たかたかのトレッキング

駆け足登山は卒業、これからは一日で登れる山を二日かけ自然と語らいながら自由気ままに登りたい。

(9)フランス・スイス紀行(20日間) ファールホルン(2681M)

2011年01月13日 | 旅行
フィルスト(0:45)バッハゼー(1:25)ファウルホルン(2:00)フィルスト)
                              →グリンデルバルト→グルント→メンリッヘン
一晩中降り続いた雨は朝も残っていた。
雨に混じって風も吹き心が萎えてしまう様な悪天となってしまったが遠くからはるばるやってきた身なれば
どんなに降ろうとひるむ訳にはいかない。
用意してくれた朝食をいただき6時ホテルを出る。
天気が良ければうねる草原の果てにアイガー、メンヒ、ユングフラウが望めるはずであった。
ここに来なければ見られないベルナーオーバーラントのフィンスター・アールホルン(4274)と併せて
眺めながらの漫歩をイメージしてやって来ただけに今日の雨は何としても無念でならない。

45分歩いてバッハゼーにやってきた。
山の中の二つの宝石と言われる湖である。
しかし今日の宝石は残念ながら輝きを失いさざ波だけがその存在をアピールしているだけだった。
ところがで有る。
湖の横の避難小屋で火を焚き暖を取っていると急に外が明るくなり半分も見えなかった湖が全容を現したではないか。


                                       (小屋より)

しかし、その喜びも長くは続いてはくれなかった。
8時20分、止まぬ雨に豪を煮やし小屋をでる。
山道脇には湿地帯も現れキンポーゲは辺りの暗さゆえか一層輝きを増しワタスゲはその白さを際立たせる。
その美しさとは裏腹に容赦なく吹き付ける雨はとうとう靴の中まで入り込み
一歩踏み出す度にクチャクチョと音をたてた。

三つ目の小屋に迎えられるころ状況はますます悪化し冷たいミゾレも降り出して終には本格的な雪に変わった。
山頂からの360度の大観も、もはや絶望的
そう思ったら急に疲れてしまって「もう駄目かも知れない」が頭をもたげてきた。
いま私を支えているのは、ここがそう簡単に来られる場所ではないと思いだけの様だ。


                                  晴れていればこんな景色が
吹き付ける雪がますます冷たい、時々ボンヤリ標識が浮かぶ。
どれくらい歩いたろうか。
頭を上げた先にヒュッテが幻の様に現れた。
苦闘を強いられたがとうとう着いたのだ。
ヤッタゼ2681メートル・・・



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小屋に戻ったが何時になっても回復の兆しは見られない。
昨日フィルストの展望台に着いたとき待っていたかの様に顔を出したアイガー、メンヒ、ユングフラウトリオ
あの時なぜカメラを向けなかったか・・・

一旦、グリンデルバルトへ戻りグルントあらゴンドラでメンリッフェンへ。
ゴンドラから下を見ると一面黄色いパウダーを撒き散らした様な所有りアラビアの絨毯を敷き詰めた様な所有り
その中に放牧された牛が草をはむ長閑な風景が広がっていた。
ハイカーの姿も二・三見える。
時間が有ればゴンドラには乗らずにメンリッフェンへの登山も楽しそうだ。

到着した山岳ホテルはツインベッドにバス、トイレ付きといった都会のホテルと何ら変わらない木造のガッシリした造りである。
部屋に案内してくれた女性がヒーターを調節してくれたお蔭で
濡れたリュックや靴を乾かすことが出来た。
シャワーを浴びサッパリした所で食堂へ。
ステーキのソースはフィルストの山岳ホテルと同じで主人は顔をしかめる。

外はまた雪に変わった。
部屋に戻り期待できない空模様に半ば投げやりになって身を投げていると・・「あれは何だ」と主人が叫ぶ。
ヴェルナーオーバーランドのトリオが窓いっぱいに顔を出したのである。










コメント (2)
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