ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

アナログ停波の空き地利用はまったく進んでいない

2011年07月24日 | ITS
TV地上アナログ波が停止された。
なぜアナログ波を止めなくてはいけないのか、という問いへの答えは、もちろん有限資源である電波の有効利用に他ならない。

しかし、それがまったく何も進展していない。

VHF1~3チャンネルに該当する部分は、移動体へのマルチメディア放送へ割り当てることになっているが、ここはまだ誰が何をやるか決まっていない。4~10チャンネルあたりは公共機関が「安心・安全」に使うことになっていて各省庁に割り当てられているらしいが、具体的な話は見えてこない。安心・安全のために国民に何かを周知するのなら今使われている携帯なり放送なりを使えばよく、新たに電波を割り当ててもらっても何をやっていいのかわからない、ということかもしれない。

VHFの上のほうも「移動体向けのマルチメディア放送」に割り当てられ、これはドコモ系の「モバキャス」が来年4月から営業を開始することになっているが、「相当」の苦戦が予想されることは何回も書いている通り。
(ワンセグは無料で、しかも通常放送と同じ内容だからビジネスとしてうまく行っていない、モバキャスはオリジナルコンテンツを有料で提供するのでビジネスとしての可能性がある、という論調があるが、本気で言ってるんだろうか?)

UHFは主に地デジに割り当てられ、上のほうがその他の電気通信に割り当てられた。その中にITSが入っている。
これは車車間通信による「絶対ぶつからない車」の実現ということなのだが、これもまったく具体的な動きが見えていない。
過去記事(左の検索ウインドウで「車車間通信」で検索してみてください)で散々いっているとおり、費用対効果を考えるとこれはかなり無理筋だろう。

いずれにしても、停波にいたった現時点でほとんど何も決まっていないということは、ほとんどたいした需要がないことに割り当てた、ということなのではないか?