入る。でも、たとえばカナダでは法令により滞納者は車のナンバープレート更新・新規発行が差し止められる(Plate Denial)など、厳しい管理がなされている。

逆に不正通行が放置される日本の制度の方がよっぽどルーズに思えるのだが、違うか?

注)首都高もカメラを使えば良い、というような趣旨ではないので、トンチンカンな批判はしないでください。

6月23日追記
このエントリーとの関連は不明ですが、6月11日にWIKIの「首都高X」のページに削除議論が再提起され、(Yahoo知恵袋と同じ内容、という理由)19日に削除となっています。